平成30年第4回吉田町議会定例会の開会に当たり、町政運営の概要等についてご報告申し上げます。

 平成23年3月11日に発生しました東日本大震災以降、当町では、失われた安全・安心を取り戻すべく、「津波防災まちづくり」を強力に推し進めてまいりましたが、この津波防災まちづくりの最重要施策であり、当町の悲願でもあります防潮堤の嵩上げ工事がいよいよ開始される運びとなりましたことから、去る10月13日に、国・県のご協賛のもと、川尻海岸におきまして「吉田町防潮堤整備着工式」を開催いたしました。

 当日は、国・県の関係者の皆さまや地元住民の皆さまなど約100人の方にご出席いただき、盛土開始のセレモニーを行いました。1000年に一度の大津波を海岸線で食い止める防潮堤が完成いたしますと、当町の安全・安心は揺るぎないものになると確信しておりますので、国・県と連携しながら、着実に事業の進捗を図ってまいります。

 こうした津波防災まちづくりをはじめとする町の重点施策の進捗状況につきましては、10月3日から11日までの間に開催いたしました町政報告会におきまして、町民の皆さまにお知らせをさせていただきましたが、本年度はさらに、東日本大震災発生直後に当町の津波防災対策の方針をご説明させていただいた企業の皆さまや、町内産業4団体、金融機関の皆さまなどを対象に企業版町政報告会を開催させていただき、防潮堤整備をはじめとする津波防災まちづくりや教育、子育て支援施策などを中心に、今後の展望も含めご説明させていただくとともに、引き続き、町内で安心して生産活動に邁進していただきますようお願いをさせていただいたところでございます。

 私は、平成21年に当町が町制施行60周年を迎えた際、「我々は、先人が汗を流して築いた吉田町をさらに力強い、誇れるようなまちに作り上げ、後人に託すとともに、60年後のまちの人々が現在の吉田町を振り返った時、感謝されるようなまちづくりに勤しまなければならないのです。町制施行60周年に臨み、先人に感謝を捧げ、後人に夢を贈ります。」と申し上げました。その後、平成23年に東日本大震災が発生し、新たな安全・安心を培わなければならない事態に直面したわけですが、後人に感謝され夢を贈れるよう「津波防災まちづくり」に着手しました。その結果、津波避難タワーや避難路などの整備が進み、町の姿は大きく変貌を遂げました。そして、今般、津波防災まちづくりの一丁目一番地であります防潮堤の整備が本格化することにより、新たな町の姿を夢を持って感じ取れるようになってまいりました。このほか、当町では、「吉田町教育元気物語 TCP Triwins Plan(ティーシーピー・トリビンス・プラン)」をはじめとする独自の様々な事業を積極的に展開し、新しい吉田町を作り上げようとしております。

 我々は今、町史の大きな転換点と言えるような局面にいると感じておりますことから、まさに「先人に感謝を捧げ、後人に夢を贈る」瞬間に立ち会っているのではないかと思っております。先人たちが汗と涙を流し作り上げてきたこの町を、町民の皆さまが安心して心豊かに暮らし続けることができ、企業の皆さまが安心して生産活動に邁進することができる「豊かで勢いがあり、心を魅了するまち」へと発展させ、後人たちに引き継いでいくことが今を生きる私どもの使命であると考えておりますので、その実現に向けて尽力してまいる所存でございます。

 議員各位におかれましては、是非ともご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 それでは、本年度の事業の進捗状況につきまして、ご報告申し上げます。

 はじめに、「災害に強く安全・安心に暮らせるまちづくり」に関連する事業のうち、川尻工区における防潮堤の整備につきまして、ご報告申し上げます。

 川尻工区における防潮堤の整備につきましては、目下、国や県の工事で発生する土砂などが予定を上回るペースで順調に運び込まれております。11月当初の時点で、総盛土量約26万立方メートルに対し、約6万8千立方メートルの土砂が搬入されており、このまま順調に進めば、来年3月までには約16万立方メートルの土砂が搬入され、進捗率としては、およそ60パーセントとなる予定でございます。

