平成29年第2回吉田町議会定例会の開会に当たりまして、町政運営の概要等についてご報告申し上げます。

 新しい年度を迎え、様々な場面において、町民の皆さまや企業の皆さまなどを前にご挨拶させていただく機会がございましたが、私はその都度、「2017年はこの町が大きく変わる姿を、はっきりと形を整えて町民の皆さまにお示しすることができると思います。」とお話させていただきました。その言葉どおり、2017年、すなわち平成29年度は、特に、東日本大震災を契機として進めてまいりましたあらゆる事業におきまして、町の姿が大きく変わってまいります。

 当町は、平成23年3月の東日本大震災以降、失われた安全・安心を取り戻すため、ピンチをチャンスに変えるべく、スピード感を持って「津波防災まちづくり」に取り組んでまいりました。その結果、「津波防災まちづくり」の柱の一つであります「町民の皆さまの命を守る対策」は、昨年10月の北オアシスパークの完成をもって概ね完了し、現在は「町民の皆さまの財産、企業の皆さまの生産活動を守る対策」といたしまして、1000年に一度の大津波を海岸で食い止める防潮堤としての機能を持ち合わせた「シーガーデン」の構築に向け、全力で取り組んでおります。

 本年度は、津波防災まちづくりやシーガーデンシティ構想における取組として整備を進めております吉田漁港多目的広場の盛土工事や国土交通省による防潮堤整備、また、内陸のフロンティアを拓く取組における企業の進出など、その姿がまさに目に見える形で町民の皆さまの前に現れてまいりますので、実際にその姿をご覧いただければ、この町が本当に大きく変わっていくのだと実感していただけることと思います。

 一方で、本年2月に決定いたしました当町の新たな教育改革プランであります「吉田町教育元気物語 TCP Triwins Plan(ティーシーピー・トリビンス・プラン)」に位置づけられた取組が本格的に始まります。

 去る4月28日の新聞各紙夕刊に、公立小中学校の教員を対象とした2016年度の勤務実態調査結果の速報値が掲載されましたが、この調査結果によりますと、教員の平日の勤務時間は、2006年度の前回調査に比べて1日当たり30分から40分長い「11時間以上」となり、小学教諭の33.5パーセント、中学教諭の57.7パーセントが、国が示す「過労死ライン」に達する週20時間以上の残業を行っていることが明らかになりました。これはまさに、「教員の多忙化」が浮き彫りとなった衝撃的な結果であり、非常に深刻な状況でございます。

 当町の新教育改革プランは、こういった教員の多忙化の解消にも大いに寄与できるものであります。そして、このプランを推進することにより、子どもたちは、質の高い教育を受けることができ確かな学力を身に付け、さらに保護者は、教育環境が充実する波及効果により安心して社会に出て働くことができるという、子ども、教職員、保護者それぞれが共に利益を得られる「三者共益」の達成を目指した、他に例のない画期的なプランでございますので、本年度は、このプランに位置づけられた教育施策を着実に進め、三者共益の達成に向け、全力で取り組んでまいります。

 平成29年度は、新たな事業も着々と動き出し、町の姿が大きく変わってまいりますので、議員各位におかれましても、是非ともご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 それでは、新年度に入りまして、2か月が経過したところでございますが、本年度の事業の進捗状況につきまして、ご報告申し上げます。

 はじめに、「災害に強く安全・安心に暮らせるまちづくり」に関連する事業のうち、吉田漁港多目的広場の整備につきまして、ご報告申し上げます。

 吉田漁港多目的広場につきましては、昨年度から本格的に工事に着手し、現在、全体施工延長548メートルのうち、345メートルの区間において、海抜10メートルの高さまでの盛土が完成しております。去る4月29日には、町民の皆さまを対象に一般公開を実施し、多くの町民の皆さまにその高さを体感していただきましたが、実際に敷地の広さと眼下に広がる駿河湾の景色をご覧いただいた多くの皆さま方から、完成に向けての期待の高さを実感する言葉をかけていただきました。

