令和8年第2回吉田町議会定例会の開会に当たりまして、町政運営の概要などについてご報告申し上げます。

 新たな年度がスタートし、2か月が経過したところでございますが、我が国を取り巻く情勢は日々大きく変化しており、国際社会においては、世界各地で続く領土、資源などをめぐる国家間の対立や武力紛争をはじめ、エネルギーや食糧問題、国際経済秩序の変化など、先行きの不透明感は一層増してきております。

 特に、アメリカとイスラエルによるイランとの軍事衝突は、今後の世界のエネルギー事情に深刻な影響を及ぼしかねない状況を生み出しております。

 日本国内では、引き続き物価高騰が続く中、この軍事衝突に起因する世界的な原油不足により、原油を原料とする化学製品の供給が滞るなど、私たちの生活にも大きく影響が及び、町民の皆さまの不安も日々高まってきていると感じております。

 こうした状況の中、本町といたしましては、国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し、物価高騰の影響を受けている町民の皆さまの生活を支援するため、ライフラインの1つでもある上水道事業において、水道基本料金の6月請求分を減免することといたしました。

 水道使用の開始や休止の時期などにより対象にならない場合はございますが、町内のほとんどの世帯で利用されている口径13、20、25ミリの基本料金を減免するよう事務を進めております。これにつきましては、使用者の皆さまが、申請の手続などをする必要はございません。

 また、吉田町商工会では、エネルギーや食料品価格などの物価高騰対策といたしまして、第8弾のプレミアム付商品券発行事業を実施することとしており、本町では、消費の下支えなどを通じて生活者と町内事業者を支援するため、この事業に対して吉田町商工業振興事業費補助金の交付を決定しております。

 今回、商工会において実施する事業は、発行総数7万セット、プレミアム率は100パーセントと伺っており、現在は6月末の販売に向けた準備を進めているところでございます。

 これらに加え、園児や児童、生徒に係る給食費の支援を行うことにより、保護者の皆さまの負担軽減につなげているところでございます。

 さらに、国においても「エネルギー価格の抑制」や「家計負担の軽減」などを軸とした経済対策の実施や検討が行われているところでございますので、こうした世界や国内の情勢を注視し、今後も町民の皆さまへのきめ細かな支援を実施してまいります。

 それでは、本年度事業の進捗状況などにつきまして、第6次吉田町総合計画の施策体系に沿ってご報告申し上げます。

災害に強く安全・安心に暮らせるまちづくり

■住吉海岸の防潮堤整備事業

 1000年に一度の大津波から町民の皆さまの生命・財産と企業の生産活動を守る防潮堤整備につきましては、これまでもご報告しておりますとおり、昨年度から本格的に住吉工区の整備に着手しております。

本年度は、構造物などの撤去と、L2盛土の整備を進める工事につきまして、5月19日に入札を執行し、契約予定者が決定いたしましたので、本議会の会期中に請負契約の締結について議決を求める予定でございます。

 併せて、地権者の皆さまのご協力をいただきながら、背後盛土区間の用地取得に向け、事業進捗を図ってまいります。

 今後につきましても、確固たる安全を確保するべく、防潮堤の早期完成の実現に向けて、引き続き、国や県と細部の調整を進めるとともに、地元の皆さまのご理解をいただきながら事業を進めてまいります。

■大窪川改修事業

 令和7年度の繰越事業として進めております大窪川改修工事につきましては、3月に契約を締結し、出水期明けに工事着手できるよう準備を進めているところでございます。

豊かな自然と共生するまちづくり

■上水道事業

 上水道の整備につきましては、基幹管路の耐震化を進めており、自彊小学校西側にある重要給水施設までの配水本管の布設替や老朽管の布設替など3件の管路更新工事を予定しております。

そのうち2件の工事は既に発注を済ませており、残り1件の管路更新工事と、水道施設更新計画に基づく機器や設備の更新工事につきましては6月下旬に入札を執行する予定でございます。

■公共下水道事業

 本年度は、ストックマネジメント計画に基づいて事業を進めており、管渠整備につきましては、住吉地区において既設管の改築工事を1件予定しております。

浄化センターの整備につきましては、3年間の債務負担行為により機械設備、電気設備工事を既に発注しているほか、2年間の債務負担行為による電気設備工事と単年事業の建築改修工事を予定しており、早期の発注に向けて準備を進めてまいります。