 今後も、国・県との連携を図り、円滑な事業執行に努めるとともに、防潮堤が早期に完成できますよう、引き続き、国・県に対して働き掛けてまいります。

 次に、吉田漁港多目的広場の整備についてでございます。

 昨年度からの繰越事業となる護岸工事の階段工につきましては、本年9月から現地での作業に着手し、来年1月末の完成に向けて順調に工事を進めております。一方、護岸工事の植生工につきましては、当初の計画では11月までに完了する予定でございましたが、階段工との施工方法やそれに伴う張芝の適正時期との調整により、来年3月まで工期を延長いたしましたので、本年度中の完成に向けて着実に工事を進めてまいります。

 次に、地域水産物供給基盤整備事業により実施しております旧6号岸壁を航路護岸に改修する工事と、水産物供給基盤機能保全事業により実施しております4号岸壁の防食工事についてでございます。

 両工事は、ともに昨年度からの継続事業でございますが、本年9月に工事を発注し、事前測量等の準備工を経て、現在は本工事に着手しております。旧6号岸壁を航路護岸に改修する工事につきましては、本年度をもちまして事業が完了となりますので、引き続き、漁業者の皆さまのご協力をいただきながら、来年2月末の完成に向けて着実に工事を進めてまいります。

 次に、災害時における支援協定の締結についてでございます。

 当町では、災害時における被害拡大の抑制や早期の復旧・復興のため、近隣自治体をはじめ各種関係団体と災害時における支援協定を締結し、受援体制の強化に努めているところでございますが、この度、浜田土地区画整理事業区域内に立地いたします株式会社コメリから、災害時における物資供給等についての支援申出がございましたことから、災害時支援協定の締結に向けて準備を進めております。

 この支援協定の締結により、避難所生活において不便を強いられる被災者の皆さまに対し、迅速かつ円滑に物資を供給することが可能となり、加えて、災害時に使用する資機材が提供されることで、復旧・復興に向けての活動も迅速に行われるなど、当町の防災機能をさらに充実させてまいります。

 次に、“ふじのくに”のフロンティアを拓く取組における川尻高島地区の企業活動維持支援事業区域基盤整備事業についてでございます。

 大幡川左岸側の橋梁下部工事につきましては、11月に基礎杭の打設を完了し、来年3月の完成に向けて橋台の施工を進めております。また、橋梁上部工事につきましては、9月下旬に契約を締結いたしましたので、橋梁下部工事完了後速やかに設置できるよう、橋桁の製作を進めてまいります。

 次に、木造住宅の耐震化プロジェクト「TOUKAI-0」事業についてでございます。

 「TOUKAI-0」事業につきましては、昨年1月からの助成制度拡充の効果も相まって、昨年度同様にお問合せが多く、11月末までに無料耐震診断に41件、耐震補強計画策定に9件、耐震補強工事に8件のお申込みをいただいております。今後も、ダイレクトメールの発送や戸別訪問等のPR活動により、事業対象者の更なる掘り起こしを進め、木造住宅の耐震化を加速させてまいります。

 また、ブロック塀等の撤去事業につきましては、6月18日に発生しました大阪府北部地震によるブロック塀倒壊被害もございましたことから、補助申請件数は、昨年度全体で2件であったものが、本年度は11月末現在で24件となっております。

 次に、同報系防災行政無線の整備についてでございます。

 同報系防災行政無線につきましては、平成34年12月1日からのデジタル波全面移行に対応するため、昨年度、同報系防災行政無線の中心的な基幹放送設備である親局と屋外拡声子局1局をデジタル対応の機器に更新し、本年度は23局の屋外拡声子局を順次更新しているところでございます。当初の計画では、残り12局の屋外拡声子局の更新を含め、工期は平成32年度末としておりましたが、一日も早く安定したシステムを構築し難聴地域を解消させるよう予定を1年前倒しし、平成31年度末の完成を目指して事業を進めているところでございます。