 本年度につきましては、引き続き、残りの部分の盛土工事を実施し、年度末までには、国土交通省の防潮堤との取り合い部分を残し、盛土構造物を完成させる計画で進めてまいります。また、併せまして、完成した盛土構造物の法面を保護するための護岸工事にも着手してまいります。

 なお、現在、盛土工事の発注に向けた手続きを進めており、6月9日執行予定の入札により契約予定者が決定いたしましたら、今議会定例会に請負契約の締結議案を上程させていただきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 次に、当町が取り組んでおります、内陸のフロンティアを拓く取組についてでございます。

 はじめに、北オアシスパークを核として事業を進めております「物資供給拠点確保事業区域」の状況でございますが、このほど、北オアシスパークの東側区域に区域全体として3店舗目となる株式会社杏林堂薬局の商業施設の立地が決まりました。この立地計画の達成に向けまして、農地転用や開発行為に係る手続きも済ませ、地域住民の皆さまを対象とした建設工事に係る説明会も開催されたところであり、来年3月のオープンを目指して、今月中にも工事に取りかかる予定と伺っております。

 次に、川尻高島地区で進めております「企業活動維持支援事業」でございますが、こちらも順調に事業が進んでおります。

 平成27年度に、地元地権者の代表者3人を含む「吉田町内陸のフロンティアを拓く総合特区(企業活動維持支援事業区域)推進協議会」を設置して以来、協議会の中で事業の推進方針等をご協議いただきながら、事業進捗を図ってまいりました。この結果、立地予定企業も具体化させることができ、基盤整備の方向性も定めることができましたことから、町では、本年度、地権者の皆さまのご協力を得ながら、道路整備等に係る用地買収を進め、工事にも着手してまいります。

 次に、木造住宅の耐震化プロジェクト「TOUKAI-0事業」についてでございます。

 当町では、昭和56年5月以前の旧耐震基準の木造住宅の耐震化を促進するためのプロジェクト「TOUKAI-0事業」につきまして、本年1月から制度を拡充し、積極的に推進しているところでございます。

 本年度の状況でございますが、無料耐震診断に2件、耐震補強計画策定に1件、耐震補強工事に1件のお申込みをいただいており、これ以外にも耐震化に関するお問い合わせが十数件ございますことから、例年以上に成果が上がるのではないかと期待をしております。

 また、熊本地震からちょうど1年に当たる4月14日には、自彊小学校の3年生と4年生を対象に、住宅の耐震に興味を持っていただくことを目的といたしまして、地震体験車による模擬体験や模型による家屋倒壊の実演などの防災に関する啓発活動を実施いたしました。

 今後も、戸別訪問やダイレクトメールの発送等により積極的なPR活動を行い、対象者の更なる掘り起こしを進め、木造住宅の耐震化を加速させてまいります。

 続きまして、「誰もが健康でいきいきと暮らせるまちづくり」に関連する事業のうち、健康づくり事業につきまして、ご報告申し上げます。

 当町では、様々な年代の方を対象に、健康運動事業や生活習慣病予防事業などの健康づくりに関する事業を積極的に展開しておりますが、このうち、運動習慣の定着による生活習慣病予防を目的として実施してまいりました「健康体操教室」につきましては、本年度から名称を「若返り貯筋塾」に改め、これまでの健康体操に加えて、健康に関する講話や体組成計による身体測定を取り入れることといたしました。

 体組成測定により、参加者の身体状況の変化をデータで客観的に把握することが可能となりますことから、このデータを活用し、参加者の皆さまがより効果的に健康づくりに取り組むことができるよう、お一人おひとりに対応したきめ細かな支援を行ってまいります。

 また、保健師や管理栄養士等が各地区へ出向いて実施する健康相談、各種教室等におきましても体組成計による測定を行い、測定結果に基づいた個別相談を実施してまいります

 次に、妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援体制を強化するため、3つのメニューにより事業を展開しております「よしだにこにこ子育て保健サービス」についてでございます。

 まず、昨年4月に、専門的な相談支援を行う拠点として保健センター内に設置いたしました「子育て世代包括支援センター」についてでございますが、皆さまにより身近で親しみやすい施設としてご利用いただけるよう、愛称を「よしにこ」と名付け、広く周知を図っております。「よしにこ」では、これまでと同様に、母子保健コーディネーターである助産師や保健師によるお一人おひとりに対応したきめ細かな総合相談支援を実施してまいります。