 また、公共下水道ストックマネジメント計画策定業務につきまして、令和6年度から本年度までの債務負担行為により、次期計画策定と併せて管渠と処理場設備の点検調査や診断を一連で進めているところでございます。

活力と魅力あふれる産業振興のまちづくり

■ふるさと納税推進事業

 本町における昨年度のふるさと納税の寄附額は、15億8,889万3千885円で、令和6年度の寄附額12億9,941万5千300円と比較しますと、約22パーセントの増額となっております。

昨年度は、事業者の皆さまのご協力により、返礼品を安定して供給できたことや、効果的なタイミングでウェブ広告を配信したほか、新たに9つのふるさと納税ポータルサイトを追加し、町の特産品の魅力をより広く発信できたことが寄附額の増加につながったものと捉えております。

 本年度につきましては、引き続き、更なる返礼品の掘り起こしや、寄附者の関心が高まるタイミングに合わせてウェブ広告を配信するとともに、若年層や子育て世代に向け、SNSを活用し、町の特産品の知名度を高めることで、寄附額の増加につなげてまいります。

■地域おこし協力隊

 地域と連携したイベントの展開や情報発信の充実などにより、町の賑わいを創出していくことを目的に、総務省が推進する「地域おこし協力隊」制度を活用し、4月1日から新たに1名の隊員を委嘱いたしました。

隊員は、静岡市出身の43歳の男性で、吉田公園で行われていた音楽イベント「頂」を始め、様々なイベントの企画運営や新規プロジェクトの立ち上げなどに携わっており、これまで培った経験や人脈を生かして町の賑わいづくりに取り組んでまいります。

 また、4月に開催した「みどりのオアシスまつり」では、実行委員会に参画し、イベント内容の充実や魅力の向上などに取り組み、活躍していただいております。

 今後も、地域の皆さまと良好な関係を築きながら、町の賑わいづくりに力を発揮していただけるものと期待しております。

■吉田公園の新たな指定管理者

 先にご報告申し上げました「みどりのオアシスまつり」におきましては、この4月から新たに吉田公園の指定管理者となった「吉田公園みらい共創グループ」にも、企画や運営に携わっていただいており、このイベントのステージプログラムにおきましては、新たに町内出身のタンバリン奏者と弦楽団のバンド演奏が披露されました。

さらに、イベントを盛り上げる新たな試みとして「熱気球体験会」を企画し、あいにく当日は風の影響により中止となりましたが、例年を上回る盛況ぶりでございました。

 今後も、賑わいづくりの新たなパートナーとして「吉田公園みらい共創グループ」と連携を図ってまいります。

多様な人々が快適に暮らせるまちづくり

■町内を走る新しい交通

 本町では、オンデマンド型乗合タクシー「“ぎゅっと”カーよしだ」を地域公共交通として本格運行へ移行し、誰もが気兼ねなく出掛けられる移動手段の確保に努めているところでございます。

本年度は、更なる利便性の向上を図るため、国の補助金を活用し、試行的に高齢者の乗降支援や、子供が安心して利用できる環境づくりに取り組んでまいります。

■吉田町地域公共交通計画の策定

 本年度をもって吉田町地域公共交通計画が終期を迎えることから、将来にわたり持続可能な地域公共交通を確保していくため、次期計画の策定を進めてまいります。

計画の策定に当たりましては、住民懇談会などを実施し、町民の皆さまのご意見を幅広く伺いながら、本町の実情に即した公共交通の在り方を検討してまいります。

誰もが健康でいきいきと暮らせるまちづくり

■特定健診受診勧奨に新たな手法を導入

 本町では、特定健診の受診率向上を目指し、静岡県と県内5市町と連携した「成果連動型民間委託契約方式」、いわゆる「PFS」を導入することといたしました。

本事業手法は、民間事業者が創意工夫により導き出した「成果」に応じて対価を支払う画期的なものでございまして、民間の高度な分析ノウハウや自由な発想を広報・啓発活動に取り入れ、これまで受診機会を逃していた方々への効果的なアプローチを展開してまいります。

 この広域連携と民間活力を最大限に引き出す先進的な試みを通じて、生活習慣病の早期発見と重症化予防に努め、町民の皆さまの健康寿命を延ばすとともに、健やかな暮らしを支える、質の高い住民サービスの実現に取り組んでまいります。

