2016年2月17日 作成
太刀の画像
文化財

太刀
(たち)

問い合わせ 片岡1571-3(高成田滋家所蔵)

指定日
 昭和39年(1964)4月21日
 県指定第270号
指定事由
 一.比較的作品の少ない長船師光の銘の入った、最上作の貴重な太刀である。

 

解説
太刀の画像その2
 刀と刃と棟の間に厚くなった部分があり、鎬造りの太刀である。刀の棟は庵形をしている。刀身の下部から柄にかけて強さがあり、ふん張っている。刀の反りは刀身の先の方である。刀の先端の冠形をした部分の大きさは、普通である。
 刀を造る時の鋼を折返し鍛えた跡が、板目の模様になりはっきりと見える。刀の焼付けをした模様は、互い違いに波形となり、所々大きな波形がみられる。
 刃の模様は、刀身の先まで伸び小さく棟の方へ折れ曲がっている。刀身を光にすかして見ると、刃の模様の近くに、焼を入れた時の微粒子が浮き出て見え美しい。
 刀身の柄は造った当時そのままで、先端は栗尻(栗の尻)形をし、柄にあるやすり目は少し下がり目である。

長さ73.8センチ、反り2.5センチ、目釘穴1か所
銘(表)備州長船師光、(裏)応永2年2月

系譜
師光(備州長船…永和2年(1376)~応永13年(1406)まで)→師光(備州長船…~応永7年(1400)まで)→師光(備州長船…永享12年(1440)~宝徳2年(1450)まで)

刀・太刀
刀とは、反りの浅いものが多く、2尺(60センチ)以上で太刀よりも短く、刃を上向きにして腰帯に指すものを言う。
太刀とは、反りが強く長刀で、2尺5、6寸(82~86センチ)位で、刃を下向きにして腰に吊るすものを言う。