2016年2月17日 作成
指定日
昭和39年(1964)4月1日
指定事由
一.武田・徳川の攻防の間、家康から拝領したと伝える茶がまである。
解説
この茶がまは鉄製で高さ26.5センチ、深さ24センチ、直径19センチ、重さ約7.6キログラム、つるがついていて提げることができる。
茶がま拝領のお墨付きは今はなく、萬年系譜にも註書きがないが、家名の「茶がま・かじ紋・萬年氏」と「家康」との関係は、伝承以上の事実があったのではないかと思われる。
「武徳編年集成」によると、
5月のある日、家康は大井川へ狩に来た道すがら、付近の百姓から座興に田の代かきの道具を取り上げ、萬年重頼の家に立ちより、代かきの様子を見たいと所望した。
ところが重頼は、いつ用意したのか、竹製の代かきの道具に似せたものを百姓に持たせ、何事もなかったかのように仕事を始めた。これを見た家康は、「あっぱれ、萬年の腕前かな」と感歎したという。
伝承によれば、このときの賞として茶がまを拝領したと伝えられる。この伝承から、萬年家は家康との結びつきが深く、長く川尻一円の代官を勤めた。