2014年3月3日 作成

平成26年第1回吉田町議会定例会(平成26年3月3日開会)町長の施政方針

 平成26年第1回吉田町議会定例会の開会に当たり、新年度に向けての施政方針並びに各種事業の運営方針について申し上げます。
当町が正念場と位置付け、全力を挙げて進めてまいりました「津波防災まちづくり事業」の第1ステップであります「町民の皆さまの命を守る対策」につきましては、2年間で15基の津波避難タワーが完成することにより達成されようとしております。
これまで、津波避難タワーの建設に関しご協力をいただきました多くの町民の皆さまに対しまして、この場をお借りしてお礼を申し上げます。加えて、津波浸水想定区域にお住いの皆さまに、15基の津波避難タワーが完成したことをご報告するとともに、タワーの完成を祝うための式典を開催いたします。
是非、3月30日に行われます「吉田町津波避難タワー 命を守る対策 完成式典」には、議員各位をはじめ地域の皆さまのご出席をお願い申し上げます。
さて、当町がこれまで取り組んでまいりました「津波防災まちづくり事業」は全国で衆目を集めており、福井前文部科学副大臣をはじめ、国・県の関係機関の方々、県内外の議会議員、自治体の防災担当者そして他市町の自主防災会の皆さまの視察が相次ぎ、本年度2月末時点で、約40団体、550名の皆さまが、当町の防災への取組や津波避難タワーを視察されました。これは、当町の津波避難タワーが国や県の全面的な支援を受け、法律上及び技術上の諸問題に適切に対応した「津波避難タワーの標準仕様設計基準」に基づいて建設された全国初の津波避難タワーであることが周知され、吉田町の津波防災まちづくりの取組が評価されてのことと自負しております。
今月9日には、この完成予定の15基の津波避難タワーを実際に使用した津波避難訓練が実施される予定であります。津波浸水想定区域に居住される町民の皆さまお一人お一人が、どこの津波避難タワーに避難し、どこを通って津波避難タワーまで行くのかなど、的確かつ迅速な避難行動がとれるよう、日頃から津波避難タワーを使用した訓練を重ねていただき、町民と行政が一体となった「災害に強いまち」を築いてまいる所存でおります。
この津波避難タワーの完成をもって、「町民の皆さまの命を守る対策」は概成するところとなりましたので、今度は「津波防災まちづくり事業」に比べて幾分周回遅れの感がありました「町民の皆さまの財産、企業の皆さまの生産活動を守る対策」の実現に全力を傾注し、できる限り早急に事業着手に取り掛かっていただけるよう国や県にこれまで以上に強力に働きかけてまいります。
この対策は、大井川の堤防や海岸の防潮堤のかさ上げ、漁港区域の防潮堤や津波堤の耐震・対津波化、水門の整備並びに坂口谷川の水門整備など、国や県
が直接的に関与する事業が大半を占めています。
私が目指す吉田町は、「豊かで勢いのある町」でございます。「豊か」とは、この町の企業が安心して生産活動を営み、多くの雇用の場が確保されていることであり、「勢い」とは、人口が増加し続けることであると考えております。
全国的に人口減少社会が叫ばれる中において、この町が豊かさと勢いを保つためには、行政が責任をもって「津波防災まちづくり事業」のハード整備を一日も早く完成させ「目に見える安全」を提供しなければなりません。
まさに、ここにこそ、中国の古書である「易経繋辞伝(えききょうけいじでん)」に記された統治(ガバナンス)の要諦「君子は安にして危を忘れず、存にして亡を忘れず、治にいて乱を忘れず」があるものと考えます。
そして、確固たる安全の下、「子育て」「教育」「健康づくり」といった「支える安心」を提供することで、活気ある若い人が集まり、元気な子どもが増え、そして、この地で生活し続けたいと願う人々が多くなる社会を作り上げなければならないと強く感じております。
このような考えの下、平成26年度は「津波防災まちづくり事業」といったハード政策に加え、「子育て」「教育」「健康づくり」といったソフト政策にも重点を置いた事業を具体化した結果、歳入歳出それぞれ単年度規模では過去最大の101億6,700万円という平成26年度吉田町一般会計当初予算を編成いたしました。