 続きまして、「誰もが健康でいきいきと暮らせるまちづくり」に関連する事業のうち、健康づくり事業につきまして、ご報告申し上げます。

 11月4日に、健康増進や運動習慣の定着を図ることを目的といたしまして、北オアシスパークを発着点とし、片岡区から北区までを巡るウォーキングイベント「よしだ健康ウォーク」を開催いたしました。今回は、9キロメートル及び6キロメートルのウォーキングコースをご用意させていただき、親子連れや高齢者の皆さまなど、121人の方にご参加いただきました。

 また、当日は、このウォーキングイベントに併せ、北オアシスパークにおいてミニ運動講座を開催し、71人の方が健康運動指導士による講話や自宅でできる簡単なストレッチ、体操などの実技指導を受けられました。さらに、株式会社杏林堂薬局のご協力による健康測定会では、96人の方が血管年齢測定や体組成測定、骨密度測定を受けられ、骨密度や血管年齢、体脂肪率、筋肉量などを具体的な数値として確認し、食生活や運動などの生活習慣を振り返る機会としていただけたのではないかと受け止めております。

 次に、ダンス健康づくり事業についてでございます。

 吉田町ダンス健康づくり推進会が子どもから高齢者まで幅広い世代の皆さまに町オリジナルダンスの普及を通した健康づくりを推進するために開催しております「笑っしょいよしだフェスティバル」が、平成21年度の開催から10回目の節目を迎えましたことから、11月18日に総合体育館におきまして10周年の記念事業を開催し、出場者と来場者を合わせて1,600人の方にご参加いただきました。

 当日は、音楽グループ「TRF」のダンサーであり、振付師としても活躍されておられますSAMさんをゲストにお招きし、ダンスパフォーマンス発表会コンテスト部門の特別審査員に加わっていただきました。また、SAMさんによる初心者向けのワークショップには多くの皆さまが参加され、経験のない方でも無理なく踊れるダンスを全員で楽しんでいただきました。

 今回のイベントを通して、幅広い世代の皆さまがダンスで体を動かす楽しさを体感していただけたことと存じますので、これを機に、より多くの皆さまがダンスを通じた健康づくりに取り組んでいただけるものと期待をしております。

 次に、新しい介護予防・生活支援サービス事業のうち、10月から開始いたしました「訪問型サービスC」についてでございます。

 訪問型サービスCは、理学療法士、歯科衛生士、管理栄養士等のリハビリ専門職がご自宅を訪問し、居住環境や日常生活に沿った運動、口腔、栄養についての助言や個別相談を行うことにより、要支援認定者及び事業対象者の皆さまの心身状態の維持・改善を目指すものであり、10月には理学療法士、11月には歯科衛生士が対象者のご自宅を訪問して個々の状態に合わせた助言や個別相談を行いました。今後も、このサービスを必要とされる方が円滑にご利用できますよう、更なる周知に努めてまいります。

 次に、11月7日に学習ホールにおいて開催いたしました「アクティブシニア応援フェア in 吉田」についてでございます。

 このフェアは、高齢化の進行により、家事援助や通いの場といった生活支援ニーズの増大が予測される中、事業の担い手の養成やこれまで社会活動に関心がなかった方の社会参加促進を図るため、県が実施しております66歳から76歳までの方を対象とする「壮年熟期が活躍するいきいき長寿社会づくり事業」を活用して開催したものでございます。

 当日は、「コント赤信号」のリーダーとして活躍されておられますタレントの渡辺正行さんを講師にお迎えし、「リーダーの人生を楽しむ秘訣」と題して講演を行っていただいたほか、社会福祉協議会や地域の居場所、住民主体のデイサービスなど4団体の活動発表と13団体のブース展示を実施いたしました。会場には200人の方にご来場いただき、参加された皆さまからは、「町内でボランティアができる場所を知ることができた」、「認知症予防のためにも自分のできる範囲で社会活動に参加したい」などのご意見、ご感想をいただきました。

