2010年3月2日 作成

平成22年第1回吉田町議会定例会(平成22年3月2日開会)町長の施政方針

 平成22年第1回吉田町議会定例会の開会に当たり、新年度に向けての施政方針並びに各種事業に関する運営方針等について申し上げます。
 さて、改めて申し上げるまでもなく、平成21年度は、世界的な経済不況の影響を受け、国内の景気も後退の一途をたどり、国も地方公共団体も、厳しい財政運営を強いられております。
 また、昨年行われた国政選挙において、政権政党が交代し、新たな政府は、「コンクリートから人へ」「新しい公共」「未来への責任」「地域主権」「経済成長と財政規律の両立」という5つの基本理念のもとに、予算編成過程を国民一人ひとりの問題として意識していただくことを目的に「事業仕分け」という手法を取り入れて、平成22年度予算を編成し、国民の関心を引いたことは記憶に新しいところであります。
 平成22年度予算とともに、「平成22年度地方公共団体の歳入歳出総額の見込額」、いわゆる「地方財政計画」が国会に提出されました。
 この計画では、個人所得の大幅な減少や企業収益の急激な悪化等により、地方税収入が大幅に落ち込む一方、社会保障関係費の自然増や公債費が高い水準で推移すること等により、地方公共団体は定員削減や人事院勧告の完全実施による給与関係費の減少を見込んでもなお、財源不足が過去最大の規模に拡大すると見込んでおります。
 そのため、地方交付税総額の1兆1,000億円の増額、公債費負担の軽減などにより、普通地方交付税の交付を受ける、いわゆる交付団体への影響を最小限に止めるための手厚い措置が盛り込まれておりますが、この措置により、当町のような財政力指数の高い不交付団体との処遇格差は、ますます広がってまいります。
 このような社会経済情勢の中、平成22年度吉田町一般会計当初予算の総額は、歳入歳出それぞれ86億7,000万円といたしました。
 前年度当初予算と比較いたしますと、1億300万円、約1.2パーセントの増となりましたが、これは、平成22年度に新設される「子ども手当」分3億5,953万円によるもので、この額を差し引いて比較いたしますと、約3.0パーセントの減となり、全体としては、厳しい環境を踏まえました堅実な予算となっております。
 それでは、歳入の特徴から申し上げます。
 当町の歳入の根幹をなす町税につきましては、52億5,830万円余と見込みましたが、前年度と比較しますと、約7パーセント減の3億9,509万円余の減収となります。
 そのうち、個人町民税につきましては、前年度比約16.2パーセント減の2億5,264万円余の減額を見込み、法人町民税につきましても、前年度比約27.7パーセント減の1億4,247万円余の減額を見込んでおります。
 固定資産税につきましても、家屋は、前年度比約7.1パーセントの増の約8,400万円の増額を、償却資産は、減価率を上回る設備投資が見込めないため、前年度比約7.9パーセント減の7,904万円余の減額を見込むなど、固定資産税全体では、前年度比約0.2パーセント増の31億344万円余を計上しております。
 加えて、町たばこ税につきましても、販売本数の減少を見込み、前年度比約9.4パーセント減の1億5,096万円余を計上しております。
 そして、その他の歳入の大きな減額項目といたしましては、前年度比約5.3パーセント減の1億700万円を見込んでいる地方譲与税を始め、約29.0パーセント減の1,350万円を見込んでいる利子割交付金、約3.3パーセント減の2億9,000万円を見込んでいる地方消費税交付金、16パーセント減の4,200万円を見込んでいる自動車取得税交付金、約21.3パーセント減の6,112万円余を見込んでいる地方特例交付金などがございます。
 また、地方交付税の特別交付税につきましては、当町は、平成22年度において、普通地方交付税における臨時財政対策債振替前の収入不足団体になると見込まれるため、普通地方交付税算定後に生じた特別な財政需要などに充てることができる交付額が増加すると見込み、1億円を計上しております。
 このように、景気後退の影響を受け、町税等の税収は大幅な減収を見込んでおりますが、身近な行政サービスの低下を招かないようにするため、財政調整基金を取り崩して一般財源を補うほか、減債基金を取り崩して公債費に充当するとともに、「暮らしやすく、人と環境にやさしい施設」を基本理念とした、総合障害者自立支援施設の建設財源として地域福祉基金を取り崩すなど、既存財源を有効に活用することにより、歳入を確保することといたしました。