平成26年度に予定しております事業は、当町が「豊かで勢いのある町」として歩み続けるため、積極的に取り組むべき事業でございますので、その概要につきましてご説明申し上げます。
まずは、当町が強力に進めております「津波防災まちづくり事業」についてでございます。
間もなく完成を迎える15基の津波避難タワーには、避難誘導灯、海抜、浸水深、収容人数などの仕様を表示した「津波避難誘導標識」を設置する予定でございます。この標識により、ご自分が避難されるタワーとその付近の地形も
併せて理解していただき、自分の身は自分で守る「自助」の第一歩としていただきたいと考えております。
このタワーは、町民の皆さまが日頃から親しみを持って活用していただきながら、次の世代に引き継ぐ大切な防災施設の一つでございますので、適切な維持、管理を行ってまいります。
また、津波浸水想定区域外における被災者の支援対策事業として進めてまいりました「防災公園整備」につきましては、公園用地としての造成工事や、防災公園内に建設する管理棟の設計を行う予定でございます。この管理棟では、町民の皆さまの防災意識の高揚が図れる講座の開設や防災資器材の展示を行うことなどを、検討しているところでございます。
なお、防災公園整備地及びその付近は、県が進めております「内陸のフロンティアを拓く取組」において、総合特区制度を活用し、被災した町民等の生活を支えるための生活物資を供給していける商業施設の誘致を行い、災害発生時には誘致した企業と協力して防災拠点機能の確保を目的とする「物資供給拠点確保事業」を実施しようとする地区でございます。今後も、県と連携して強力に事業を進めてまいります。
このような町が主体となって行うハード対策はもちろんのこと、平成26年度の「津波防災まちづくり事業」では、ソフト対策にも重点を置き、きめ細かな津波防災まちづくりを推進してまいります。
特に、ソフト対策は、防災意識の継承が重要なことから、平成25年度におきましては、地域防災力の向上を図るため、災害時において防災活動の中核を担うことが期待される自主防災会組織や消防団、企業の防災担当者の皆さまにご参加いただき「地域防災指導者養成講座」を開催いたしました。現在、津波防災まちづくり事業で高まった防災意識を、今後も継承するためには、5年後、10年後という中長期的な視野に立ち、中学生を対象とした「ジュニア防災士養成講座」を開催し、地域に貢献できる若い力を育て、自らの身は自ら守り、さらに、地域の住民の皆さまと一緒に防災活動を行えるような人材の養成を図ってまいります。
この他にも、町民の皆さまお一人お一人が、正しい防災知識の習得と防災対策を講じられるよう「地震防災ガイドブック」を作成するなど、更なる防災意識の高揚を目指し努力してまいります。
平成26年度につきましても、町が主体で行うハード対策はスピード感を持って着実に行い、ソフト対策につきましては、町民の皆さまの協力を得ながら、きめ細やかに事業を進めてまいりますので、皆さま方のご理解、ご支援をよろしくお願いいたします。
続きまして、平成26年度に実施する主な事業を第4次吉田町総合計画に沿ってご説明申し上げます。
まず、「健康でいきいき暮らせるまちづくり」を目指す「健康・福祉」関連事業につきましてご説明申し上げます。
はじめに、健康づくり事業でございます。
 当町では、誰もが健やかに暮らせる社会を実現するために、多様な年代の方を対象に、健康運動事業や生活改善事業などの健康づくり事業を積極的に進めております。
 特に、検診を受けやすい環境の整備として取り組んでまいりました「総合がん検診」の導入や一定の年齢の方に無料クーポン券を配布した大腸がん、乳がん、子宮頸がん検診などは、新規受診者の増加につながったところでございます。  
今後は、一定の年齢の方に配布しておりました無料クーポン券は継続しながら、乳がん検診及び子宮頸がん検診に対しましては、更なる検診を呼び掛けるため過去4年間において1度も受診されていない方に対しても、無料クーポン券を配布してまいります。
がんは、検診以外で発見されることは少なく、発病すれば生活に大きく影響する疾患でございます。がんを早期に発見し、早期の治療につなげるために、一人でも多くの方に検診を受けていただけるような環境を整備してまいります。