 さらに、今回のフェアを発展させた取組といたしまして、12月21日にはNPO法人静岡団塊創業塾の講師による「地域づくりを楽しむ講座」を、また、来年1月28日には地域で活動している居場所を見学する「社会参加体験バスツアー」を計画しておりますので、今回のフェアをきっかけに社会活動に関心を持たれた方々が、地域においてボランティア等としてご活躍いただけることにつながりますよう、事業を展開してまいります。

 次に、一般介護予防事業についてでございます。

 当町では9月から、男性中心の居場所づくりと認知症予防等を目的といたしまして、毎月2回「健康マージャン教室」を開催しております。教室では、ルールに関する講義や実践形式の研修に加え、管理栄養士によるミニ栄養講座や介護予防体操も取り入れ、初心者から経験者まで20人の男性が、談笑しながら楽しく活動されております。

 これまでの介護予防教室は、女性に比べて男性の参加者が圧倒的に少ないことが課題でございましたが、この健康マージャン教室は、参加者を男性限定といたしましたところ、多数の男性の方々からお問合せがあり、結果として、定員を超えるお申込みをいただきました。教室に参加されている有志の皆さまにより、来年度に向けた健康マージャンサークルの立ち上げについての検討も始まっていると聞いておりますので、今後、さらに男性が参加しやすい新たな居場所が生まれることを期待しております。

 また、同じく9月から、食事を通した交流や栄養改善等を目的といたしまして、毎月第4木曜日に「おいしい集い」を開催しております。この集いは、毎回定員いっぱいの方にご参加いただいており、管理栄養士によるバランスのとれた献立に沿って、地域のボランティア団体である「のびるの会」と個人ボランティアの方々にご協力いただきながら調理した料理を食べて、楽しい雰囲気の中で交流を深めていただいております。また、会食の前後には、介護予防体操や口腔体操、栄養講話も行うなど、心と体の栄養を満たす機会もございますので、ひとり暮らし高齢者の皆さまのご利用も増えております。

 今後も、栄養バランスの良い食事を提供し、交流し合うことの楽しさを感じて会食していただきながら、高齢者の皆さまが生きがいを持って毎日を健康に暮らすことができるよう支援してまいります。

 次に、第3期吉田町障害者計画の策定についてでございます。

 本計画は、障害者基本法第11条の規定に基づく「市町村障害者計画」として、障害の有無に関わらず、その人らしい日常を送ることができ、生涯安心して暮らせるような地域社会を目指し策定するものでございます。

 本計画の策定に当たりましては、7月に無作為抽出により対象となった障害のある方及び町民の皆さまに「障害福祉に関するアンケート」を実施するとともに、関係団体へのヒアリングも実施し、各団体が抱えている課題や町に期待する支援等について様々なご意見をいただきました。今後は、吉田町障害者児福祉推進委員会において、アンケートやヒアリングの結果等を踏まえたご協議を委員の皆さまにお願いし、ご意見を集約させていただきながら本計画の策定を進めてまいります。

 次に、吉田町自殺対策計画の策定についてでございます。

 本計画は、自殺対策基本法第13条の規定に基づく「市町村自殺対策計画」として、誰もが自殺に追い込まれることのない社会を目指し策定するものでございます。

 本計画の策定に当たりましては、市町村障害者計画策定に伴うアンケートに合わせて自殺対策に関する調査を行いました。自殺は、多分野にまたがる複合的な問題が重なることで起きるとされており、本計画の策定には多方面における横断的な体制整備が必要となりますことから、今後は、アンケート結果を踏まえながら、広い視点に立って、委員会等で協議して計画づくりを進めてまいりたいと考えております。

 続きまして、「活力あふれる産業振興のまちづくり」に関連する事業のうち、広域連携による観光事業につきまして、ご報告申し上げます。

 広域連携による観光事業につきましては、当町を含む静岡県中部地域の5市2町で構成する静岡県中部・志太榛原地域連携DMOにおきまして、公益財団法人するが企画観光局が母体となってプロモーション活動を実施しているところでございます。11月10日には県営吉田公園におきまして、吉田のうなぎと焼津のミナミマグロのブランディングを目的としたイベント「うなとろ対決」が開催されました。

