2015年9月1日 作成

平成27年第3回吉田町議会定例会(平成27年9月1日開会)町長の行政報告

平成27年第3回吉田町議会定例会の開会に当たり、町政運営の概況につきまして、ご報告申し上げます。
本年度は、第4次吉田町総合計画の最終年度に当たりますことから、現在、これまでの実績や効果などにつきまして検証を行いながら、第5次吉田町総合計画の策定を進めているところでございます。
 第5次吉田町総合計画の策定に向けた取組につきましては、総合計画の位置づけ及び役割など計画の本質的な部分を定めた「吉田町総合計画の策定に関する条例」と、総合計画の策定などに係る諮問機関である審議会につきまして定めた「吉田町総合計画等審議会条例」が施行されましたことから、8月18日には、第1回目の吉田町総合計画等審議会を開催し、町内外の20人の方に審議会委員を委嘱させていただきました。審議会の会長には、静岡文化芸術大学の田中啓(ひらき)教授が選出され、間もなく、田中会長を座長として、諮問に対する慎重な審議が始まることとなっております。
第4次吉田町総合計画では、「人と人、心やすらぎ 健康で住みやすいまち吉田町」を将来都市像として描き、「誰もが健やかで、安心して暮らせる快適なまちづくり」、「心豊かな人を育み生かすまちづくり」、「地域の特性を生かした産業と都市機能が充実したまちづくり」を計画の基本理念とし、各種施策を展開してまいりました。
この10年の間に、町を取り巻く環境は大きく変化いたしました。一例として、交通環境に注目いたしますと、空の玄関口である静岡空港が開港し、それに伴うアクセス道路の整備も進み、はばたき橋も開通いたしました。また、榛南幹線や東名川尻幹線をはじめとする町内の道路網の整備も急速に進み、現計画における施策の方向に示しましたとおり利便性が向上し、車の流れも大きく変わってきております。
一方で、現計画策定時の想定とは異なる状況も生じております。その一つは人口推計でございますが、町の人口につきましては、第4次吉田町総合計画における将来フレームでは、平成27年には30,000人に達することを想定しており、平成23年8月まではそれを上回るペースで増加を続け、30,605人を記録いたしましたが、その時を境に減少に転じ、平成27年7月末日現在で29,771人と30,000人には届いていない状況となっております。この要因につきましては、東日本大震災の発生により、当町におけるこれまでの安全・安心が失われ、津波の心配のない市町への転出超過が起こったことが「まちづくりに関する住民意識調査」の結果からも明らかとなっております。
第4次吉田町総合計画期間中には、この東日本大震災の発生により、新たに「津波防災まちづくり」という非常に大きな行政課題が生まれたわけでありますが、当町は、この行政課題に対し、スピード感を持ち、全力を挙げて取り組んでまいりました。
津波避難タワーの建設を中心とする「町民の皆さまの命を守る対策」を概ね完了した結果、人口は小幅な増減を繰り返す状況に落ち着いてきており、転出超過による人口減少は収まりつつあるものと、取組への一定の効果を感じております。
そして、この「津波防災まちづくり」における「町民の皆さまの財産、企業の皆さまの生産活動を守る対策」につきましては、ピンチをチャンスに変えるべく、防潮堤の強化だけに止まらず、町の賑わいづくりに繋がる事業にまで発展させる「シーガーデンシティ構想」として事業展開を図ることを表明してまいりました。
「シーガーデンシティ構想」の具現化につきましては、海岸堤防の嵩上げが大前提となるものでありますが、その嵩上げに向けた整備方針が8月24日に開催された国主催の第3回駿河海岸整備検討会において決定し、本年度から、当町の海岸線整備の事業化に向けた取組が始まってまいります。いよいよ「津波防災まちづくり」における「住民の皆さまの財産、企業の皆さまの生産活動を守る対策」が本格化することになったわけであります。
「津波防災まちづくり」によりもたらされる安全・安心という土台の上に町民の皆さまが必要とされる健康、福祉、教育、産業等に関する各種施策を展開することにより、当町が「豊かで勢いのあるまち」であり続けることができると考えております。