 また、当町が進めております「津波防災まちづくり事業」の施設を活用した健康づくり事業として、津波避難タワーや平成27年度に完成予定であります防災公園を活用した、吉田町ならではの「ウォーキングコース」を計画してまいります。
 今後も、お子様からお年寄りの方まで、多様な年代の方が生活に運動を取り入れることができるよう、町民の皆さまの健康づくりを支援してまいります。
 次に、国民健康保険事業についてでございます。
 人口減少下での少子高齢化というや社会情勢の変化に伴い、将来の社会に不安を持つ人が増えており、年金、医療、介護などの社会保障制度の充実、安定化が求められております。
 全国的に、国民健康保険は、被保険者の年齢構成や医療費水準が高く、所得水準が低いという構造的な問題を抱えており、それゆえに厳しい財政運営が続いております。
 この状況は、当町におきましても例外ではなく、これまで国民健康保険給付等支払準備基金の取崩しを行い、国民健康保険会計を維持してまいりました。しかしながら、被保険者の高齢化に加えて、医療の高度化などによる保険給付費等の急激な増加には、現行の国民健康保険税率では対応が困難な財政状況となってまいりましたことから、苦渋の選択ではございますが、加入者の皆さまにご負担いただいております国民健康保険税額を改定させていただくことといたしました。
また、国民健康保険には、多くの所得水準が低い方が加入されておりますので、この改正に併せて、低所得世帯の負担軽減も図らせていただきます。
国民健康保険などの保険制度は、相互扶助を基本として運営されておりますことから、加入者の皆さまにご理解いただけるよう丁寧に周知させていただくとともに、今後も、国民健康保険会計の健全な財政運営を心掛けてまいります。
次に、子育て支援事業でございます。
子どもは健やかに育ち、親は安心して子どもを産み育てることができる社会の実現に向けて、「子ども・子育て支援新制度」が創設され、平成27年4月から新制度の実施が予定されております。
これまでも、親の共稼ぎ家庭の増加や就労形態の多様化などにより生じる、きめ細かな保育サービスや子育て支援サービスの要望に対応するため、延長保育や休日保育、0歳児保育などを充実させ、保育が必要な子どもそれぞれに合った保育サービスを提供してまいりましたが、これからは、妊娠、出産から育児までの切れ目ない支援を行い、幼児期の教育や保育、地域の子ども、子育て支援を総合的に推進する必要が生じてまいります。子どもの健やかな成長と安全・安心な保育環境を築くことは、子育て中の保護者の方に限らず、これから出産を予定されている方、幼いお子様と一緒に生活されている方など多くの皆さまの願いだと受け止めております。
こうした中、当町におきましても「吉田町子ども・子育て会議」を平成25年度に発足させ、平成26年度には、今後5か年の「吉田町子ども・子育て支援計画」を策定する予定でございます。この計画を策定するため、現在、子どもの実態や保護者が必要としている子育てサービスに関するニーズ調査を実施しており、この調査結果を踏まえて、当町の実情に応じた、きめ細かな支援ができる計画を策定してまいります。
また、幼い子どもの子育てに悩む母親の相談窓口として、社会福祉課内に子育て相談員を配置し、子どもの発達上の心配事、子育てやしつけなどに対する支援を行いながら、保育園におきましても、文字に興味を持たせる取組や五感を敏感にするための取組、基礎体力をつけるための取組を交えながら子どもたちの成長の一助となる保育を実施してまいります。
一方、平成24年度から整備を進めておりました「すみれ保育園建設事業」は、順調に工事が進み、今月には予定どおり完成する運びとなりました。この保育園では、保護者の就労形態、職業訓練、就学などにより家庭において保育が断続的に困難となる乳幼児に保育を行う一時預かり事業や、保護者の就労により病気回復期の子どもを自宅で保育できない場合に利用できる看護師が常駐した病後児保育事業を実施するほか、出産後に仕事復帰を希望する保護者の増加に対応するために0歳児用保育室の拡大や9か月児からの専用月齢児室を設けるなど多様なニーズに応えてまいります。