 次に、歳出でございますが、特徴といたしましては、「福祉、子育て、健康づくり、教育」に配慮した予算編成といたしました。
 事業展開の構想を交えながら申し述べさせていただきます。
 まず、昨年10月に着工いたしました「総合障害者自立支援施設の建設工事」でございますが、22年度分といたしまして、2億2,290万円余を計上いたしております。
 現在、工事は順調に進捗しており、3月末には外壁コンクリートの打設が完了し、その後、屋根や内装工事、電気・空調設備機器等の設置工事、そして外構整備工事を順次行い、8月の完成に向け計画的に工事を進めてまいります。
 また、より多くの町民の皆様に本施設の存在と意義を知っていただき、親しんでいただくと同時に、障害者相互の理解を深め、障害者と地域住民との交流と共生の輪を広めることを目的に、現在、本施設の愛称を募集しているところであります。
 次に、子育て支援の新たな事業として「子ども手当」が創設されますが、これは、国が「コンクリートから人へ」の理念のもとに、次代の社会を担う子どもの育ちを支援するためのもので、当町においても、事業費といたしまして、6億6,203万円余を計上いたしております。
 子ども手当は、中学校終了までの子ども一人につき、月額1万3,000円を支給するもので、この中には、児童手当も含んだ金額となっております。
平成22年度の児童手当分に限って、児童福祉法に基づき、国、地方、事業主が応分の額を負担し、それ以外については、全額国が負担するというものです。
 子ども手当の支給事務を、円滑に実施するための体制整備が急がれております。
 他方、仕事と子育ての両立を支援するための重要な役割を担っている事業として、放課後児童クラブ事業があります。
 共働きの一般化、地域の子育て機能の変化等により、児童を取り巻く環境が大きく変革し、児童をめぐる問題が多様化していく中で、質の高い子育て支援の対策として、放課後児童クラブが果たす役割は、たいへん大きく、意義深いものと考えております。
 当事業は、平成15年度に39人の利用で始まった事業ですが、利用人数は毎年増え続け、今年度は、190人が利用し、平成22年度の利用の申し込みは、現在202人で、さらに増加が見込まれております。
 特に、中央小学校区においては、今年度86人の児童が利用しておりますが、国が示す「放課後児童クラブガイドライン」では、1クラブ当たりの人数は最大70人とされており、これに沿った補助事業としての適正な人数とするため、現クラブを分割する方策の検討が急務となっております。
 そのため、現在、旧さゆり保育園跡地に建設中の総合障害者自立支援施設が完成しますと、「さくら作業所」の機能がこの施設へ移行するため、さくら作業所の改修を行い、中央小学校区の放課後児童クラブ室として活用することを考えております。
 吉田町総合障害者自立支援施設の開所予定の平成22年10月に合わせ、町内4クラブ体制で、放課後児童クラブ事業の運営をしていくことを計画してまいります。
 今後も児童の受入れについては、可能な限り、入所希望に応ずる方向で、働く親を持つ児童の放課後及び学校長期休業期間中の生活の場を確保するとともに、親が安心して働ける環境づくりの一つの方策として、積極的に事業を展開してまいります。
 以上、福祉、子育て支援事業について申し上げましたが、昨年度と比較いたしますと、民生費は約31.8パーセント増の23億2,037万円余となっております。
 次に、健康づくり事業について、申し上げます。
 町民の皆様、誰もが健やかに暮らせる社会を実現するために、様々な事業を実施しておりますが、主な事業の一つにがん検診がございます。
 死亡原因第1位の悪性新生物のうち、女性の大腸がん、乳がんが上位を占めているのが現状であります。早期発見、早期治療を行えば治る病ですので、検診の大切さを町民の皆様に認識していただくとともに、子宮頚がん・乳がん・大腸がん検診につきましては、前回検診受診者と節目の年齢になる方に通知する従来の方法から、対象者全員に受診券を送付する方法に変えて、受診率を現状の30パーセントから国の目標である50パーセント達成を目指してまいります。
 これらの健康増進事業費は、5,107万円余、前年度に比べ83.9パーセントと大幅な伸びとなっております。
 次に、絵本を通した育児支援といたしまして、親と子が絵本を介して向き合い、絵本に親しみ、暖かく楽しい時間を過ごすことができる環境づくりとして、新たに「ブックスタート」事業の実施を予定しております。
 この事業は、平成22年4月以降に生まれた吉田町在住の赤ちゃんに絵本をプレゼントするとともに、読み聞かせることの大切さなどに対する理解を深めるとともに、実践に結び付けようとするものであります。