次代を担う心豊かな人を育むまちづくり

■吉田町教育元気物語TCPトリビンスプラン

 児童生徒一人一人の習熟度に応じた個別最適な学びと、学習データを活用したきめ細やかな指導を促進するため、AI型デジタルドリルの活用を開始いたしました。

蓄積された学習データを生かし、教員によるきめ細かな指導と児童生徒の学びの自律を両立し、確実な基礎学力の定着を図ってまいります。

 また、昨年度まで3年間にわたり取り組んでまいりました「リーディングDXスクール事業」の後継事業であります「生成AIパイロット校事業」につきまして、本町全ての小中学校が指定されましたので、教育DXを次なるステージへと進化させてまいります。

 本事業の推進にあたり、まずは教職員の校務における生成AIの利活用を促進し、働き方改革と指導の質の向上を進めるとともに、生成AIを含む情報活用能力の育成に向けた授業改善や教材活用事例を創出・発信してまいります。

■部活動の地域展開

 町教育委員会では、休日の部活動から段階的に地域へ展開することを目指し、本年9月から、準備の整った種目から順次、地域クラブの「よし活クラブ」として活動を開始いたします。

現在、地域クラブとしての認定制度や国の補助金を活用した支援制度の最終調整を行うとともに、吉田中学校の関係者などとともに、円滑な移行に向けた調整を行っているところでございます。

 9月の始動に向け、より多くの部活動がスムーズに活動を開始できるよう準備を進めてまいります。

■大人のソフトランニング教室

 体力に自信のない方やあまり体を動かすことが得意ではない40歳以上の方を対象として、新たに「大人のソフトランニング教室」を開始いたしました。

来年3月までに計30回、吉田中学校第1グラウンドで実施する予定でございます。

 この教室では、体力増強による将来的な健康維持や運動習慣の定着を図ることを目的にランニングやウォーキングなどを楽しみながら実践し、それぞれの健康づくりにつなげていけるよう進めてまいります。

■高齢者のスポーツ振興

 本町では、より多くの皆さまが住み慣れた地域で、いつまでも、心身ともに健全で豊かな生活を送ることができるよう、町内の65歳以上の方を対象とした「シニアフィットネス教室」を開催しております。

本年度は、6月から来年の3月まで毎月2回、計15回総合体育館で実施する予定でございます。

 この教室では、楽しみながら運動習慣を定着させることができるよう「筋力トレーニング」と「軽スポーツ」を併用して体力づくりに取り組んでおります。

 また、初回と中間、最終回の計3回、筋力や体脂肪などを測る体組成測定を実施し、受講者はその測定結果を確認しながら各自の目標を立てて、筋力向上とともに生活習慣の質の向上に取り組んでおります。

 今後も、こうした事業を通じて、町民の皆さまの健康寿命の延伸を推進してまいります。

 

 以上、本年度の主な事業の進捗状況をご報告させていただきました。

社会情勢や経済情勢の変化に伴う生活への対応、気候変動の影響により多発する災害対策、少子高齢化に伴う子育てや高齢者施策など、本町だけでなく、全国の地方自治体は様々な諸問題を抱え、どの自治体も財源・人材に限りがある中、知恵を絞って都市間競争を生き抜くための施策に取り組んでおります。

 先日、令和7年国勢調査の速報値が発表され、本町の人口は27,753人でございまして、前回調査の確定値28,919人から1,166人、約4パーセント減少しており、全国的に見ましても大都市への人口集中が進んでいる状況となっております。

 こうした中、先にご報告申し上げましたとおり、本町では、「シーガーデンシティ構想」を強力に推し進め、安全が安心を生み、魅力があれば企業が来て人が集まる、といった流れを構築しているところであり、その他行政が提供する諸々のサービス、事業につきましても、引き続き、生活の安心につながり、より魅力のある、価値の高いものを提供することにより、皆さまから選ばれ続けるまちづくりを進めてまいります。

 議員各位をはじめ、町民の皆さまにおかれましては、本日ご報告申し上げました町の取組に対してご理解をいただき、令和8年度が末広がりの年になりますよう、今後もより一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げまして、本議会定例会の行政報告といたします。

 

令和8年第2回吉田町議会定例会「町長の行政報告」