なお、すみれ保育園と併設する「こども発達支援事業所」におきましては、町民の皆さまが親しみを持てるよう、すみれ保育園と同様に愛称を「すみれ」とさせていただきました。
この施設では、集団生活に馴染めない子どもに対して、発達に応じた個別の支援を行うための定期通園や、発達が気になる子に対して、集団から離れて個別の支援を行うための並行通園を週1回実施するなど、家庭と協力して子どもの健やかな成長を支えてまいります。
このような事業は、新しい試みではありますが、保護者の皆さまのご理解をいただきながら、子育て世代の保育ニーズに合わせ、より多くの皆さまが安心して利用できる施設としてまいります。
次に、高齢者福祉事業でございます。
平成26年1月末現在の吉田町の高齢化率は、21.78パーセントで、年々高齢者率は上昇しております。
このような状況の中、高齢者の皆さまが住み慣れた吉田町で、生き生きと暮らしていけるように、人生90年時代を見据えた先進的な福祉施策を展開してまいります。
その一つとして、高齢者の生きがいづくりや社会参加活動を支援し、年齢にかかわりなく働くことができる「生涯現役社会」の実現に向け、老人福祉センターの分館として位置付けた「高齢者人材活用センター」の建設を進めております。このセンターでは、介護予防のための教室や作品づくり、レクリエーション、教養の向上を図る事業を実施していくほか、高齢者の皆さまが長年培ってこられた豊富な知識と経験、技能を登録していただき、その力を借りたい町民の方や地域団体と結びつける「生涯現役人材バンク事業」にも取り組んでまいります。
高齢者の皆さまの知識と技術は、当町を支える大きな財産でございます。これからも高齢者の皆さまが生き生きと活動でき、安心して生活できるよう努力してまいります。
続きまして、「安全で安心、快適なまちづくり」を目指す「生活環境」の整備について申し上げます。
 まずは、上水道事業でございます。
 上水道の施設整備につきましては、低区配水系の水量比率の平準化を目的として、大幡地区に新たな水源築造を目指し第9水源築造工事設計業務委託や第8・第9水源導水施設工事測量設計業務委託等を計画しております。
 また、地震災害時におきましても、安定して水を提供し続けるために、老朽管の布設替えを実施しておりますが、平成26年度につきましては、大窪線外2路線配水管布設替工事や下川原千草橋外1路線 配水管布設替工事を実施する予定でございます。
 今後も引き続き、水道利用者の皆さまへ安全な水を安定して提供するためには、計画的に事業を進める必要がございます。平成26年度吉田町水道事業会計予算におきましては、国の会計基準の見直しを踏まえた会計制度に移行いたしましたので、これまで以上に経営状況を把握し、効果的、計画的な事業運営を行い、健全な財政運営に努めてまいります。
次に、下水道事業でございます。
 まず、管渠整備につきましては、住吉地区と片岡地区において、約1.7キロメートルを施工する計画でございます。
 下水道施設の耐震化につきましては、平成21年度から下水道総合地震対策事業を進めておりましたが、東日本大震災による津波被害を踏まえ国の指針が改定される見込みでありますことから、今後は、その指針に基づき津波対策計画及び総合地震対策計画を策定してまいります。
 続きまして、「心豊かな人を育むまちづくり」を目指す「教育・文化・交流」事業につきまして、ご説明申し上げます。
 はじめに、学力向上施策についてでございます。
 子どもたちが学校において効果的に、集中して勉強に取り組める環境を整備するとともに、すべての子どもたちの学力向上が図られる環境を整備することは、大変重要なことであると認識しております。
 しかしながら、平成19年度から始まりました「全国学力・学習状況調査」におきまして、静岡県の小学校6年生の全国順位は年々低下し、平成25年度につきましては、国語Aが全国最下位、他の3科目も36位以下という結果となりました。
