2012年3月2日 作成

平成24年第1回吉田町議会定例会(平成24年3月2日開会)町長の施政方針

 平成24年第1回吉田町議会定例会の開会に当たり、新年度に向けての施政方針並びに各種事業の運営方針につきまして、申し上げます。
 昨年3月11日の東日本大震災から、約1年が経過しようとしております。この間、被災地自身の努力と国を挙げての支援によりまして、復旧の兆しがみえるものの、未だ復興には程遠い状況でございます。甚大な自然災害からの復旧は、言葉では言い表せないほど、膨大な時間と経費、そして何よりも人々の絶え間ない努力が必要であることを改めて痛感した次第でございます。
 昨年11月末に完成しました「津波ハザードマップ」は、1000年に一度の大津波の被害を、吉田町に重ねた場合をシミュレートしたものを、地図上に落とし平面的に表したものでございます。しかし、東日本大震災の大津波の映像を立体的に組み合わせたときは、どうなるのでしょうか。それは大変恐ろしく、背筋が凍る思いであり、町民の皆様も同様の思いではないでしょうか。
 私は、この町民の皆様が抱かれた恐怖、いわゆる生命、財産に対する不安というものを、まずもって取り除くことが、私に課せられた最大の課題であるとの認識に立ち、町としてできることは何か、今、何をするべきなのか、ということを自問自答してまいりました。そして、根拠に基づいた津波ハザードマップを作成することにより、まずは正確な津波被害を想定し、その効果的な対策の方向性を示すとともに、津波防災対策事業を強力に推進する体制を築くため、副町長を財務省から、理事を国土交通省から、それぞれ招聘し、人事体制を整え、新たに防災課を設置し、組織的に取り組む体制を整備してきたところでございます。
 昨年の12月の行政報告で申し上げましたが、今後は具体的な対策へと舵を切るわけですけれども、町民の皆様の不安を一つ一つ取り除くために、まずは、町民の皆様に「見える」ものをお示しすることが重要であり、その具現化したものが、平成24年度の予算でございます。
 平成24年度予算は、第4次吉田町総合計画に掲げた将来都市像「人と人、心やすらぎ 健康で住みやすい町 吉田町」を実現するため、津波防災対策を最重点課題に据えた「安全・安心なまちづくり予算」の編成をいたしましたので、その概要につきまして申し上げます。
 平成24年度吉田町一般会計当初予算の総額は、歳入歳出それぞれ97億3千3百万円となり、前年度と比較しまして8.7パーセントの増となる過去最大規模の予算となりました。これは、津波防災対策事業への積極的な取組によるもので、津波防災対策として一般会計予算の総額の約1割強を占める、総額9億7千855万9千円を計上したことによるものでございます。
 それでは、歳入の特徴から申し上げます。
 当町の財政運営の根幹をなす町税につきましては、52億5,726万円余と見込みましたが、前年度と比較しますと、約3.3パーセント、1億7,789万円余の減収となっております。そのうち、法人町民税につきましては、前年度比約9.8パーセント、5,308万円余の増額を見込んでおります。そして、固定資産税につきましては、評価替えの影響を受ける家屋に係る固定資産税の下落が大きく、また償却資産についても減価率を上回る設備投資が見込めない等、前年度比約8.7パーセント減の27億6,867万円余を見込んでおります。
 また、大きな伸びとなる財源について申し上げますと、国庫支出金につきましては、社会資本整備総合交付金事業として街路整備を進めるほか、都市防災総合推進事業をはじめ9億4,636万円余の津波防災対策事業を新規に進めますことから、前年比21.7パーセント増の10億7,306万円余を計上しております。
 町債につきましては、臨時財政対策債が前年度比7.9パーセント減の3億5,000万円を計上するに留まった一方で、津波防災対策事業を強力に進めるため、その関連事業で、4億7,690万円の起債を予定しましたことから、全体としましては、前年度比91.5パーセント増の11億8,230万円となりました。