 次に、スマートフォンやパソコンで、お子さんの成長記録や予防接種記録を管理することができる電子親子手帳アプリ「よしにこダイアリー」についてでございます。このアプリは、本年4月に導入を済ませましたが、これを積極的に活用していただくことにより、母親のみでなく、父親、祖父母等、家族で成長記録を共有できるようになって、子育てに関する不安や悩みが解消され、家族みんなで安心して子育てができるようになるものと期待をしております。

 今後、このアプリをより一層活用しやすくするため、町からもアプリを通じて子育てに関する情報等を随時発信してまいります。

 次に、産前産後の通院に係る交通費の一部助成と、新生児期に行う新生児聴覚スクリーニング検査や産後1か月健診等に係る経費助成として本年度新規に創設いたしました「妊娠出産等応援パッケージ助成事業」、通称「よしにこパッケージ助成」についてでございますが、母子手帳交付時などに制度をご案内させていただきまして、これまでに22件の申請がございました。

 今後も、妊産婦の皆さまが安心して妊娠・出産・子育てができるよう、「よしだにこにこ子育て保健サービス」を展開していくとともに、関係機関との更なる連携を図り、母子保健サービス体制を強化してまいります。

 続きまして、児童の安全確保対策についてでございます。

 全ての児童が健全に育成されるよう、児童虐待について発生予防から自立支援まで一連の対策の更なる強化を図ることなどが盛り込まれた「児童福祉法等の一部を改正する法律」が平成29年4月1日から完全施行となりました。

 これを受け、当町では4月から、こども未来課で所管しております児童虐待、家庭相談窓口の執務場所を教育委員会事務局学校教育課内に移し、関係機関等との更なる連携を強化しているところでございますが、これにより、カウンセリングを必要とする児童へのスクールソーシャルワーカーによる支援や、学校での児童の様子を共有することが可能となり、迅速な問題解決へとつながっております。

 続きまして、新しい介護予防・日常生活支援総合事業、いわゆる「新しい総合事業」についてでございます。

 地域の実情に応じて住民等の多様な主体が参画し、多様なサービスを充実させることにより、地域の支え合う体制づくりを推進し、要支援者に対する効果的かつ効率的な支援を可能にすることを目的とした新しい総合事業が4月からスタートいたしました。

 当町が実施する新しい総合事業の一つであります「現行の訪問介護相当・通所介護相当」に分類されるサービスにつきましては、町内の事業所がみなし指定となり、訪問介護相当サービスでは2つの事業所、通所介護相当サービスでは5つの事業所がサービスを提供しております。現在、介護サービスを提供している事業所が、引き続き、新しい総合事業に携わりますことから、利用者の皆さまは、円滑にこれまでと同様のサービスを受けることができております。本年度に入りまして当町が新規に指定した事業所は、通所介護相当サービスについては、吉田町、牧之原市、島田市内にある各事業所の3事業所、訪問介護相当サービスについては、島田市内にある1事業所でございまして、サービス提供体制を充実させた中で事業を展開しております。

 また、理学療法士、歯科衛生士、管理栄養士等が指導にあたる運動器や口腔機能の向上及び栄養改善を目的とした専門職による短期集中予防サービス、いわゆる「通所型サービスC」につきましても事業を開始いたしました。4月は、運動教室へ13人の方が参加され、お一人おひとりに対応したメニューを提供しながら事業を展開しております。

 次に、6月1日から事業を開始いたします「吉田町ワンコインサービス事業」でございますが、この事業メニューは、大きく2つに分かれており、1時間100円の「ワンコインサービス100」と1時間500円の「ワンコインサービス500」がございます。

 はじめに、「ワンコインサービス100」でございますが、これは介護保険制度に基づく新しい総合事業の「訪問型サービスA」によるもので、65歳以上の高齢者のみの世帯で世帯全員が基本チェックリスト事業対象者又は要支援認定者の方を対象とするものでございます。