 この結果を踏まえ、教育委員会では「吉田町児童生徒学力向上委員会」を設置し、児童生徒の教育に携わる委員17人とアドバイザーとして依頼しました静岡大学の村山功教授とで、当町の教育における「確かな学力の向上」に向けての提言を取りまとめていただいたところでございます。この提言を具体化するため、村山教授には、引き続きご指導をいただき、教育委員会と学校、家庭が一体となった「吉田町ラーニングプラン事業」を実施することといたしました。
 このラーニングプラン事業では、学校の「わかる・身に付く」授業づくりを核としつつ、学習時間の確保や小学校2年生以上の学年における学力テストの結果に基づくきめ細やかな教育を行うとともに、家庭と学校、地域の連携した取組を実施し、児童生徒の確かな学力の向上を図っていくとのことでございます。
 今後は、学力向上委員会のアドバイザーでありました村山功教授のご指導の下、学校内で指導力向上のための研修や授業内容の改善を行うなどの児童生徒の確かな学力の向上策が実践されるよう期待しているところでございます。
 次に、小中学校の改修工事についてでございます。
 吉田中学校の屋内運動場は、竣工以来16年が経過しており、強風が伴う台風の時には、体育館2階部分に漏水が発生している状況でございましたことから、屋根の改修工事を行う予定でございます。
 また、建設から40年が経過しております中央小学校のトイレにつきましても、老朽化が進んでいる配管等から悪臭が発生しておりますので、6月から学校の休業日を中心に平成27年3月頃までを目途に、全面改修を実施する予定でございます。
 次に、建設から40年が経過しております吉田町中央公民館の耐震補強工事及び大規模改修工事についてでございます。
 中央公民館は、生涯学習の拠点施設であり、年間延べ3万人を超える町民の皆さまにご利用いただいております。しかしながら、平成12年度に実施した「建築物耐震診断」の結果では、東海地震、南海トラフ大地震に対しての耐震性に欠けるとの診断がされておりました。この間、町民の皆さまには、ご心配をおかけいたしましたが、この度、国の「地域の元気臨時交付金」も活用し、耐震補強工事にのみならず、バリアフリー化の工事と老朽化した設備の改修を併せて行うことといたしました。
 特に、中央公民館は、幅広い年齢の方がお使いになる施設でございますので、エレベーターの設置やトイレの洋式化、段差の解消工事を行い、町民の皆さまが快適な環境のもとで施設を使用できるように努めてまいります。
 続きまして、「自然と調和した、人にやさしいまちづくり」を目指す「都市整備」事業につきまして、ご説明申し上げます。
はじめに、避難路整備事業についてでございます。
災害時において、町民の皆さまがいち早く安全な場所に避難いただけるよう都市防災総合推進事業を活用して避難路整備事業を実施しております「町道東向2号線」と「町道舞台民附線」につきましては、地権者の皆さまからご理解を頂くことができましたので、平成26年度には工事を実施してまいります。
なお、「町道中瀬北原1号線」、「町道西の坪大浜1号線」につきましても、それぞれ完成に向けて、計画通りに事業を進めてまいります。
また、新たに「町道下片岡16号線」を整備することといたしました。これは、この路線の南側に、津波避難タワーが完成いたしますことから、地域の皆さまがいち早く、津波避難タワーへ避難が可能となるよう整備するものでございます。完成までには、測量業務や用地交渉などを実施していく事となりますが、計画的に事業を進めてまいりたいと考えております。
これら避難路につきましては、町民の皆さまの避難に支障をきたすことのないよう1日も早い完成を目指して事業を進めてまいります。
次に、幹線道路整備事業でございます。
平成26年3月末の完成を目指してまいりました「都市計画道路榛南幹線」につきましては、予定どおり供用を開始できるよう、現在、県及び町において工事を進めております。
また、「都市計画道路榛南幹線」と同様に、平成26年3月の供用開始を目指して整備を行ってまいりました「東名川尻幹線」でございますが、道路を利用される町民の皆さまの安全を確保するための信号機設置に時間を要することから、供用開始時期を平成26年7月まで延期する方針が県より示されました。
町としましても、島田土木事務所や牧之原警察署と協力して、交通事故がない安全な幹線道路となるように、努力してまいります。