 この町債について、町は、これまで「当該年度の借入額は、当該年度の元金償還額を上回らないこと。」という町独自のルールを定め、健全財政に努めてまいりました。しかしながら、3月11日に発生した東日本大震災以降、津波防災対策が喫緊の課題となり、今年度は、国庫補助となる社会資本整備総合交付金の都市防災総合推進事業の採択を受け早急に事業を推進することから、「社会資本整備総合交付金の都市防災総合推進事業関連の事業は、既存ルールの枠外とする。」という新たなルールを設け、少なくとも、只今作成を進めている都市防災総合推進事業計画の計画期間が終了する平成27年度末までは、町の財政事情を考慮しつつ、津波防災対策を強力に推し進められるよう起債措置を含めた弾力的な財政運営を図り、将来を見据えた適切な事業進捗を図ろうとするものでございます。
 続きまして、歳出の特徴でございます。
 今回の歳出予算の特徴といたしましては、町の最重点課題であります、「津波防災対策」に積極的に取り組むとともに、第4次総合計画後期基本計画の重点化項目である「福祉、子育て、健康づくり、教育、幹線道路整備」に配慮した予算配分となっております。
 まず、最重点課題であります、津波防災等対策事業でございます。
 この津波防災等対策事業は、各分野で予算計上している事業のうち、防災対策の視点で実施するものとして、避難地確保事業、避難情報提供事業、防災資機材整備事業、減災事業及び避難路整備事業の5つに区分したものを、津波防災等対策事業として取りまとめたものでございますので、その主要な事業につきまして、ご説明申し上げます。
 はじめに「津波避難タワーの整備」でございます。
津波ハザードマップによる浸水被害地域のうち、海抜5メートル以下の地域には約17,000人の方がお住まいになっております。この地域に居住される方々の命を、まず守るための対策として「津波避難タワー」の設置が急務と考えておりまして、この3月に完成する津波避難計画を基に津波避難タワーの設置場所やタワーの規模など十分に検討を重ね、平成24年度から順次着手するものでございまして、平成24年度は、3基設置してまいりたいと考えております。また、この避難タワーの設置と合わせて、地域住民の方々が、安全で、かつ、迅速に避難地へ避難できる避難路の確保として町内7路線の道路整備を順次行ってまいります。
 次に、北区公園の整備でございます。
 津波による浸水被害や地震災害に遭われた方々の避難地として、仮設住宅の建設も重要な課題の一つでございます。町の応急仮設住宅建設予定地に指定している箇所につきましては、津波ハザードマップで示されております浸水地域に所在する箇所もあり、新たな避難地としての確保が必要となります。そこで、北区地域への公園整備を行い、同時に防災公園としての位置づけをしながら整備を行ってまいりたいと考えております。また、北区公園へ通ずる避難道路の確保も必要となりますことから、富士見幹線の道路整備を公園整備とともに行ってまいります。
 次に、川尻地内にある「すみれ保育園」の改築でございます。
 現在のすみれ保育園は、老朽化が著しく、これまで新たな保育園整備を進めるため、プロジェクトチームを立ち上げ検討を重ねてまいりました。しかし、現在の保育園舎は津波浸水区域に位置し、園児を津波の危険から守るためにも、保育園の移転を考えなければなりません。そこで新たな園舎建設と同時に、災害時には避難地としての防災要件を備えた多機能施設として完成させていきたいと考えております。
 次に、吉田漁港周辺にあります約1キロメートルの津波堤でございますが、津波被害からの防御となる津波堤は、津波の波力に堪えうるものでなければなりません。津波堤が地震動、液状化、津波等に堪えうるものとするには、どの程度のものを設置すればいいのか詳細な調査を行い、このデータの結果から、地震や津波に堪えうるだけの津波堤改築対策を立ててまいりたいと考えております。
 ただいま、主要な事業につきまして申し上げましたが、その他にも津波防災等対策事業の取り組みとして予算化させていただいた事業もございます。これらの財源となる主なものは、国の平成23年度第3次補正予算で措置され、平成24年度においても同様の措置が図られる方針が打ち出されている「社会資本整備総合交付金」の「都市防災総合推進事業補助金」でございます。そして、県補助金であります「大規模地震対策等総合支援事業補助金」も主要な財源の一つとなるほか、地方交付税措置が見込まれる起債の積極的活用を図り、事業拡大を現実のものといたしました。これからの数年間は、当町にとって津波防災対策の基礎を築く重要な年になると実感しております。
 続きまして、「健康でいきいき暮らせるまちづくり」を目指す、健康・福祉関連事業につきまして、ご説明申し上げます。
