使用料対象経費算定手順

1 使用料算定期間の設定

使用料対象経費を積算する期間の設定

「下水道使用料は、日常生活に密着した公共料金としての性格から、できるだけ安定性を保つことが望まれる反面、余りに長期にわたってその期間を設定することは、予測の確実性を失うことになる。これらのことから、使用料算定期間は一般的には3年から5年程度に設定することが適当」とされていること、また、国から着実に収支構造の見直しの検討を進める要請があったことから、今回の使用料改定検討では、汚水処理ビジョンに基づく管きょ整備概成の予定年度である令和4年度~令和8年度(5年間)と設定しました。

※出典:「下水道使用料算定の基本的考え方 2016 年版 公益社団法人日本下水道協会」より抜粋

2 使用料対象経費の算定

経営戦略に基づく排水需要予測

令和2年度および令和3年度に策定した汚水処理ビジョン・経営戦略、公共下水道全体計画での管きょ整備区域面積・人口予測に基づき、使用料算定期間の排水需要予測を行い、直近5年間(平成29年度~令和3年度)の実績値を用いて予測しました。

管理運営費(維持管理費・資本費)の算定
控除額の算定(公費負担とすべき経費)

下水道事業運営に必要な管理運営費は人件費や動力費などの維持管理費と減価償却費などの資本費からなるものです。本来、資本費についても使用料対象経費として計上し、公費負担の軽減を図る必要がありますが、今回の使用料改定検討では、使用料対象経費から資本費を控除し、維持管理費のみを使用料対象経費としました。

 

3 収支不足額の確認

使用料改定率の目安の確認

使用料で回収すべき経費を、どの程度使用料で賄えているかを表す「経費回収率」の向上を図ることが使用料改定の目的です。経営戦略における使用料改定の目標値である「令和7年度で経費回収率80%」を達成するためには、今回の使用料改定率の目安は約60%増となりましたが、使用者の方の負担感や家計への影響を考慮すると現実的ではないことから、今回の使用料改定率を33%としました。

改定の使用料体系と単価検討

現在の使用料体系に基づき、使用者間の不公平を解消し、安定的な下水道使用料収入を持続させるため、使用料改定時の使用料体系の見直しの基本方針を下記としました。

【使用料改定に伴う新使用料体系の見直し基本方針】

基本使用料と従量使用料の二部使用料制を維持しつつ、基本水量制、累進使用料制を廃止します。


基本使用料金について

基本使用料は、使用料対象経費に対する固定費の割合では月額約2,200円が必要となりましたが、現在の基本使用料からの増加額として現実的ではなく、また、基本使用料のみで賄える部分が大きくなることで従量制の意味がなくなることや、「基本使用料が高額になるなど、各地方公共団体の事業の実態によっては、固定費について、その一部を基本使用料の対象とすることが妥当である。」とされていることから、現状の使用料収入基準の固定費である月額1,100円としました。

※出典:「下水道使用料算定の基本的考え方 2016 年版 公益社団法人日本下水道協会」より抜粋


従量使用料金について

従量使用料制は使用水量に応じて使用料を算定する料金であるため、累進使用料制を廃止するとともに、本来一律単価とするところですが、10/月付近の使用料改定率が大きくなってしまうため、激変緩和策として10/月での累進制を採用し、10㎥までは31/㎥、11以上は113円/㎥としました。


基本水量制、累進使用料制の廃止について

基本水量制は、下水道供用開始当初に、最低限の発生下水量を基本料金に含めることで、下水道への接続を促進し、公衆衛生の向上に寄与するため導入しましたが、少子高齢化により単身世帯が増加している状況を鑑みると、1か月あたりの使用水量が少ない世帯が増加すると見込まれるとともに、節水努力をされている世帯に対して不公平が生じていることから廃止としました。

累進使用料制は、多量に水を使用する事業者に対して、水の使用を抑制することを目的に導入した制度ですが、当町において1か月で100を超過している使用者は、全体の0.6%にとどまっており、導入当初の目的が薄れているため廃止としました。

 

お問合せ

担当:上下水道課下水道業務部門

電話:0548-33-1100