 一方の「ワンコインサービス500」でございますが、これは従来より高齢者の皆さまからご要望をいただいておりました電球の取り替えや草取り、家具の移動、留守番など、介護保険のホームヘルプサービスでは制度上行うことができないサービスを、吉田町独自の福祉サービスとして提供するものでございます。

 この吉田町ワンコインサービス事業は、一般社団法人吉田町シルバー人材センターに委託して実施してまいりますが、シルバー人材センターの事業拡張や会員の増加はもとより、会員自身の健康維持や介護予防の一助にもつながるものと期待をいたしております。

 今後は、緩和した基準による「通所型サービスA」と、住民を主体とした「通所型サービスB」の創設に向け、より良いサービス体制が構築されるよう準備を進めるとともに、高齢者自身が社会の中で役割や生きがいを持つことで積極的に社会活動に参加し、自立した生活を送ることができるよう支援してまいります。

 続きまして、「活力あふれる産業振興のまちづくり」に関連する事業のうち、創業支援センターの開設につきまして、ご報告申し上げます。

 この創業支援センターは、創業を目指す方や創業して間もない方に、事務室や打合せスペースなど、仕事に必要な環境を提供するための施設で、国の「地方創生加速化交付金」を活用し、旧すみれ保育園の園舎の一部を改修して、本年3月末に完成したものでございます。施設の概要としましては、貸出用の事務室が3区画あり、一区画が約16平方メートルでございます。事務室には、事務机やロッカー、エアコンが完備されているほか、共同で使用できる打合せスペース、給湯室、トイレが設置されております。

 現在、利用者を募集しておりますが、今のところ利用実績はございませんので、今後開催される創業応援セミナーなどの機会を捉え、積極的に情報を提供していくほか、町、商工会及び金融機関等で構成する吉田町創業支援ネットワークや一般社団法人吉田町まちづくり公社と連携を図りながら、町内で創業を目指す皆さまを多面的に支援してまいります。

 続きまして、「魅力あふれる多様な交流を生むまちづくり」に関連する事業のうち、新婚生活応援補助金制度につきまして、ご報告申し上げます。

 この制度は、結婚に伴い、町内に住宅を購入、建築、賃借する場合に係る住居費と引越し費用の一部を補助し、新婚生活を経済的に支援するもので、国の「結婚新生活支援事業費補助金」を活用して本年度から開始したものでございます。

 補助対象者は、平成29年4月1日から平成30年3月31日までの間に婚姻届を提出し、受理された新婚世帯で、かつ、平成28年分の所得が340万円未満の世帯でございます。補助金の額は、夫婦の双方が婚姻前から町内に居住していた場合は30万円、夫婦のどちらか一方が婚姻に伴い町外から転入した場合は40万円、夫婦の双方が婚姻に伴い町外から転入した場合は50万円となっております。

 現在は、ホームページや「広報よしだ」を活用して周知を図っているほか、婚姻届を提出された方にも制度をご案内させていただいております。多くの皆さまにご利用いただけるよう、今後も、補助制度の更なる周知を図り、婚姻に伴う新生活を経済的に支援することによりまして、町民の皆さまの結婚の機運を醸成するとともに、結婚、出産、子育ての希望をかなえ、町外在住者の移住と町内在住者の定住を促進してまいります。

 次に、道路網や河川の整備につきましてご報告申し上げます。

 まず、大幡川幹線の道路改良事業についてでございますが、現在、未整備となっております主要地方道吉田大東線から東名高速道路までの区間につきましては、既に測量業務に着手しており、7月末までには業務が完了する予定でございます。

 また、準用河川であります大幡川の河川改修事業についてでございますが、現在、平成28年度からの繰越事業といたしまして、大幡川のほか、上流部の大窪川及び第2大窪川の測量設計業務を進めており、9月上旬までには業務が完了する予定でございます。

 続きまして、「次代を担う心豊かな人を育むまちづくり」に関連する事業のうち、「吉田町教育元気物語 TCP Triwins Plan(ティーシーピー・トリビンス・プラン)」の進捗状況につきまして、ご報告申し上げます。

