2014年9月2日 作成

平成26年第3回吉田町議会定例会(平成26年9月2日開会)町長の行政報告

 平成26年第3回吉田町議会定例会の開会に当たりまして、町政運営の概要等についてご報告申し上げます。
7月24日の静岡新聞に「吉田町の中山三星跡地 総菜メーカーへ売却 津波浸水区域震災後初の立地 防災対策評価」という大きな見出しの記事が掲載されました。
この度の住吉工業用地への株式会社ヤマザキの企業誘致につきましては、8月4日開催の第1回吉田町議会臨時会におきまして、財産の処分をご承認いただいたことにより仮契約から本契約に移行し、8月29日に無事入金されたことを確認いたしましたので、改めてご報告申し上げる次第でございます。
そして、この明るい話題を提供することができましたことを大変嬉しく思うとともに町民の皆さまとこの喜びを分かち合いたいと思っております。
さて、当町が平成14年度に吉田町議会の議決を経て取得しました中山三星建材株式会社工場跡地につきましては、平成19年7月に中山三星建材株式会社工場跡地売却先選定審査委員会を設置し、町の発展に寄与していただけると期待できる事業者への売却を推進してまいりましたが、平成20年9月のリーマンショックは企業の投資意欲を縮小させ、さらに平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、沿岸部のこの土地の売却を一層困難なものとしておりました。
このような状況の中では、防潮堤のかさ上げなど「津波防災まちづくり」が完成するまでは企業の進出はないものと考えていたところでありましたが、当町におきまして複数の工場で操業を行っております、株式会社ヤマザキから本年7月に企画書が提出されました。そして、この企画書の内容が、当町の期待に合致するものでありましたことから、売却先選定審査委員会において売却が承認され、先の臨時議会にお諮りした次第でございます。
株式会社ヤマザキは、現在、業績が拡大しており、新工場の建設が急務となっている勢いのある会社でございます。企画書によりますと、地元採用も含め300人弱の新規雇用を予定しておりますので、今後の町の発展に大きく寄与していただけるものと考えております。
この度、株式会社ヤマザキに沿岸部のこの土地を購入するご決断をしていただけた背景には、業績拡大に伴い新たな工場の建設が急務であったことはもちろんですが、当町がスピード感を持ち全力を挙げて取り組んでおります「津波防災まちづくり」を評価していただけたこともあると感じております。
そして、このご決断は同時に今後の「町民の皆さまの財産を守り、企業の皆さまの生産活動を守るための対策」へのさらなる取組を期待するものであると受け止めておりますので、引き続きこの期待にお応えできるよう全力を挙げて「津波防災まちづくり」に取り組んでまいります。
私は、先の3月議会定例会において、私の目指す吉田町を「豊かで勢いのある町」と表現し、「豊か」とは、この町の企業が安心して生産活動を営み、多くの雇用の場が確保されていることであり、「勢い」とは、人口が増加し続けることであると申し上げました。
当町の「津波防災まちづくり」を評価していただいた株式会社ヤマザキの進出が引き金となり、他の企業の進出がこの後に続き、本町の人口が増加へ転じることを大いに期待しているところでございます。
 それでは、新年度に入りまして、5か月が経過したところでございますが、本年度の事業の進ちょくにつきまして、ご報告申し上げます。
はじめに、「健康でいきいき暮らせるまちづくり」を目指す「健康・福祉」関連事業のうち「健康づくり事業」につきまして、ご報告申し上げます。
国内において伝染のおそれがある病気の発生及びまん延を予防するため、特に予防接種を行う必要があると認められる疾病につきましては、現在、予防接種法に基づき、定期の予防接種が行われております。
この定期の予防接種につきましては、市町村長が行うこととされておりますが、近年、毎年のように見直しと変更が行われており、当町でもその都度対応を検討し、予防接種が受けられるよう環境を整え実施してまいりました。
本年度も平成26年7月2日に、定期の予防接種の対象疾病に「水痘」と「高齢者の肺炎球菌感染症」を追加する「予防接種施行令の一部を改正する政令」が公布され、10月1日からこの2種類の疾病の発生及びまん延を予防するため、「水痘」と「成人用肺炎球菌」のワクチン接種が義務付けられることとなりました。
 このことを受け、当町におきましても10月1日からの実施に向けて関係機関と調整するとともに計画的に準備を進めており、両ワクチン接種対象者には9月下旬に個別案内を郵送し、お知らせする予定でございます。