第5次吉田町総合計画の策定に当たりましては、これまで、住民意識調査及び関係団体のヒアリングを実施するとともに8月17日から20日までの4日間にわたり、町内4地区において「吉田町まちづくりタウンミーティング」を開催し、多くのご意見をいただくことができました。このほか、8月下旬には、町内に在住する20歳から39歳までのすべての女性を対象としました結婚・妊娠・出産・子育てに関する住民意識調査を行っており、今後は、こうした計画策定のための基礎資料の収集、分析と併せ、必要な施策を体系化し、個々の施策を計画的に進めていくための具体的な指針の取りまとめに努めてまいりたいと考えております。
 それでは、新年度に入りまして、5か月が経過したところでございますが、本年度の事業の進ちょく状況につきまして、ご報告申し上げます。
はじめに、「健康でいきいき暮らせるまちづくり」を目指す「健康・福祉」関連事業のうち「母子保健事業」につきまして、ご報告申し上げます。
 子どもを産みやすく育てやすい環境を整備し、特に妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援を効果的に行うため、従前の母子保健サービスの相談事業を拡充し、支援体制の強化を図ることを目的に、国の平成26年度補正予算(第1号)に盛り込まれた「地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金」を活用しました「妊娠・出産・母子保健支援体制強化事業」を前年度繰越事業として実施しております。
 新規事業として4月から開始いたしました「助産師による妊婦、産婦健康相談」におきましては、妊娠中の体調変化などへの不安の解消や安心して出産に臨むための支援をより専門的に行っております。
また、「7か月児健康相談」におきましては、お子様の出生後早期からの発育発達、感染症対策の支援などをより専門性の高い職種の者が、きめ細かく行うことで、安心して育児ができるサポートの充実に努めております。
なお、母子保健事業の拠点となる保健センターにつきましても、お子様連れのお母さんが来所しやすく、また、落ち着いた環境で相談することができるように、母子保健室設置等の改修工事を実施する予定でございますが、8月初旬に設計業務が完了いたしましたので、現在、施工業者を選定する準備を進めているところでございます。
そのほかにも、子育てに係る総合的な情報をまとめたガイドブックを作成することを目指して立ち上げた、母子保健を取り巻く医師、歯科医師、心理士、助産師、歯科衛生士、管理栄養士、保健師等の専門職種による「母子保健専門家チーム会議」も6月からスタートし、効果的なサービス内容や保健指導内容につきまして、検討を重ねているところでございます。
次に、子育て支援事業についてでございます。
はじめての妊娠・出産に不安や悩み、孤独を感じている妊婦・産婦が増える中、これらの不安感等を解消するため、妊婦と生後4か月までの赤ちゃんをお持ちのお母さんを対象に、本年4月から、子育て支援センターと保健センターを会場に「プレママクラブ」を実施しております。
妊娠中に注意したい病気、陣痛の痛み、想像していた育児と実際の育児のギャップや外出できないストレス、相談相手のいない孤独感など、妊婦や育児が始まったばかりのお母さん達の不安や悩みは様々ですが、「プレママクラブ」では、子育て支援センターの指導員や助産師、管理栄養士などから話を聞きながら不安や悩みを自然に話せる場となるように努めております。専門の講師を招いて、妊娠や出産による体の変化について指導していただいたり、産後のお母さんに赤ちゃんが見える場所でヨガを行ってボディケアを体験していただくなど、和やかな雰囲気の中、「プレママクラブ」の活動を実施しております。
 また、町外から吉田町に転入されてきたお母さんは、慣れない育児に加え、知人や町の情報も少ないため、不安やストレスも大きいものと推察されることから、吉田町に転入してきたお母さんを対象に「ウェルカムよしだ」と称したおしゃべりサロンを月1回開催しております。
このサロンでは、子育て相談員から吉田町の紹介を受けたあと、一緒に公共施設を見学しておりますが、今後は、町内の公園を散歩したり、お互いの故郷のお正月の様子を紹介し合うなどの活動も予定しております。
さらに、30歳代から40歳代のお母さん達の交流の場として「スマイルまま」と称したおしゃべりサロンも月1回開催しております。こちらは、同世代のお母さん同士が共感し合える場を提供することが目的で、活動内容としましては、子育て相談員と編み物をしたり、吉田町マップや入園に必要な物を作成したりしながら楽しい育児ができるよう支援しております。