「住吉幹線」につきましては、平成26年度から用地交渉を進め、平成27年度の完成に向けて努力してまいります。
「都市計画道路富士見幹線」につきましては、平成26年度で用地の買収を完了し工事に着手する計画でございます。
また、防災公園と主要地方道吉田大東線をつなぐ町道青柳田中線につきましては、拡幅整備を計画しており用地買収を進めてまいります。
次に、案内標識設置工事についてでございます。
現在、当町では、15基の津波避難タワーが姿を現し、タワー付近を中心として、避難路に指定された町道を数多く整備しております。それに加え、長年工事を行ってまいりました「都市計画道路 榛南幹線」や「東名川尻幹線」などの幹線道路が次々と完成し、今後は、順次、供用が開始されます。こうした交通の流れの変化は、住み慣れた町民の皆さまでさえ戸惑いを覚え、尊い生命を危険にさらす交通事故や交通違反が発生しやすいことから、目的地まで安全に誘導するための「案内標識」を設置することといたしました。この案内標識は、町民の皆さまだけでなく、町外からお越しいただいた方にも吉田町の地理を理解していただけるように、小山城や総合体育館をはじめとする公共施設への誘導も視野に入れて設置してまいります。
 最後に、「基本計画推進に向けて」の取組についてご説明申し上げます。
 地方分権社会の本格的な到来により、町は、自らの責任と工夫により、魅力的で個性あるまちづくりを、自主的、主体的に推進することが求められております。
少子高齢化の進展する中での人口減少社会の到来、情報化の進展、住民の価値観の多様化、さらには津波防災対策など町を取り巻く環境は常に変化しており、町は、こうした新たな行政課題に柔軟に対応するため、適時適切に組織機構を見直す必要がありますことから、今回、機構改革を断行することといたしました。
今回の機構改革にあたりましては、「新たな行政課題に柔軟に対応できる行政組織の構築」と「人材育成型の行政組織機構の構築」の2つのビジョンを掲げ、町を取り巻く様々な行政課題や行政需要に対し、横断的な組織体制により迅速かつ的確に対応するとともに、今後10年間を見据えた職員の人材育成を踏まえた効率的な組織機構の構築を目指すものでございます。
これは、町の最重要課題であります津波防災対策をはじめ、子育て支援、学力向上、健康づくりの推進などの重要課題に対応するにあたり、課を越えた横断的な推進体制が必要となることから、課のグループ化を図り、共通の目的意識の下、組織総合力の向上を図ろうとするものでございます。
また、当町は、昭和56年頃からの約10年間、行政改革の一環として「少数精鋭」を合言葉に、採用職員を抑制した時期があり、平成29年度以降の幹部級職員は、一気に若年化してしまうことから、経験豊富な幹部級職員のノウハウをスムーズに継承していくため、必要に応じて、グループに参事職を配置し、併せて幹部級職員の人材育成が可能となる組織機構としているものでございます。
社会経済情勢の変化に柔軟に対応していくためには、その時々に合った組織・機構の改正が必要でございます。今後も、引き続き、簡素で効率的な組織運営に努めてまいりますので、議員の皆さま方のご理解をお願い申し上げるところでございます。
以上、平成26年度を迎えるにあたり、スピード感を持った「津波防災まちづくり事業」と「子育て」、「教育」、「健康づくり」に重点を置いた施策の方針や概要並びに基本姿勢について述べさせていただきました。
この町が10年後、20年後においても、「豊かで勢いがあるまち」であり続けるためにも、今、手がけております「津波防災まちづくり事業」は、まさに町の存亡をかけた事業であり、必ず完成させなければならない事業でございます。この町の企業が安心して生産活動を営み、多くの雇用の場が確保され、人口の流出に歯止めが掛かり、人口増へ反転攻勢し、更なる魅力のあるまちづくりを目指さなければなりません。
是非とも、議員各位におかれましては、当町の「まちづくり」に対しまして、ご理解をいただき、明日の吉田町の礎を築くため、今後も格段のご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げ、施政方針といたします。