 なお、当町では、近隣市町に先駆け、平成19年度から70歳以上の方を対象に、高齢者の肺炎球菌感染症の予防対策として肺炎球菌予防接種を任意で行った場合、接種費用の全額を助成する町単独事業を実施してまいりました。
 10月1日から定期の予防接種となる「成人用肺炎球菌ワクチン接種」の対象者に加え、対象年齢以外で接種していない方を対象に、今まで同様、無料でワクチン接種を受けることができる町単独事業を継続して実施してまいります。
対象者が予防接種を受けやすい環境を整え、町民の皆さまに十分に周知し、これまで以上に一人ひとりきめ細かな支援に努めてまいります。
次に、子育て支援事業でございます。
 本年4月から、移転改築されたすみれ保育園におきましては、さまざまな理由により家庭で保育を受けることが一時的に困難となった乳幼児を預かる一時預かり事業を実施しております。
この事業は、平成27年度にスタートすることが予定されております子ども・子育て新制度の中で、「地域子ども・子育て支援事業」として位置づけられたものですが、当町では、これに先立って本年度から事業を開始したものでございます。
 4月から7月末までの4か月間で、延べ421人の児童の利用があり、1日当たりに換算しますと、平均で毎日約5.2人の児童をお預かりしていることとなります。
 利用状況を見てみますと、保護者の就労形態が一定でないことなどにより家庭における保育が断続的に困難となって利用される非定期保育の利用割合が約82%と最も高く、次いでPTA活動への参加等により、家庭での保育が一時的に困難となる私的理由・社会参加による保育が約13%、最後に保護者の入院、出産等の事情により保育が一時的に困難となる緊急保育が約5%となっております。
今後は、これらの利用状況や利用者の声を参考に、より良い事業となるよう努めてまいります。
 次に、高齢者支援事業でございます。
近年、認知症又は認知症の疑いがある方が徘徊するなどして行方不明になり、身元が分からないまま保護されている事例が社会問題化しております。
本年6月に厚生労働省が実施した実態調査では、身元が分からずに施設や病院で生活する高齢者等が静岡県内に10人存在することが判明しております。
当町におきましては、身元不明に関する方はいらっしゃいませんが、平成26年4月1日現在、日常生活自立度で認知症と判定された方は539人であり、実際はそれ以上の数の認知症の方が存在すると推測されることから、認知症高齢者の徘徊対策は喫緊の課題であると認識しております。
このため、新しい取組としまして、徘徊の見られる認知症高齢者とその家族が地域で安心して暮らしていけるように「位置情報探索端末機器」、いわゆるGPS機器の購入費用に対する助成を4月からスタートするとともに、7月には「地域ケア会議」を開催し、認知症高齢者の徘徊対策について検討いたしました。
地域ケア会議では、自治会や民生委員の皆さま、牧之原警察署、町内介護保険サービス事業所の皆さまなど約30人の方々にご参加いただき、参加者からは「地域で認知症高齢者についての理解を深める」、「家族から徘徊の恐れがあることを隣近所に伝えておく」などのご意見や、「行方不明者を捜索する際のマニュアルを示して欲しい」などのご要望をいただいております。
当町では、地域ケア会議を継続して開催し、皆さまからいただいたご意見を踏まえ、関係機関や地域の皆さまと連携して、見守り支援する体制の構築に努めてまいりたいと考えております。
次に、「第7次吉田町高齢者保険福祉計画及び第6期吉田町介護保険事業計画策定について」ご報告申し上げます。
 当町では、平成27年度を初年度とする「第7次吉田町高齢者保険福祉計画及び第6期吉田町介護保険事業計画」の策定を進めております。国では、この第7次及び第6期の計画を「団塊の世代」と呼ばれる方々が75歳以上となる10年後の2025年を見据えた中長期的な視野に立った計画と位置づけており、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるように、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」の構築を更に推進し、加えて、在宅医療と介護の連携や新しい地域支援事業など、町が主体となり地域づくりに取り組む必要性を示唆しております。
 こうした、国の方針を踏まえ、去る7月16日に第1回吉田町介護保険事業計画及び高齢者保健福祉計画策定委員会を開催いたしました。委員会では、町から計画の概要や基本的な考え方、高齢者を取り巻く状況などをご説明させていただき、委員の皆さまからは、「施設入所を希望しても何年も入所できない状況である」「地域の空き家を活用した高齢者の居場所づくりをNPOやボランティアの力で作ったらどうか」などの貴重なご意見をいただきました。今後も策定委員の皆さまのご意見を承りながら、当町の将来像を見据え、国の方針に沿った計画策定に取り組んでまいりたいと考えております。