このほか、子育て支援センターにつきましては、本年4月から土曜日及び日曜日にも子育て相談員を配置して開所しておりますが、7月末までの4か月間で29回開所し、延べ724人、一日当たりにして約25人の利用がございました。これは平日一日当たりの利用人数と比較しますと約半分の利用者数ではありますが、土日開所に対する一定のニーズを確認できたほか、平日と異なりお子様と一緒にご夫婦で来場される方もいらっしゃるなど、子育てされる方に働きかける新たな機会を提供できたものと捉え、今後も継続していきたいと考えております。
妊娠・出産・子育てと続く一連の過程の中で、お母さん方が抱く悩みや不安感、孤独感を少しでも解消できるよう、産みやすく育てやすい環境の整備を目指して、今後も様々な事業展開を図ってまいります。
次に、高齢者支援事業についてでございます。
はじめに、6月から「高齢者人材活用センター」を拠点として、開始いたしました生涯現役人材バンク事業「いきいきボランティア倶楽部」につきまして、ご報告申し上げます。
この事業は、本年度の新規事業の一つであり、高齢者の皆さまの豊富な知識や経験、技能を登録していただき、その力を必要とする町民や地域団体とを結び、ボランティアとして活躍していただくものでございます。
「いきいきボランティア倶楽部」発足の際には、各種団体へご説明にお伺いし、傾聴ボランティア、介護予防教室、野菜づくり、コーラス、詩吟、三味線の指導など幅広い分野で活躍していただける方を募集いたしました。
また、その活動実績がボランティアポイントとなり、ご本人の選択により、吉田町共通お買い物券、一般社団法人吉田町シルバー人材センターの家事援助サービス券又は現金の3つの中から、いずれかにポイントを交換できることも併せて周知してまいりました。
県内では、静岡市、浜松市、袋井市、湖西市、森町が同様のボランティアポイント制度を導入しておりますが、当町は、年間最大1万円分を上限としておりまして、県内最大のポイント交換額を設定しております。
この「いきいきボランティア倶楽部」にご登録いただいている方は、9月1日現在で22人となり、設立初年度に目標としておりました20人をすでに超えております。
現在、「いきいきボランティア倶楽部」で活躍していただいているボランティアは、介護予防教室として実施しております「パワリハ教室」の方々をはじめ、「すみれ保育園」に併設しました「子育て支援センター」で、子育て中のお母さんや子どもたちと一緒に童謡を歌うボランティア団体の皆さまなど、年齢や障害の垣根を越えて活動の場を広げており、高齢者の方々の社会参加が地域福祉の一助となっております。
高齢者の皆さまが、地域において役割を持って活躍され、そのことが生きがいとなることは、高齢者の皆さま自身の介護予防という観点からも、極めて意義深いものであります。
次に、介護予防の普及啓発を図るため、新たに制作を進めております「介護予防体操」につきまして、ご報告申し上げます。
本年7月末に厚生労働省から公表されました平成26年の日本人の平均寿命は、女性が86.83歳、男性が80.50歳と、いずれも過去最高を更新し、女性は、3年連続で長寿世界一であることが発表されました。
また、日常的な介護を必要とせず、自立した生活を送ることができる「健康寿命」につきましては、平成25年は、女性が74.21歳、男性が71.19歳と前回の調査時点と比べ、女性が0.59歳、男性が0.77歳伸びていることが分かっております。
当町の高齢者人口は7月末現在で6,823人、高齢化率は22.92パーセントとなっており、高齢者の皆さまの「健康寿命」をいかにして延ばし、過去最高を更新した平均寿命との差を縮めるかが重要な課題と考えております。
このような状況の中、当町には町歌「やさしさに抱かれて」を活用しました健康づくりのための「SUN・サン体操」がございますが、介護予防施策の一つとして新たに介護予防体操の制作に取り組んでおります。
新たな介護予防体操は、この「SUN・サン体操」をベースとし、運動指導士や理学療法士監修のもと、高齢者でも無理なく簡単にでき、後期高齢者や要支援者の方にも取り組んでいただけるものとしてまいります。
体操が完成いたしましたら、介護予防教室や介護予防講演会等、様々な場面にこの体操を取り入れながら、定着を図ってまいります。