 まず、健康づくり事業でございますが、町では、町民の皆様が気軽に運動ができ、運動習慣の定着化が図られるようストックウォーキングやオリジナルダンス等を利用した様々な健康教室を開催してまいりました。そして、この教室に参加していただくことで、生活習慣病の予防となるよう努めてまいりました。平成24年度からはこれまでの教室に加え、新たに70歳以上の方を対象とした健康教室を開催する予定でございます。この教室では、参加者の健康状態を確認しながら、仲間とともに高齢者でも安心して運動できるメニューを中心に、多くの高齢者が心身ともに健康な生活を維持していただけるよう実践していくものでございます。多くの方に参加していただけるよう周知に努め、高齢者の皆様が、いつまでも地域で健康で若い世代とともに社会参加していただけるよう健康支援してまいりたいと考えております。
 次に、子育て支援事業でございます。
 すみれ保育園の建設につきましては、先ほども申し上げましたが、保育士を中心としたすみれ保育園の建設に関するプロジェクトチームを設け、十分な議論を重ね、改築した3保育園の機能や近隣市の保育園の状況を参考に、現施設に不足している機能や児童発達支援センター等将来新たに追加すべき機能を盛り込んだ施設を検討しております。平成24年度は基本設計・実施設計を行い、平成25年度の建設に向けて取り組んでまいります。
 次に、保育サービス事業でございます。
 子育て支援をさらに推進するために、平成23年度から0歳児のうち10か月児の受け入れを行っているところでございますが、平成24年度につきましては、入所人数の枠を広げ、育児休業を取得することのできない方や育児休業明けの仕事復帰をされる方への支援を積極的に考えております。なお、保育園の入所年齢の引き下げに併せまして、保育料の見直しを行う必要があります。当町の保育料は、国の基準額表の変更が定期的に見直されてまいりましたが、平成9年度以来、一度も保育料改正することなく現在に至っております。このため、町の基準額表は、国や近隣市と差異が生じていることから、平成22年度に国が示した基準額表と合わせた階層区分の見直しを行ってまいります。階層区分の見直しによる保育料の徴収額につきましては、これまでの経緯を踏まえながら、近隣市との均衡を考慮して決定してまいりたいと考えております。
 次に、高齢者福祉事業でございます。
 団塊の世代が65歳に達する平成27年を念頭に、平成24年度から平成26年度までの3年間を計画年度とした「第6次吉田町高齢者保健福祉計画及び第5期吉田町介護保険事業計画」は、計画の目標や重点的に取り組む具体的施策等を盛り込み、本年3月末までに策定される予定でございます。
 現行計画の「健康長寿のまちづくり」「支え合って暮らせる地域づくり」「安心して暮らせる介護サービスの提供」の3つの基本理念については、今計画においても、踏襲することとし、この理念の実現のために、町では計画期間3年間の重点課題として、地域包括ケア体制の整備、介護予防の推進、サービスの質的向上と情報提供、生きがい活動と社会参加の推進、日常生活環境の整備、認知症支援策の充実に取り組んでまいります。特に、今回の計画の中では、施設入所を希望する要介護者の受け皿を確保するために、介護保険法に基づく施設サービスを提供する「地域密着型介護老人福祉施設」を整備する計画を盛り込みまして、平成26年度の開設を目指して、来年度から施設整備に関する調整を関係機関と開始する予定でございます。
 高齢者人口の増加に伴いまして、高齢者がいつまでもいきいきと暮らし続けていくために、地域で高齢者を支えるための支援や壮年期からの中長期的な期間を見据えた各種健康づくり事業を進め、町民それぞれの状態に対応した介護予防事業や、高齢者自身が地域活動の担い手となり、積極的に参加することにより一人ひとりが生きがいを持ち活動的に暮らしていくことができるような、施策を展開してまいりたいと考えております。
 また、一方で介護や支援を必要とする状態になった高齢者の方に対しましては、多様化したニーズに対応するため、各種介護保険サービスの量の確保と質の向上に努めるとともに、高齢者福祉サービスにつきましては、サービス内容を充実させ、新たなサービスの必要性なども検討してまいりたいと考えております。
 続きまして、「安全で安心、快適なまちづくり」を目指す、生活環境の整備関連事業につきまして、ご説明申し上げます。
 まずは、災害防止対策事業でございます。
