2016年2月16日 作成
林泉寺の十王像の画像
文化財

林泉寺の十王像
(りんせんじのじゅうおうぞう)

問い合わせ 片岡2598(林泉寺十王堂内)

指定日
 平成14年(2002)12月2日
指定事由

 一.十王思想にもとづく、現存する貴重な十王像である。

 一.工芸品としては、見劣りしない貴重なものである。

 一.十王がそろって現存していることは、非常に稀である。

 

 
解説
十王思想は道教特有のもので、十世紀ごろ中国で広められ日本へ伝わった。農村まで浸透したのは、室町時代であると言われている。
冥界に君臨して、死者の罪業の審判にあたる十人の王が十王で、地獄思想の一部をなしている。地獄の救済者であるお地蔵様を中心に、周囲に十王を配した形になっている。
十王像を祀る十王堂は、元中5年・南朝の嘉慶2年(1388)、片岡上川原、今の吉田高等学校北側に建てられ、後250年を経て、寛永15年(1638)、能満寺13世 林叔(りんしゅく)和尚が荒廃激しい十王像を中興したと言われる。

この十王像は、大井川の度重なる出水の被害を受け、やむなく能満寺原へ移された。当時、無住であったが、嘉永4年(1851)12月、諸国修行中の鈴木角兵衛夫婦が十王堂の堂守りとなった。その後、林泉寺の留守入となり、檀信徒の信望を得、請われて住職となり、僧名を鈴木桂丈と名乗った。
現在の堂は、明治のはじめに行われた「廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)」により、明治4年(1871)、林泉寺境内に移したものを、昭和52年(1977)1月に新しく建て替えたものである。

また、十王堂では百万遍の数珠まわしの行事が年1回(8月24日)行われる。数十人が輪になり、双盤をたたきながら南無地蔵大菩薩を唱え、長さ8メートルあまりの数珠を百万遍まわす。