 当日は、町内はもとより、県内外から3,000人もの方々にお越しいただき、大盛況のうちにフィナーレを迎えましたことから、このイベントを通して「吉田のうなぎ」を広くPRすることができたものと受け止めております。

 今後も、するが企画観光局との連携を図りながら、当町の観光振興へとつなげてまいります。

 次に、雇用・就業対策として開催いたしました合同企業説明会についてでございます。

 町及び町商工会では、11月18日にオアシス館におきまして、町内企業を対象とした合同企業説明会を開催いたしました。この説明会は、町内企業の就業内容に関する認識を高めることにより、職場定着率の向上や人材不足解消を図ることを目的として、ハローワーク榛原や一般社団法人吉田町まちづくり公社の協力も得て、本年、初めて開催したものでございます。

 当日は、13社の企業にご参加いただく中、町内外から、10代から60代までの44人の求職者の皆さまにご来場いただきました。参加された求職者や企業の皆さまからは、「就職したいと思う魅力的な企業が見つかった」、「これからも開催して欲しい」などのご感想をいただいており、今回の説明会を通して求職者と求人者の双方に対し、マッチングの機会を提供することができたものと受け止めております。

 今後も引き続き、町内企業の人材不足解消や職場定着率の向上を図るため、雇用・就業対策事業を展開してまいりたいと考えております。

 続きまして、「魅力あふれる多様な交流を生むまちづくり」に関連する事業のうち、地域おこし協力隊員の委嘱につきまして、ご報告申し上げます。

 本年度から、総務省が推進しております「地域おこし協力隊」の制度を活用し、観光イベント等の企画運営や地域の情報発信業務、地域間交流及び移住促進支援等を担う隊員を募集しておりましたが、3月の募集開始から7人の応募があり、そのうち5人の方を対象に面接試験を実施した結果、今月から2人の隊員を委嘱する運びとなりました。

 今回委嘱する隊員でございますが、1人は政令指定都市の新潟市から当町へ転入する22歳の女性、もう1人は、三大都市圏内の愛知県安城市から転入する24歳の男性で、ともに「地域のために地域の人たちと一緒になって働きたい」、「地域の人が地元のイベントを誇りに思えるようにしたい」などの思いから、隊員を希望しているものでございます。

 今後、このお2人には、町民の皆さまと良好な関係を築きながら、協力隊員としての任務を遂行していただくこととなりますので、議員各位におかれましても、ご支援、ご協力を賜わりますようお願い申し上げます。

 次に、ラッピングバス車両の活用についてでございます。

 当町には、町民の皆さまの生活を支える生活交通手段として、しずてつジャストライン株式会社が運行する特急静岡相良線、島田静波線、藤枝相良線の3つのバス路線が通っておりますが、このうち、藤枝相良線につきましては、ユニバーサルデザインによる利用者の利便性向上と路線維持を目的といたしまして、町が国の「公有民営方式車両購入費国庫補助金」を活用してノンステップ型のバスを購入し、そのバスをしずてつジャストライン株式会社が借り受けて運行するよう準備を進めております。

 また、このバス車両は、当町が5年間所有することとなりますので、町のPRにつながるようなラッピングを施し、シティプロモーション活動の更なる強化を図るべく、現在、吉田特別支援学校の児童・生徒の皆さまにご協力をいただきながら、ラッピングデザインを作成しているところでございます。来年2月以降に完成する予定でございますので、完成の際には、町民の皆さまにお披露目をさせていただきたいと存じます。

 続きまして、「次代を担う心豊かな人を育むまちづくり」に関連する事業のうち、「吉田町教育元気物語 TCP Triwins Plan(ティーシーピー・トリビンス・プラン)」の本年度における主な事業につきまして、現在までの実施状況をご報告申し上げます。

 まず、「子どもの『確かな学力』を保障する環境づくり」のうち、「快適な学習環境の整備」の一つとして進めております小中学校トイレの洋式化改修についてでございますが、住吉小学校、自彊小学校、吉田中学校ともに工事は順調に進んでおり、完成した箇所から順次使用を開始しております。引き続き、来年2月末の全箇所完成に向け、児童生徒の安全や学校生活に十分配慮しながら、確実に工事を進めてまいります。