また、元気な高齢者の方には、「いきいきボランティア倶楽部」に登録をお願いし、高齢者の集まる場面での体操指導をしていただくことで、介護を必要としない方々を増やすことに寄与していただきたいと考えております。
この体操を通じたボランティア活動が、地域の高齢者の方々の介護予防意識を高めるとともに、ボランティア自身の介護予防にもつながる相乗効果を生むことを期待しております。
 続きまして、「安全で安心、快適なまちづくり」を目指す「生活環境」の関連事業につきまして、ご報告申し上げます。
 はじめに、「津波防災まちづくり」におけるハード整備についてでございます。
海岸における「津波防災まちづくり」についてでございますが、L2クラスの津波被害に備えるための海岸堤防整備につきましては、本年8月24日に開催された国主催の駿河海岸整備検討会において整備方針がまとまりました。
内容といたしましては、はじめに、既存の防潮堤を粘り強い構造とした上で、現在の防潮堤の陸側に、L2クラスの津波にも対応できる高さまで新たに盛土を行うというものでございます。当町といたしましては、単なる防潮堤の整備に止まらず、新たな賑わいづくりとの両立を目指し、国・県と協力して、整備を進めてまいります。
 次に、地震・津波防災のソフト対策についてでございますが、平成25年度に実施いたしました「吉田町地域防災指導員養成講座」を、本年度も10月14日から11月14日までの間に7日間で実施いたします。これは、昨年度に実施いたしました「ジュニア防災士養成講座」と隔年で実施することにより、幅広い年代から地域防災リーダーとなる人材の育成を図るものでございます。
 また、地域防災力を更に高めるため、こうした講座を受講された方々のなかで、今後、地域防災指導員としてご活躍いただける皆さまには、町から認定証を交付し、自主防災活動への支援をお願いしているところでございます。
次に、上水道事業についてでございます。
 町では、災害時におきましても安定して安全な水道水を供給するため、施設整備及び他事業に併せた配水管等の布設又は布設替事業といった管路整備により、老朽管を耐震管に更新するなど災害に強いライフラインの構築に努めております。
施設整備といたしましては、高区配水系の第2配水池電気室耐震化工事の実施に向けた準備を進めており、管路整備につきましては、老朽管による配水管の布設替事業として大幡川尻線外2路線配水管布設替工事、日の出向原線配水管布設替工事、塩谷上川原1号線外6路線配水管布設替工事に着手しております。
また、道路改良及び下水道事業関連工事に伴う配水管等の布設及び布設替事業につきましては、東名川尻幹線配水管布設工事他5本の工事を実施する予定でございます。
なお、工事竣工図及び給水台帳等の膨大な資料を一元管理し、維持管理業務の効率化を図るとともに、危機管理上におきましても、緊急時の迅速な復旧体制を確立するための「上水道管理台帳システム」の導入につきましては、今月中にプロポーザル方式により業者が決定する予定でございます。
続きまして、「心豊かな人を育むまちづくり」を目指す「教育・文化・交流」の関連事業につきまして、ご報告申し上げます。
はじめに、新地方教育委員会制度に伴い新たに設置された「総合教育会議」につきまして、ご報告申し上げます。
本年度、首長と教育委員会が教育の条件整備など重点的に講ずべき施策などを協議・調整する場として新たに設置しました「総合教育会議」につきましては、これまでに2回の会議を開催いたしました。5月20日の初会合では、会議をより地域の実情に即した内容とするため、小中学校教師や保護者、学識経験者をメンバーとする「吉田町教育推進委員会」を設置して協議を進めていくことが合意されたほか、学校・家庭・地域における教育の課題につきまして意見を交わしました。
また、8月12日の会議では、「吉田町の目指す教育について」をテーマに教育委員と意見を交わしたところでございますが、今後は、吉田町教育推進委員会からの意見を十分に踏まえながら、「教育の大綱」策定に向けて協議を重ねてまいりたいと考えております。
次に、教育環境の整備についてでございます。
安全安心な学校施設を整備するとともに、避難施設としての安全性の向上を図るため、現在、町内小中学校すべての屋内運動場の天井等落下防止工事を進めております。
この工事は、文部科学省の手引きに基づく調査を実施しましたところ、町内小中学校すべての屋内運動場の天井等落下防止対策が必要であることが判明いたしましたことから、各小中学校の教育計画等に考慮し、前期と後期に分けて実施しているものですが、5月から実施している中央小学校と自彊小学校の工事は間もなく完了する予定でございます。