 冒頭でも触れさせていただきましたが、本プランは、新学習指導要領に対応するとともに、近年、深刻な問題となっております教職員の多忙化を解消し、質の高い教育を受けることで子どもたちが確かな学力を身に付け、さらに保護者は、教育環境が充実することにより安心して社会に出て働くことができる、「教職員」、「子ども」、「保護者」が共に利益を享受することができるものであり、また、人口減少社会における一億総活躍社会の実現及び働き方改革等、国の動向にも沿った町独自の先駆的な教育施策でございます。

 それでは、本プランの実現に向けた具体的な施策について、現在までの進捗状況をご報告いたします。

 まず、学習環境の整備についてでございます。夏季及び冬季において、児童生徒がより快適に授業に専念できる環境を整えることを目的として、町内小中学校の全ての普通教室及び特別教室にエアコンを設置する工事につきましては、3月の議会臨時会におきまして、小学校分の契約締結をお認めいただいておりますが、中学校分につきましても、5月に契約を締結いたしました。現在は、これらの契約に基づき、全小中学校において既に工事に着手しておりますので、7月の供用開始に向け、着実に工事を進めてまいります。

 次に、外国語・国際理解教育の推進についてでございます。町では現在、外国語指導助手、いわゆるALTを中学校に1名、小学校に1名それぞれ配置しております。7月には、ALTをさらに2名小学校に配置することで合計4名となり、町内4つの小中学校にそれぞれ1名ずつ配置することが可能となります。また、このALTを効率的に活用するため、英語教育プログラムコーディネーター1名を配置いたしました。さらに、これらの人事配置に加え、英語教育研修会等を開催することで、児童生徒の英語力の向上のみならず、教師の英語力及び英語指導力の向上を図り、平成32年度の次期学習指導要領全面実施に先駆けて、外国語教育を充実させていくこととしております。

 次に、幼児教育及び小中一貫教育の推進についてでございます。

 町と教育委員会では、昨年9月に「吉田町幼児教育カリキュラム作成委員会」を立ち上げ、幼児教育の充実や吉田町教育大綱における切れ目のない効果的な「つながりのある教育」の推進に向け、カリキュラムの作成に取り組んでまいりましたが、本年3月に完成いたしましたことから、本年度は、この幼児教育カリキュラムで定めた内容を実際の活動に取り入れることとしております。

 当町の幼児教育カリキュラムは、歳児別ではなく、それぞれの発達段階における「目指す姿」を設定し、一人ひとりの学びの成長を的確に把握していくことが特徴でございますが、カリキュラムの実践に当たりまして、幼児教育従事者の資質能力を高めるため、昨日、5月31日に保育士や幼稚園教諭など幼児期の教育に携わる指導者の方々を対象に「吉田町幼児教育講演会」を開催し、意識の高揚を図ったところでございます。講演会では、千葉大学教育学部教授の松嵜洋子先生から、国の幼稚園教育要領改訂や保育所保育指針改正のほか、吉田町幼児教育カリキュラムの実践ポイントについてご指導をいただきました。

 本年度は、本カリキュラムに基づいた教育の実践と検証を行い、最終的には「教師・保育士用指導書」を作成するとともに、併せて「小学校スタートカリキュラム」を検討することで、幼・保・小が連携した質の高い幼児教育の創出を目指すこととしております。

 また、小中一貫教育につきましては、本年度からそのあり方の検討を開始し、当町に最もふさわしい小中一貫教育制度を作り上げたいと考えております。そして、小中一貫教育を実施することにより、先に申し上げた幼児教育も含めた幼・保・小・中における切れ目のない効果的な「つながりのある教育」を実現し、もって将来を担う子どもたちに確かな学力の定着を図ることとしております。

 最後に、学力学習状況調査の結果に基づいた授業の実践についてでございます。当町では、吉田町ラーニングプランに基づき、4月に行われました全国学力学習状況調査に合わせ、今回も町独自の学力学習状況調査を実施いたしました。今後、これらの調査結果の分析を踏まえた授業改善を行うことで、引き続き、児童生徒の確かな学力の定着や学習意欲の向上を図ってまいります。