なお、今期計画に掲げております、地域密着型介護老人福祉施設の整備につきましては、昨年5月に地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護サービス事業者の公募を行いましたが、結果として、施設建設を申し出ていただける事業者はございませんでした。このため、本年度に入りまして、町民の皆さまや、策定委員の皆さまから施設整備の必要性についてご意見をいただき、再度公募することといたしまして、8月6日から公募を開始しております。9月初旬に書面審査、そして9月中旬には吉田町指定地域密着型サービスの事業者等選定委員会を開催し、事業者の審査選考を行った後に、9月末には事前協議事業者を決定するよう計画を進めてまいります。
 続きまして、「安全で安心、快適なまちづくり」を目指す「生活環境」の関連事業につきまして、ご報告申し上げます。
 はじめに、「津波防災まちづくり」の一環として整備を進めてきました消防団詰所の建替えについてでございます。
 各地区における消防体制の充実を図る消防団詰所につきましては、昨年度、第1分団と第2分団の建替えを実施したところでございます。
本年度につきましては、第3分団の建替えに取り組んでいるところであり、7月29日の制限付き一般競争入札において建築業者が決定いたしました。12月中に、これまで活動拠点としてきた詰所と同じ場所における建替えが完了する予定でございます。
 また、第4分団詰所につきましては、当初は来年度の建替えを予定しておりましたが、建設地などの調整が進み、地元からの早期完成の要望を受けまして、前倒しで本年度中の完成を目指すことといたしました。建設地は、北区自彊館東側の広場を予定しており、今議会定例会に補正予算として造成に係る設計委託料と工事費、また、建物に係る設計委託料と建築費等を計上させていただいたところでございます。
次に、上水道事業についてでございます。
災害時におきましても安定して水を供給し続けるため、老朽管の布設替事業などを実施しておりますが、本年度につきましては、大窪線外2路線配水管布設替工事、下川原千草橋線外2路線配水管布設替工事に着手したところでございます。
また、道路改良及び下水道事業関連工事に伴う配水管等の布設及び布設替事業につきましても、順次発注を行っております。
施設整備につきましては、低区配水系の水源水量比率の平準化を目的に買収しました第9水源のポンプ井の築造工事に向けて、変更認可の手続を進めており、第8水源・第9水源導水施設用地の買収につきましても、地権者の方と協議を重ね、購入に向けた準備を進めております。
次に、二酸化炭素の排出抑制を図るための防犯灯のLED化についてでございます。
当町は、これまで二酸化炭素の排出抑制と電気代・維持管理費の低減を図るため、町内の防犯灯の修繕に合わせ、予算の範囲内でLED照明へ転換を行っておりますが、すべての防犯灯をLED化するためには、莫大な整備費用が掛かるため、なかなか進展しない現状でございました。
こうした状況の中、環境省の「低炭素価値向上に向けた二酸化炭素排出抑制対策事業費補助金」の事業採択を受けたことから、整備コストを平準化したリース方式により、町内のすべての防犯灯をLED照明に転換する事業を実施することといたしました。
現在、町内には1,942本の防犯灯があり、そのうち、1,856本が水銀灯や蛍光灯を使用した防犯灯でございますが、これらを「消費電力が少なく寿命が長い」といった特徴を持つLED照明に交換することによって、省エネルギーの推進による環境配慮型の低炭素社会の実現と経常的な電気料金の抑制及び地域経済の活性化が出来ると考えております。
8月に調査事業の発注を終えたところでございますが、導入に係る補助事業につきましては、調査事業終了後にプロポーザル方式による入札により事業者を選定し、12月頃から工事に着手し、3月までに事業を完了する予定でございます。
また、大地震や津波に伴い停電が発生した場合に安全な避難路を確保するために、この事業と並行して、津波避難タワー付近の一部の防犯灯を太陽光パネルや蓄電池を搭載した自立型のLED防犯灯とすることを考えております。
今後も、安全で安心して暮らせるまちづくりを進めるために様々な施策を展開してまいります。
続きまして、「心豊かな人を育むまちづくり」を目指す「教育・文化・交流」の関連事業につきまして、ご報告申し上げます。