また、現在、10月下旬から実施する住吉小学校と吉田中学校の工事の準備を進めているところでございますが、児童生徒の教育環境や学校体育施設利用者に配慮し、ご理解とご協力をいただきながら、来年2月中旬までに工事が完了するよう進めてまいります。
続きまして、「自然と調和した、人にやさしいまちづくり」を目指す「道路交通網」の整備等につきまして、ご報告申し上げます。
はじめに、都市防災総合推進事業により避難路として整備を進めております町道の改良事業についてでございます。
 町道西の坪大浜1号線につきましては、年内の完成に向けて、既に工事に着手しており、青柳田中1号線につきましても、先月発注をいたしました。
下片岡16号線につきましては、現在、発注準備を進めており、本年度中に完成させることにより、町民の皆さまの安全・安心につなげたいと考えております。
 次に、都市計画道路の整備についてでございます。
 富士見幹線につきましては、道路改良工事を先月に発注しており、引き続き、舗装工事を実施しまして、島田吉田線バイパスから大幡川幹線までの全区間を本年度末までに完成させる予定でございます。
住吉幹線につきましては、繰越事業として用地交渉を進めておりましたが、地権者の皆さまのご理解をいただきましたことから、先月工事を発注し、本年度末の完成に向けて事業に取り組んでおります。工事が完成いたしますと、国道150号から海岸幹線までの計画道路の全区間が完成し、町を南北に縦断する重要な路線の1つとして、経済効果を発揮することはもとより、住吉地区における避難路としての役割も果たす非常に大きな効果をもたらすものであると確信しております。
 東名川尻幹線につきましては、町道高畑高島線との交差点の道路改良工事に着手し、現在、工事を進めているところでございますが、この工事箇所につきましては、警察による信号機の設置も行われますことから、信号機の設置工事と併せ、安全な交通体系が確保されたのちに供用を開始する計画でございます。
 また、浜田土地区画整理組合が組合施行により、整備しております工事区間につきましても、本年度末までの完成に向け、事業を展開していると聞いておりますので、調整を図りながら、予定どおり供用開始できるように事業を進めてまいります。
 次に、防災公園についてでございます。
 防災公園につきましては、繰越事業と併せて事業を展開し、本年度末の完成を目指し工事を進めておりましたが、本年度、国からの補助金が抑制されましたことから、完成時期に遅れが生ずる可能性が大きくなりました。町といたしましては、一刻も早い防災公園の供用開始に向け、新たな財源を活用した事業展開を図ってまいります。
続きまして、「魅力ある産業を振興し、活力あふれるまちづくり」を目指す「産業振興」事業につきまして、ご報告申し上げます。
吉田漁港につきましては、漁業従事者の安全な職場環境の確保や漁業経営の安定化、水産業の振興を図るため、地域水産物供給基盤整備事業と小規模局部改良事業等により整備を進めております。
 地域水産物供給基盤整備事業につきましては、平成24年度から国と県の補助を受けまして、東防波堤末端付近の旧6号岸壁を航路護岸に改修する工事を実施しております。本年度は、護岸本体のブロック製作及び設置工を延長約20メートル施工する計画であり、来月の発注に向けて、現在、準備を進めているところでございます。
 また、県費補助事業の小規模局部改良事業につきましては、内防波堤と旧西防波堤の先端部の航路を7,500立方メートル浚渫いたします。工事は先月発注したところであり、来年2月末日までに完了する計画でございます。
 次に、本年度から実施しております2つの新規事業についてでございますが、多目的広場の整備と防波堤の粘り強い構造化を実施する漁港施設機能強化事業につきましては、多目的広場の整備に関する測量設計業務と地質調査業務を6月上旬から着手いたしました。いずれの業務も順調に進ちょくし、地質調査業務は先月末日をもって完了したところであり、測量設計業務につきましても今月末日までに完了する予定でございます。
防波堤を粘り強い構造にするための津波シミュレーションと津波に対する防波堤の安定照査業務につきましては、6月に発注しており、11月末日までの完了を目指して、現在、実施しているところでございます。