 また、昨年度から実施している公設学習塾につきましても、同調査の結果分析を踏まえ、児童生徒一人ひとりに対応した適切な教材を用いて、5月から実施しております。

 本年度は、吉田町ラーニングプラン事業の最終年度となりますことから、本事業そのものの総まとめを行い、本プランを通して培った確かな学力を保障する環境づくりにつきましては、新プランである「吉田町教育元気物語 TCP Triwins Plan(ティーシーピー・トリビンス・プラン)」を支える柱の一つとして、継続していく方針でございます。

 次に、吉田町総合体育館の耐震補強改修工事についてでございます。

 吉田町総合体育館は、建設から34年が経過し、平成17年度に実施した耐震診断におきまして、「近年発生すると想定されている東海地震や南海トラフ大地震では、倒壊の可能性は低いが、かなりの被害を受けることが想定される」と診断されておりましたことから、昨年度、耐震補強計画を策定いたしました。本年度は、この計画に基づき、一日でも早く耐震補強工事に着手できるように事務を急いで進めておりますが、その一環として、今議会定例会には、この工事に係る請負契約締結議案を上程させていただいておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 続きまして、「豊かな自然と共生するまちづくり」に関連する事業といたしまして、地域経済と連携した「省CO2化手法促進モデル事業」につきまして、ご報告申し上げます。

 現在、当町では、環境省所管の補助制度を活用し、地域経済の活力を最大限に生かすバルクリース方式により、複数の公共施設に低炭素設備の導入を進めており、昨年度につきましては、図書館の照明設備のLED化を実施いたしました。

 本年度は、さくら保育園、わかば保育園の空調設備の改修及び照明設備のLED化、図書館の空調設備の改修、さらには、住吉小学校、中央小学校、自彊小学校及び吉田中学校の照明設備のLED化を実施することとしており、現在は、事業採択に向けて準備を進めているところでございます。

 続きまして、「行政と住民が一体となって取り組むまちづくり」に関連する事業のうち、ふるさと納税につきまして、ご報告申し上げます。

 当町では、ふるさと納税に対し、平成28年6月21日から返礼品を提供させていただくことにいたしましたが、これが幸いしたのか、昨年度は、全国各地の方から、多くのご寄附をいただきました。この寄付総額は、速報値ではありますが、6億7,432万5千円となっており、寄附件数は、51,293件でございました。ご寄附いただきました方の居住地を都道府県別に見ますと、東京都、神奈川県、大阪府の3都府県からのご寄附が多く、この3都府県で23,863件と全体の46.5パーセントを占めております。また、1件当たりの寄附額につきましては、10,000円が31,958件、20,000円が13,472件と、全体の寄附件数の88.6パーセントを占めている状況でございました。

 このように多くの皆さま方から寄せられました貴重なご寄附のうち、使い道を指定されたご寄附につきましては、平成29年度の予算に反映させていただき、住民サービスの質の向上に役立たせていただいております。

 こうした中ではございますが、国は、ふるさと納税の返礼品の送付に関しまして、自治体間の競争の過熱や、ふるさと納税の趣旨に反するような返礼品が送付されている全国の状況を踏まえ、ふるさと納税に係る返礼品の見直しを要請してきております。当町では、この要請を真摯に受け止め、現在、5割以下としております返礼割合を9月1日から3割以下にするように、協力事業者の皆さまと協議を進めながら調整を図ってまいります。

 今後も、引き続き、多くの皆さまから吉田町を応援していただけるよう、魅力的なまちづくりに取り組んでまいります。

 以上、本年度の事業の進捗状況につきまして、ご報告させていただきましたが、本年度は、東日本大震災を契機として進めてまいりました津波防災まちづくりや内陸のフロンティアを拓く取組に加え、学校教育の分野におきましてもこの町の大きく変わる姿が、はっきりと形を整えて町民の皆さまの前に現れてまいります。

 また、予定している事業を着実に進めることにより、町民の皆さまが安心して暮らすことができ、多くの人が訪れていただけるような「人が集い 未来へはばたく 魅力あふれるまち 吉田町」の実現につながるものと確信しております。

 議員各位におかれましても、こうした町の取組に対しご理解をいただき、今後もご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げ、本定例会の行政報告といたします。