学力向上施策につきましては、教育委員会におきましてラーニングプラン事業を展開しているところでございますが、本年度事業としまして、放課後、土曜日及び夏休み期間中に各小中学校で補充学習を実施しております。
これまで、放課後学習といたしましては、延べ住吉小で33回、中央小で35回、自彊小で46回を、土曜学習といたしましては、吉田中で3回、主に学力の習熟が必要な児童生徒に対して、支援員等が寄り添った指導を実施しております。
また、夏休み期間中の補充学習といたしましては、延べ住吉小で16回、中央小で17回、自彊小で17回、吉田中で100回の学習時間を設け、児童生徒のつまずきを解消し、基礎的な内容の定着を図るための指導を実施いたしました。
これらの補充学習の時間につきましては、児童生徒が集中して学習に取り組む姿を見ることができ、「参加してよかった」との感想も得ることができたとのことですので、児童生徒が充実した時間を過ごすことができたものと考えております。
続きまして、「自然と調和した、人にやさしいまちづくり」を目指す「道路交通網」の整備等について、ご報告申し上げます。
はじめに、都市防災総合推進事業により避難路として整備を進めております町道の改良事業についてでございます。
町道舞台民附線、町道東向2号線及び町道中瀬北原1号線でございますが、このうち、町道舞台民附線の一部工事及び町道東向2号線の工事につきましては発注を終え、町道中瀬北原1号線につきましても、今月中に工事を発注する予定でございます。
次に、都市計画道路の整備についてでございます。
東名川尻幹線の整備につきましては、本年7月の供用開始を目指しておりましたが、町の整備区間である国道150号から町道高畑高島線までの区間につきましては、車両だけでなく道路を利用する歩行者の安全を確保するため、町道高畑高島線との交差点部に信号機が設置されるまで、供用開始を延長することといたしました。
また、静岡県で整備を進めております主要地方道吉田大東線から国道150号までの区間につきましては、信号機が追加で整備されるまで供用開始時期が延ばされると県から伺っておりますが、本年中に信号機を設置できるということでございます。
富士見幹線の整備につきましては、既に第1工区の工事を発注しておりますので、残りの工事も早期に発注し、平成27年度の完成に向けて整備を進めてまいります。
次に、河川改修についてでございます。
当町では、国庫補助事業の採択に向け、大幡川、大窪川及び第2大窪川の河川整備計画を昨年度策定いたしましたが、このほど、採択の目途が立ちましたことから、本年度の事業としまして、測量業務の委託を実施するため、今議会定例会に補正予算を計上させていただいたところでございます。
次に、公園整備についてでございます。
現在、北区に整備を進めております防災公園につきましては、水路の付け替え工事を発注したところでございますが、残りの工事につきましても早期発注に努め、関連する富士見幹線と同様に平成27年度の完成に向けて整備を進めてまいります。
続きまして、「魅力ある産業を振興し、活力あふれるまちづくり」を目指す「産業振興」事業について、ご報告申し上げます。
吉田漁港につきましては、漁業関係者の安全な職場環境の確保をはじめ、漁業経営の安定化、沿岸漁業及び地域振興の活性化を図るため、地域水産物供給基盤整備事業、小規模局部改良事業及び町単独事業により整備を進めているところでございます。
 平成24年度から整備を進めております航路護岸の改修工事である地域水産物供給基盤整備事業及び町単独事業の本年度の工事につきましては、先に町単独事業を今月中に発注し、旧6号岸壁の取壊し工事延長約62メートルを施工いたしますが、1月末日までの工期を予定しております。また、地域水産物供給基盤整備事業では、護岸の本体工事の発注に向けて、現在、準備を進めているところでございます。
 県の補助事業であります小規模局部改良事業につきましては、安全施設の設置工事として、西側泊地の3号岸壁及び準備物揚場の老朽化しております防舷材の取替えを実施いたしますが、来月中に発注し、3月中旬までに完了させる予定でございます。
吉田漁港につきましては、南駿河湾漁業協同組合吉田支所と協議・調整を行いながら整備を進めていくとともに、適正な維持管理に努めてまいりたいと考えております。
 続きまして、「自立型行財政運営に基づくまちづくり」に向けた健全な財政の推進につきまして、ご報告申し上げます。
はじめに、当町の財政調整基金の現状についてでございます。
冒頭に申し上げましたとおり、「住吉工業用地」につきましては、過日開催された「第1回吉田町議会臨時会」におきまして財産処分をお認めいただきましたことから、株式会社ヤマザキに売却することができました。