 次に、吉田町オリジナルダンスを活用した健康づくり事業として、昨年度に引き続き、吉田町ダンス健康づくり推進委員の方々を中心に「ダンスで健康 ストレス解消!」の合言葉のもと、ダンス講習会の開催を予定しております。
 また、新たに、5月と6月の2か月間、吉田町オリジナルダンス「ヤーレコのSAY!」の初心者向けのダンス講習会を計画し、多くの町民の皆様の健康づくり増進に努めてまいりたいと考えております。
 さらに、昨年実施し、大変な盛り上がりを見せました「パフォーマンス発表会」を「笑っしょい よしだ フェスティバル」と名称変更し、平成22年度においても開催を予定しております。
 健康づくり事業の一環として行われるこの「笑っしょい よしだ フェスティバル」は、吉田町オリジナルダンスを健康づくりの中心に位置づけ、「ヤーレコのSAY!」を通して、老若男女を問わず、町民の皆様の健康増進を目的としておりますが、会場内を笑顔いっぱいにすることが、参加者全員の心身の健康づくりに役立つものと受け止めております。
 また、オリジナルダンスをはじめとする健康づくり事業費として、1,729万円余を計上しておりますが、地域のコミュニティづくりの一役を担うものとして、更なる普及に努めてまいる所存でございます。
 健康づくり事業について述べてまいりましたが、平成21年度において、議員の皆様に度重なる補正予算審議をお願いし、お認めいただいた、榛原総合病院への財政支援につきましては、病院事業が指定管理者へ移行することによりまして負担金が平成21年度と比べ、約38.6パーセント減の4億8,802万円余の計上となりました。
 次に、健康づくり関連事業として、高齢者介護予防について、申し上げます。
 高齢化は、極めて急速に進行し、5年後の平成27年には4人に1人が高齢者という超高齢社会が到来することが予測されております。
 このような中、吉田町における高齢化率は、平成22年2月1日現在、19.31パーセント、65歳以上の高齢者人口は、5,903人となりました。
 県内37市町の中で、6番目に高齢化率の低い当町でございますが、年々高齢化が進んでおり、町民5人に1人が高齢者という状況に近づいてきております。
 高齢化対策の一つとして、高齢者の介護予防があげられます。
 介護予防意識の定着した健康長寿の町であれば、高齢化による様々な社会的影響を最小限にとどめることができると言っても過言ではありません。
 介護予防事業における介護予防健診の受診者数は、毎年増加傾向にあり、健診の結果、介護が必要となる可能性の高い方、すなわち特定高齢者となった方は、平成21年度は317人で、平成20年度の232人を大きく上回っております。
 そのため、特定高齢者となった方に対する介護予防事業である、運動機能向上や栄養改善などを推進する体制を強化し、これらの事業を積極的に展開していくことで、多くの方の、心身機能の低下を食い止め、介護を必要としない健康状態を維持できるよう事業を行ってまいります。
 また、65歳以上の高齢者を対象に、総合相談・支援を行う吉田町地域包括支援センターにおいても、介護予防ケアマネジメント事業の更なる充実に努め、高齢者の皆様が元気で住み慣れた町で、健康で生き生きと暮らしていただけるよう努めてまいります。
 次に、国民健康保険事業について、申し上げます。
 当町の国民健康保険被保険者数は、平成20年10月ごろから失業等により、社会保険からの離脱者の加入が増加しており、景気の動向からも、しばらくはこの傾向が続くものと考えられます。
 このような状況下においては、被保険者の所得の上昇を見込むことは難しく、国民健康保険税収入の十分な確保は厳しい状況が続くことが考えられます。
 また、療養給付費や高額療養費等の医療費は大幅に増加しており、これらも引き続き増加傾向で推移するものと見込んでおります。
 平成22年度国民健康保険事業当初予算は、歳出では保険給付費の増加、歳入では保険税収入の減収が見込まれることを踏まえまして、不足分につきましては、国民健康保険給付等支払準備基金からの繰入で対応してまいりたいと考えております。
 基金の保有高につきましては、過去3か年の保険給付費等の平均年額の25パーセントを有することが国保財政の安定化につながるとされており、これを目標数値にしてまいりましたが、医療費の急増により、財源措置が難しいことから、基金からの繰入を予定しているところございます。
 国民健康保険事業が相互扶助で成り立っている制度であることを念頭に据え、今後は、さらに保険税の収納率の向上と医療費の抑制を図り、国保の財政運営の安定化と健全化を図っていく所存でございます。