 町では、住宅の倒壊から住民の生命・財産を守るため、国や県、関係団体と一体となり、木造住宅の耐震化プロジェクト「TOUKAI-0」を進めてまいりました。静岡県では、平成13年の耐震化補助金制度創設時から平成24年1月末までの耐震補強件数が14,733戸、率にして73パーセントという実績であるため、今後、平成27年度までに「耐震補強2万棟、90パーセントの補強率達成」をスローガンに掲げ、一層の事業の推進を図っていく計画です。町といたしましても、県の目標値に近づけるため、平成24年度は木造住宅耐震補強助成事業補助金の増額を行い、倒壊の危険性が高い木造住宅の耐震補強への積極的な推進を図りながら、事業の重要性を広く町民の皆様へ周知し、引き続き、減災対策として「TOUKAI―0」事業の推進に努めてまいります。
 次に、治水対策事業でございます。
 現在、住吉地区におきまして事業を進めております都市計画道路榛南幹線は、海岸幹線から二級河川坂口谷川を渡り牧之原市までの区間につきまして、昨年度から静岡県道路局事業により、水路工事や橋梁工事等の事業が着手されました。町でも県の施工にあわせ、平成24年度には樋門工事及び水路工事を実施する計画でございます。現在、県で施工しております榛南幹線の歩道内の水路終点から下流部に向けて、水路と樋門を設置し、坂口谷川に直接放流を行うことで、住吉西部地区付近の冠水被害を少しでも解消してまいりたいと考えております。
 次に、公共下水道事業でございます。
 まず、平成24年度の管渠整備につきましては、住吉地区において榛南幹線を中心に整備を進めるほか、認可区域を拡張した片岡地区につきましても新たに一部で工事を進める予定でございます。また、地震対策事業につきましては、浄化センターの沈砂池管理棟に耐震化工事を施工し、汚泥処理棟の耐震化設計を進めるほか、管渠の耐震化工事を避難地であります住吉小学校からの下流となる宮裏2号線及び宮裏線において施工する予定でございます。
 浄化センターにつきましては、供用開始から17年を経過することから、機器の計画的な更新による長寿命化計画を策定する予定でございます。また、災害時の避難場所として、浄化センターの屋上に登っていくための管理用の梯子に背かごを設置し、津波避難時に安全に避難できるよう対策を行ってまいります。
 次に、上水道事業でございます。
 まず、施設の整備といたしましては、水量比率の平準化や予備水源の確保を目的に、新水源の調査業務委託を計画しております。委託内容としましては、平成21年度に水質調査を実施した大幡地区の新水源候補地において、水の量をどれだけ採取することができるか調査を実施するものでございます。
 防災対策といたしましては、災害等緊急時の給水対策事業としまして、老朽化した第5水源の非常用発電機の取り替えを計画し、災害に備えてまいります。
 次に、老朽管の石綿管布設替工事につきましては、毎年計画的に実施しておりますが、平成24年度につきましても、牧之原市坂部の坂三農業センター西側の川原崎谷田線の約444メートル、片岡地内の旧水道課北側の約62メートルの石綿管を布設替えする予定でございます。また、石綿管以外の老朽管布設替は、神戸地内や片岡地内においてもそれぞれ布設替を実施する予定でおります。他事業に伴う水道管の布設及び布設替事業は、榛南幹線配水管布設工事を含め6本の布設工事及び布設替工事を計画しております。
 続きまして、「心豊かな人を育むまちづくり」を目指す、教育・文化・交流事業につきまして、ご説明申し上げます。
 はじめに、吉田中学校空調設備設置工事でございます。
 昨年は、新学習指導要領の全面実施に伴う授業時間数の増加による生徒の健康保持と授業時間中の集中力を持続させるための方策として、吉田中学校の普通教室27教室と特別支援学級3教室の計30教室に空調設備の設置を行い、教室内を適温に保つ環境を整えてまいりました。平成24年度は、さらに音楽室2教室に空調設備の設置を行い、昨年と同様に生徒の健康保持と集中力を持続させるための環境整備を図り、子どもたちの学力向上を目指してまいります。
 次に、吉田町学習ホールのトイレ改修工事につきまして、申し上げます。
 学習ホールは、昭和60年7月に竣工して以来、生涯学習の施設として年間約2万人の方々からご利用いただいている施設でございます。