この売却により、当町が得ました不動産売り払い収入につきましては、今議会定例会に上程いたします「吉田町一般会計補正予算(第2号)」におきまして、財産収入として7億1,900万円を計上してございます。また、このことから決算における剰余金と合わせ、財政調整基金には多額の積立ができるようになり、平成26年度末における財政調整基金の現在高は、19億3,104万3千円となる見込みでございます。
財政調整基金は、年度間の財源の不均衡の調整や災害等に対しての備えとして地方財政法に基づき積立てをしておりますが、今後も当町が「豊かで勢いのある町」であり続けるために、効果的な活用を検討してまいります。
次に、津波避難タワー建設に係る事業費決算見込みについて、ご報告申し上げます。
 当町が全力を挙げて進めてまいりました15基の津波避難タワー建設事業は、本年度に執行する標識整備等の工事をもちまして完了する運びとなりました。町民の皆さまの命を守る対策として、まずは、最低限の安心を提供させていただくことができたと考えております。
この15基の津波避難タワーの決算額でございますが、本議会定例会に上程いたします補正予算に計上した費用を含め、推計で約61億7,194万円の見込みでございます。この財源といたしましては、津波避難タワー建設事業が国庫補助となる社会資本整備総合交付金の都市防災総合推進事業の採択を得られたことや国が「日本経済再生に向けた緊急経済対策」を実施するために編成した補正予算を活用したことで、総事業費の約71パーセントを占める約43億6,897万円を国から頂くことができました。
 また、津波避難タワーは、将来にわたり町民の皆さまの命を守る施設であるため、建設に係る総事業費の約50パーセントとなる30億4,520万円を起債することといたしましたが、当町は、平成22年度から基準財政収入額が基準財政需要額を下回る地方交付税の交付団体となっておりますことから、この起債の償還額は、交付税を算定する際に基準財政需要額として算入される予定でございますので、起債額の約54パーセントの16億3,312万円余は、地方交付税として措置される予定でございます。
 そして、その他の財源といたしましては、当町の津波防災まちづくりをご支援してくださいました団体の方からのご寄附が約210万円、県から補填されました額が約330万円となり、この結果、地方負担額である地方債と一般財源の実質的な金額、いわゆる町が負担する金額は、全体事業費の約3パーセントとなる1億6,450万円となりました。
 津波避難タワーの建設は、平成24年度から取り組んでまいりました大規模な事業でございますが、国や県の動向をいち早く町の施策に反映できた結果、将来の実質的な財政負担を約1億6,450万円という極力少ない形で事業展開を図ることができました。
今後につきましても、常にアンテナを高く張り様々な事業に対応できるような財源確保に努めてまいります。
最後に、「内陸のフロンティア」を拓く取組として、当町が取り組んでおります「物資供給拠点確保事業」及び「企業活動維持支援事業」の2事業の取組状況について、ご報告申し上げます。
 この度、県は、「内陸のフロンティア」を拓く取組を県全域へ波及させるため、新たに「内陸フロンティア推進区域」を指定することとなり、当町におきましては2事業ともに、この「内陸フロンティア推進区域」に指定されました。
これによりまして、当町の2事業につきましては、県から技術支援、財政支援及び金融支援を受けることができるわけでございますが、当町といたしましても、県の財政支援を最大限に活用するため、県の補助制度と協調した「吉田町企業立地促進事業費補助金要綱」を制定いたしました。
また、「内陸のフロンティア」を拓く取組を推進するための環境が整いつつある中、「物資供給拠点確保事業」につきましては、地域の各種関係者に参画していただき、事業の実施に関し必要な事項について協議していただく推進協議会の立ち上げについて、一定の目途がついてまいりましたので、これを機にさらなる事業進捗を図ってまいる所存でございます。
 以上、行政運営の一端を申し上げましたが、東日本大震災発生以来、全力を挙げて取り組んでおります「津波防災まちづくり」につきましては、本年度におきましても強力に推進してまいります。
そして、「津波防災まちづくり」を進める一環として「賑わいづくり」も同時に達成してまいるように事業展開を図り、町の勢いを持続できるように努力してまいります。
さらには、子育て支援や教育環境の充実などの諸施策につきましても、一層質の向上を図るように取り組んでおりますので、こうした施策展開全体の波及効果で、町の勢いを一層高めてまいりたいと存じます。
議員各位におかれましても、こうした取り組みを強力にご支援賜りますようお願い申し上げ、本定例会の行政報告といたします。