 次に、「『確かな学力』の育成を軸とした幼保・小中一貫教育の推進」についてでございますが、10月29日にわかば保育園と自彊小学校におきまして、公開保育・公開授業及び研究会を行いました。当日は、国立教育政策研究所教育課程研究センターの調査官のご指導をいただきながら、わかば保育園では、「友だちと好きなあそびを楽しもう」と題して友だちと一緒に工夫し、遊ぶ楽しさを味わう保育を、自彊小学校では、1年生の各クラスにおいて、立体を構成する面に着目し、丸、三角、四角などの形を見つける算数科と年長児が喜んで来店するおもちゃ屋づくりのための工夫や改善策を考える生活科の授業を、それぞれ行いました。これらの「吉田町幼児教育カリキュラム」に基づいた実践を通して得られた成果を活かし、今後も更なる幼児教育の充実及び町内幼稚園、保育園と小学校との連携を図ることとしております。

 次に、「教職員が授業に専念できる環境づくり」のうち、「校務の支援」の一つとして進めております学校事務の効率化でございますが、9月に、教員から要望のありました校務支援システムのバージョンアップを行いました。現在、新しいシステムが順調に稼働しており、処理速度が大幅に上がるなど、教員の事務の効率化が図られております。

 次に、部活動、課外活動の指導員配置についてでございますが、まず、部活動の適正化を図るため、教育委員会において、適切な練習時間や休養日等を定めた「吉田町部活動ガイドライン」が10月に策定されました。また、部活動の指導体制を充実させるため、11月から吉田中学校弓道部、なぎなた部、女子ソフトテニス部に部活動指導員が配置されました。これにより、教員の部活動指導に係る時間的負担の軽減と経験のない競技などの指導による心理的負担の軽減が図られるとともに、部活動の質的向上にもつながるものと考えております。

 最後に、11月16日に開催いたしました吉田町総合教育会議につきまして、ご報告申し上げます。

 今回の総合教育会議では、教育委員会から、車座対話を受けて教育委員会で検討された状況等についての報告を受けるとともに、TCPトリビンスプランの今後の方向性について協議をいたしました。その中で、授業日の平準化については、これまでの取組状況や車座対話の内容を踏まえ、引き続き、検討を重ねていくこと、子どもたちの教育環境の充実については、ICT機器の整備を進めていくこと、そして、外国人児童生徒などへの個に応じた支援の充実については、町と教育委員会とが必要な協力を行うことなどについて合意いたしました。

 今後は、これらの合意事項や本会議で出された意見等を踏まえ、町と教育委員会とが一丸となって本プランを推進し、当町の教育をさらに充実させてまいります。

 以上が「吉田町教育元気物語 TCP Triwins Plan(ティーシーピー・トリビンス・プラン)」における主な取組の実施状況でございます。

 次に、吉田町シニアカレッジについてでございます。

 平成28年12月に開校いたしました吉田町シニアカレッジは、新たな知識の習得や仲間づくり、また、シニア世代がいきいきと充実した生活を送るための学習機会の提供などを目的といたしまして、60歳以上の町民の皆さまを対象に募集させていただいたものでございますが、11月をもって2年間の学習期間が終了し、第1期生31人の方がご卒業されました。

 受講生の皆さまには、月2回のペースで、午前中は一般教養講座として、大学教授などから歴史や健康、環境問題などをテーマとした講座や、音楽、習字、落語など、様々な分野の専門家を講師とする講座が設けられました。また、午後は、健康づくりコースと園芸コースに分かれ、健康体操やヨガ、家庭菜園や寄せ植えなどについて学んでいただきました。

 この2年間を通じて受講生相互の交流も深まり、第1期生の皆さまにおかれましては、今後の活動について自主的に話し合われていると聞いております。卒業された皆さまが地域において様々な活動に取り組まれ、ますます元気にいきいきとご活躍されることを期待しております。