しかし、学習ホールのトイレは和式であるため、この施設をご利用していただいた高齢者の方からは、足腰に不安があり、トイレの使い勝手が悪いとのご指摘をいただいております。そこで、財団法人静岡県市町村振興協会が実施する市町村振興事業の補助をいただきながら3年間をかけてユニバーサルデザインに配慮をしたトイレに改修し、高齢者をはじめ誰でもが使いやすい施設の環境を整えてまいりたいと考えております。
 次に、都市間交流事業でございます。
 平成22年度から進めております福岡県八女市との交流事業では、平成23年度に、「吉田の魅力創造委員会」の構成員の皆さま方が中心となって八女市の方々の訪問を受けるモニターツアーを実施しております。
この事業を通じ、ツアー参加者からは、当町の印象などについて忌憚のないご意見を承りましたので、この事業の最終年度となる平成24年度には、承りましたご意見と工夫を凝らしてモニターツアーを主催した実績とを踏まえながら引き続き計画に沿って事業を進めてまいりますが、この事業を契機に発足した「吉田の魅力創造委員会」の皆さま方には、町の活性化のために積極的な活動を行っていただいておりますので、当初予定した事業以外にも、様々な活動を展開していただけるのではないかと大いに期待しております。
 次に、大井川流域smileネット事業でございますが、只今、吉田中継局整備に向けて庁舎屋上へのアンテナ設置などを行っており、FM島田の放送電波を町内全域にお届けできる環境を整えているところでございます。目下、吉田中継局を3月29日に開局できるように事業全般の調整を進めておりますが、順調に調整できる運びとなれば、開局記念セレモニーに合わせて、島田市及びFM島田のそれぞれと災害時放送に係る協定を締結するとともに、島田市及びFM島田をはじめとする大井川流域smileネット会議体の皆さまも参加する中で、開局記念放送などを実施して、FM島田のコミュニティ放送が町内全域に開始されたことをピーアールしてまいりたいと考えております。
 この事業は、国の新しい公共の場づくりのためのモデル事業として実施しているものでありますので、平成24年度につきましては、大井川流域smileネット事業が平成25年度以降も継続され、FM島田を核とする平常時と非常時の情報ネットワークづくりの営みが、さらに大きく広がっていくよう事業定着に主眼を置いた展開を図ってまいりたいと考えております。
 次に、吉田町立コミュニティ広場整備事業でございます。
 空港の建設により予想される、周辺地域の生活環境等への様々な影響を軽減し、周辺地域の振興と生活の安定を図り、空港と地域の調和ある発展を図ることを目的として、平成7年度に、静岡空港隣接地域振興事業費補助金制度が創設されたことから、当町は、この県の補助制度の当町配分枠となった18億円の計画的かつ効果的な活用を図るために策定された吉田町空港隣接振興事業計画に基づき、これまでに、道路整備事業を始め、学校、集会所、図書館等の施設整備事業に取り組んでまいりました。目下、この計画に基づいて実施すべき事業は大井神社前公園整備事業の1件となっておりますが、大井神社前公園整備事業につきましては、北区第一騒音対策部会から、大井神社前町有地に多目的広場の造成等の要望書が提出されて計画に盛り込まれたものでございます。
この事業を進めるに当たりましては、自治会や北区騒音部会建設委員会等と施設の利用形態や施設規模等の話し合いを重ねてまいりましたが、その結果、町立の管理棟付きコミュニティ広場として整備することで合意するに至りました。
 今後、この合意に沿って、静岡空港隣接地域振興事業費補助金制度と、静岡空港共同利用施設整備事業費補助金制度を活用しながら整備を進める予定でおりますが、具体的な事業進捗としては、平成24年度に、コミュニティ広場の詳細設計を行いまして、平成26年度末までに、コミュニティ広場と管理棟の供用開始を目指してまいりたいと考えております。
 続きまして「自然と調和した、人にやさしいまちづくり」を目指す、都市基盤整備事業につきまして、ご説明申し上げます。
 はじめに、幹線道路整備事業でございます。
 都市計画道路榛南幹線、東名川尻幹線、中央幹線、住吉幹線、大幡川幹線の整備をさらに進め、特に榛南幹線と東名川尻幹線の整備につきましては、平成25年度を完成目標としまして、国や県の協力を得てこれまで以上に事業を推進してまいります。