 次に、教育関係について、申し上げます。
 平成21年度からの2か年事業である「ちいさな理科館」の平成22年度事業費として、6,729万円余を計上しております。
 「ちいさな理科館」の完成予定は、本年6月末で、8月7日には、オープニングセレモニーといたしまして、名誉館長にご就任をお願いしております、元文部科学大臣の有馬朗人先生をお招きし、理科の実験を行っていただく予定であります。
 開館後は、週末や学校の長期休業期間を中心に、自然観察や実験を行い、子どもたちの自然科学に対する興味や関心を喚起し、また、夢と刺激を与えられるような教育環境づくりを行ってまいります。
 続きまして、学校図書館事業について、申し上げます。
 読書活動は、子どもたちが言葉を学び、感性を磨き、人生を豊かに生きていく上で欠くことのできないものであります。
 当町では、平成16年度から3年間、国の指定を受けまして、学校相互の資料の共同利用及び教育実践の共有化、また、町立図書館との連携による教育活動の充実に取り組んでまいりました。
 さらに、平成22年度においては、学校における子どもたちの読書活動を支援するため、従来の児童・生徒1人あたり1,000円の図書費を、近隣においてもトップクラスとなる、児童1人あたり1,500円、生徒1人あたり2,500円と大幅に増額し、学校図書館の一層の充実を図ってまいる所存でございます。
 次に、図書館について、申し上げます。
 図書館は、開館以来、多くの町民の皆様に利用されておりますが、一方で、図書館を利用したくても、高齢や障害などの理由で、来館が困難な方々がおられることも認識しております。
 平成22年度は、通常の図書館サービスが受けられない方々へ、図書の貸し出しを行う「アウトリーチサービス」事業を推進してまいりたいと考えております。
 この事業は、すでに一部で試行実施しておりますが、その一例として、町内の介護福祉施設への団体貸出サービスがあげられます。お年寄りの希望にあった本を施設にお届けし、利用者の皆様には大変喜ばれております。
将来的には、個人のお宅への宅配サービス等も視野に入れていきたいと考えております。
 これまでの「待ち」の姿勢から意識を転換させ、図書館側から積極的に働きかけ、新しい利用者を開拓し、より多くの町民の皆様のために役に立つ図書館を目標として取り組んでまいります。
 続きまして、安全安心なまちづくりを進める事業であります、吉田漁港津波・高潮防災ステーションの整備について、申し上げます。
 本事業は、平成17年度から国と県の補助を受け、津波・高潮危機管理対策緊急事業として進めてまいりました。
 陸閘と大幡川水門の一元的な遠隔操作・制御を実現することで、予想される東海地震による津波や台風による高潮から漁港付近にお住まいの皆様の生命と財産を守ることができます。
平成21年度をもって補助事業である津波・高潮防災ステーション整備事業は完了する見込みでございますが、今後は、津波・高潮防災ステーションの適切な運用のために、迅速かつ正確な操作方法などの訓練を実施するとともに、機器類等が常に正常稼働できるよう、保守点検、維持管理に努めてまいります。
 また、この津波・高潮防災ステーション事業として実施できなかった防潮堤への非常用階段、第2、第4、第6陸閘の非常用階段の手すり、第1陸閘から第6陸閘の非常用階段の照明設置工事につきましては、今後整備してまいります。
 次に、吉田漁港の整備について、申し上げます。
 吉田漁港につきましては、漁業関係者の安全な職場環境の確保や漁業経営の安定化、沿岸漁業及び地域振興の活性化を図るため、平成13年度から国や県の補助を受けながら、整備を進めているところでございます。
 湯日川河口の河川護岸が築造から約40年を経過し、腐食による耐力低下が懸念されているため、昨年度より補修・補強対策のための改良工事を行っており、平成22年度につきましても、引き続き事業を実施してまいります。
 また、船舶の航行の安全性を確保するための航路浚渫、泊地浚渫も実施してまいります。これらの水産基盤整備事業及び小規模局部改良事業といたしまして、7,110万円の事業費を計上しております。
 次に、都市基盤整備関連事業について、申し上げます。
 はじめに、都市計画道路榛南幹線でございますが、住吉幹線から町道中臨港線までの区間につきましては、平成15年から暫定2車線で供用開始し、現在、その両端で整備を進めております。