 なお、現在、第2期生の募集を開始しております。今後も引き続き、シニア世代の皆さまのニーズに応えられるよう、多様な学習機会の提供に努めてまいります。

 続きまして、「豊かな自然と共生するまちづくり」に関連する事業のうち、上水道事業につきまして、ご報告申し上げます。

 上水道の整備につきましては、安全な水道水を安定して供給することができるよう、災害に強い施設の整備に努めているところでございますが、本年度予定している11本の工事のうち、高区配水系送・配水管布設替工事をはじめとする10本の工事につきましては、既に発注が済んでおり、順調に工事が進んでいる状況でございます。残る高島7号線新設橋梁添架管等布設工事につきましても、関連する企業活動維持支援事業区域内橋梁上部工事と調整を行いながら、発注準備を進めてまいります。

 次に、公共下水道事業についてでございます。

 管渠建設工事につきましては、役場前付近の国道150号北側の歩道のほか、町営住宅松下団地東側付近及び吉田特別支援学校北側の町道における工事に着手しており、マンホール浮上抑制工事につきましても、町道西中1号線、西中2号線、中央幹線及び海岸幹線における工事に着手し、本年度予定している全ての工事を順調に進めております。

 長寿命化計画に基づく浄化センターの電気設備更新工事につきましては、監視制御設備、沈砂池設備及び滅菌・用水設備における電気機器の更新工事を、昨年度に引き続き実施しており、しさ脱水機、初沈汚泥ポンプ及び送風機などの機械設備改築工事につきましても、順調に工事を進めているところでございます。

 また、このほか、ただいま進めております基盤整備事業といたしまして、準用河川であります大幡川の河川改修事業の進捗状況を申し上げます。

 昨年度からの繰越事業として実施しております川尻地区の落差工改修工事につきましては、出水期が明けた10月から工事を再開し、来年1月の完成を目指して工事を進めております。また、ボックスカルバートの設置や築堤盛土を実施する改修工事につきましては、11月上旬に契約を締結しており、今月中には工事に着手する予定でございます。

 なお、上流部にあたります大窪川の改修工事につきましては、11月に工事に着手し、来年3月の完了を目指して護岸の整備を進めているところでございます。

 続きまして、「行政と住民が一体となって取り組むまちづくり」に関連する事業といたしまして、「よしだ未来フォーラム」につきまして、ご報告申し上げます。

 本年度で3回目を迎えます「よしだ未来フォーラム」は、毎年、吉田町女性団体連絡協議会の皆さまと連携し、町内のキッズダンスチームや吉田中学校生徒の皆さんのご協力をいただきながら開催しております。過去2回のフォーラムでは、家庭における男女共同参画を推進するため、父親の子育てへの関わり方を中心とした講演を開催するなど、子育て世代の皆さまに向けた啓発を行ってまいりました。

 来年2月に開催を予定しております第3回よしだ未来フォーラムの内容につきましては、現在、女性団体連絡協議会の皆さまと協議を重ねているところでございますが、これまで以上に多くの町民の皆さまに足を運んでいただきたいとの思いから、講演部分に係る運営業務を民間業者に委託し、知名度のある講師を招いた座談会形式の講演など、内容について趣向を凝らした形で開催し、男女共同参画の更なる普及啓発を図ってまいるようにしたいと考えており、目下、調整を進めているところでございます。

 以上、本年度の事業の進捗状況をご報告させていただきましたが、当町にとっての悲願であります防潮堤の嵩上げ工事もいよいよ開始され、「津波防災まちづくり」が、まさに正念場を迎えている中で、多様な事業を展開しているところでございますが、本年度も残すところ4か月を切りましたので、今一度、各事業の進捗状況を確認しながら「豊かで勢いがあり、心を魅了する」まちづくりに尽力してまいります。

 議員各位におかれましては、こうした当町の姿勢をご理解いただき、町政運営に対するより一層のご支援、ご協力を賜りますことをお願い申し上げ、本定例会の行政報告といたします。