 榛南幹線につきましては、住吉幹線から海岸幹線までの延長977メートル区間を静岡県都市局と町とで事業区間を定め、早期完成に向け同時に整備を進めております。県都市局の事業区間につきましては、今月下旬に住吉幹線との交差点部分から町道新田西の坪線との交差点部分、旧あやめ保育園付近までの延長622メートルを暫定2車線で供用を開始すると伺っております。榛南幹線は、主要地方道焼津榛原線のバイパスという位置付けもあり、交通渋滞の解消はもとより、津波防災まちづくりの観点からも避難路や緊急輸送路等としての重要な役割を担う主要な幹線ですので、町民の皆様にとりましても、早期完成への期待度は大きなものと感じております。
 一方、町の事業区間につきましても、地権者の皆様のご協力を得まして用地取得も順調に進んでいることから、平成24年度からは本格的に工事に着手する計画でございます。
 次に、東名川尻幹線の整備でございますが、町が事業主体として進めております町道高畑高島線から国道150号までの区間につきましても、引き続き整備を進めてまいります。また、これより北側部分の富士見幹線から国道150号までの区間につきましては、県道路局の事業区間として、主要地方道島田吉田線バイパスとして位置づけられ、今年度から一部道路工事に着手していただき、平成24年度も、引き続き用地取得を行うとともに道路整備を進めていくと伺っております。
 次に、川尻地内の中央幹線でございますが、今年度に地権者の方から用地取得についてのご協力が得られましたので、平成24年度には東名川尻幹線及び町道下片岡山通り線との交差点改良工事を実施する予定でございます。住吉幹線につきましては、今年度、測量業務委託を実施いたしましたので、平成24年度からは早期全区間開通に向けて、用地買収、物件補償、そして工事と順次着手してまいります。また、大幡川幹線の整備につきましては、川尻地内の横手橋から南側の整備を進めており、平成25年度には国道150号から南側区間の完成を目指しまして引き続き整備を進めてまいります。
 続きまして、生活道路の整備でございます。
昨年9月から整備を進めてまいりました町道愛宕前2号線が今月上旬をもって完成する運びとなり、3月26日に供用開始する予定でございます。これにより、役場付近と健康福祉センター「はあとふる」やさゆり保育園付近へのアクセスが容易になるなど利便性が向上し、町民の皆様により一層安全で優しい施設利用を提供できるものと考えております。また、町道舞台民附線や町道亀の尻線、町道日の出線等の道路拡幅事業につきましては、先ほども申し上げましたとおり津波防災事業の一つとして位置づけ、避難地へ一刻も早く避難できるように道路整備を行うもので、平成24年度から順次着手する予定でございます。
 次に、河川改修事業でございますが、平成20年度から改修を進めております準用河川大窪川につきましては、国道150号から上流部へ河川改修を進めてきており、平成24年度につきましても引き続き上流に向かい工事を実施する予定でございます。
 次に、東名高速道路を跨ぐ橋梁の補修事業でございます。
 国の交付金事業として、平成21年度に打音調査を行い、4橋の主桁下面にひび割れ等が確認され、今年度神戸前玉橋と神戸中原橋の補修工事を実施しております。平成24年度につきましても、東京方面に向かって残り2橋、北原西橋、北原東橋の補修工事を行う計画でございます。
 次に、吉田漁港の整備事業でございます。
 平成24年度の事業につきましては、昨年崩壊しました6号岸壁を改良するため、平成23年度の繰越分と平成24年度分で工事を実施してまいります。
 浚渫工事としましては、船舶の航行の安全性を確保するための航路・泊地浚渫を本年度も同様に実施してまいります。
 以上が、平成24年度を迎えるにあたり、安全・安心なまちづくりに向けての方針や概要並びに基本的姿勢でございます。
 先人たちから受け継がれた豊かで勢いのあるこの町を、これからも持続するためには、津波防災まちづくりを早急に完成することが必須でございます。
これまでの「福祉、子育て、健康づくり、教育、幹線道路整備」に配慮した施策展開を継続させるとともに、津波・防災対策を強力に推し進め、町民の皆様の安全・安心を確保し、企業活動をはじめとするあらゆる経済活動も停止させることなく、後人へ受け継いでいくことが私どもの使命と感じております。
 議員各位におかれましても格段のご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げ、施政方針といたします。