水産物供給基盤機能保全事業につきましては、漁港施設を適正に維持管理していく上で必要な機能保全計画を策定する業務委託を7月に発注し、来年2月末日までの完了を予定しております。
 今後の漁港の整備は、単なる施設整備ではなく、シーガーデンシティ構想を達成する要素を含むものでありますので、南駿河湾漁業協同組合吉田支所とも連携しながら、着実に進めてまいります。
続きまして、「まち・ひと・しごと創生」への取組につきまして、ご報告申し上げます。
 はじめに、交付金を活用しました先行的な取組につきまして、ご報告申し上げます。
 当町では、国の平成26年度補正予算(第1号)に盛り込まれた地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金(地域消費喚起・生活支援型及び地方創生先行型)を活用した事業を、平成26年度吉田町一般会計補正予算(第5号)において予算措置し、地域における消費喚起や地方版総合戦略に位置付けられる見込みの事業を効果的に実施できるよう対応しております。
同交付金の地方創生先行型につきましては、地方版総合戦略を平成27年10月30日までに策定すること及び策定や見直しにおいて、住民や産官学金労言との連携体制を備えていることなどの要件を満たすことを条件に、上乗せ交付分として交付金が措置されますことから、国と事前協議を行い、今議会定例会において上程いたします補正予算において、関連する事業経費を予算計上しておりますので、地方版総合戦略等の早期策定と推進のためご理解とご支援を賜りたいと存じます。
 地方人口ビジョンにつきましては、現在、策定中の第5次吉田町総合計画と密接な関係にありますことから、情報を共有しながら同時進行で策定に向けた作業を進めております。
議員の皆さまには、計画の素案をお示しさせていただく中でご意見等を賜る場を設けさせていただく予定でおりますので、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
続きまして、福岡県八女市との交流につきまして、ご報告申し上げます。
 福岡県の八女市とは、平成21年度に、当町と島田市、牧之原市で組織いたします「空港周辺市町空港共生協議会」の視察研修で訪問させていただきましたことをきっかけに、平成22年度から平成25年度までは、公益財団法人静岡県市町村振興協会の「交流・定住促進助成事業助成金」を、平成26年度からは同協会の「地域づくり推進事業助成金」を活用して交流を続けております。
 交流は、八女市の産業・観光関係者に当町へお越しいただきました「モニターツアー」や、当町の産業団体等の皆さまによる八女市への取組の視察、両市町で開催されるイベントで相互に特産品販売や観光PRなどを行ってまいりました。
 また、平成24年7月14日の九州北部豪雨により、山間部を中心に八女市が甚大な被害を被った際には、災害復旧支援のため、2回にわたり、合計8人の職員を派遣いたしております。
 こうして続けてまいりました交流を、将来に向けて、より強力なものとしていくため、本年度から、「八女市・吉田町未来創造の翼交流事業」をスタートさせ、去る7月16日には、両首長の懇談や職員同士がお互いの取組などを学び合う、フォーラムを八女市で開催いたしました。
 また、両市町は地理的に離れており、同時に被災する可能性が低いと予想されますことから、フォーラムの開催に合わせまして、「災害時における相互応援に関する協定」を締結いたしました。
 今回のフォーラムの開催と、協定の締結によりまして、交流事業の基礎が固まりましたことから、今後は、八女市との信頼関係の下、両市町の豊かな発展に向け、交流事業を多面的に展開してまいりたいと考えております。
 以上、行政運営の一端を申し上げましたが、冒頭で申し上げましたとおり、現在、まちづくりの基本的な方向性を示す第5次吉田町総合計画を策定しているところでございます。8年後の吉田町の姿を見据え、町の目標とする将来都市像及びこれを達成するための大綱を定めてまいりますが、本年度は、第3次吉田町国土利用計画、地方版総合戦略、地方人口ビジョンといった計画なども同時に策定を進めているところでございます。
議員各位におかれましては、こうした各種計画等の策定につきまして、町の発展及び住民の福祉向上のため、その知識と経験により強力にご支援賜りますようお願い申し上げ、本定例会の行政報告といたします。