 住吉幹線から海岸幹線までの区間につきましては、静岡県都市局の事業区間620メートルと町の事業区間の360メートルに区分けし、整備を進めております。県の事業区におきましては、地権者の皆様のご理解により一部の用地を残すだけとなり、現在、住吉幹線側から水路付け替え及び道路工を実施しております。
 町の事業区間につきましては、平成21年度までに65パーセントの用地取得を行い、平成22年度も地権者の皆様のご理解をいただいた上で、引き続き用地取得を進めてまいります。
 また、県道路局の事業となる海岸幹線から二級河川坂口谷川を渡り、牧之原市までの区間につきましては、現在、吉田町側の地権者の皆様のうち43パーセントの方と契約を締結することができました。平成22年度には残りの用地の取得に努め、平成23年度から坂口谷川の橋梁工事に着手していく計画であります。
 榛南幹線につきましては、県都市局と道路局が様々な補助金等を利用しながら、早期完成を目指しております。
 次に、都市計画道路東名川尻幹線の整備でございますが、東名吉田インターチェンジから国道150号までの区間につきましては、平成20年度に第1工区である東名吉田インターチェンジから吉田大東線までの区間が開通いたしました。第3工区である富士見幹線から国道150号までの区間につきましては、平成22年度に残りの用地取得を目指し、平成23年度から道路工事に着手する計画でございます。
 なお、国道150号から南側につきましては、町が事業主体となり整備を進めているところでございますが、平成22年度は町道高畑高島線との交差点改良及び道路舗装工事を計画しております。
 都市計画道路中央幹線につきましては、平成22年度に道路舗装工事及び東名川尻幹線との交差点部分の用地取得を計画しており、都市計画道路大幡川幹線につきましては、平成22年度も引き続き道路工事及び用地取得を計画しております。
 以上、幹線道路整備事業費といたしまして、2億5,210万円を計上し、計画的に整備を進めてまいります。
 続きまして、生活道路の整備でございますが、平成21年度から新規事業として進めております町道西の坪大浜5号線につきましては、地権者の皆様のご理解とご協力により本年度63パーセントの用地を取得することができ、平成22年度も引き続き地権者の皆様のご理解をいただいてまいるとともに、一部工事に着手する計画であります。事業費といたしまして、1,030万円を計上しております
 また、新規事業といたしまして、愛宕前2号線を計画しており、事業費1,880万円を計上し、平成22年度は、測量調査を行い、用地の取得を進めてまいります。
 各地域の生活道路の整備につきましては、町民の皆様から数多くの要望が寄せられ、日常生活における不便さなどを解消するためにも、順次整備を進めてまいる所存でございます。
 続きまして、河川改修でございますが、準用河川大窪川の整備につきましては、下流から国道150号までの改修はすでに完了しており、平成20年度からは、国道150号から上流の改修を進めており、平成22年度も引き続き上流に向けて改修してまいります。
 次に、榛南広域営農団地農道整備事業でございますが、この事業は榛南地域における広域農道で、静岡県志太榛原農林事務所が事業主体となり整備を進めており、当町も事業費の一部を負担しております。平成22年度は、県道交差点改良工事などを含め1,655万円を計上し、平成24年度の開通を目指し整備してまいります。
 次に、公共下水道事業について、申し上げます。
 現在の地域再生計画では、下水道事業と浄化槽事業を合わせた汚水処理人口普及率を61.5パーセントに向上させるという目標を掲げており、計画最終年度に当たる平成22年度には、目標達成に向けて整備を進めてまいります。
 平成22年度の管渠整備につきましては、汚水処理施設整備交付金を活用して、住吉上組地区と川尻西向地区を中心に、管渠延長で約2.5キロメートル、面積で約10ヘクタールを整備し、また、地震対策下水道事業費補助金を活用して、既存の管渠の耐震化と、避難地へのマンホールトイレの設置を進める計画であります。
 次に、上水道事業について、申し上げます。
 町では、水道利用者の皆様に、安定した水の供給を推進するため、平成22年度においても、老朽管の布設替え、他事業に伴う水道管の布設及び布設替え工事を計画しております。
 まず、平成22年度の老朽管布設替事業としましては、牧之原市坂部の宮前線配水管布設替工事、町営住宅住吉団地付近の浜河原3号線外1路線配水管布設替工事の計2本、約491メートルの石綿管を布設替えする計画でございます。
 その他に、水道管布設事業としまして2本の事業、他事業に伴う水道管の布設及び布設替え工事も予定しております。
 次に、町民の皆様の安全安心を守る防犯対策について、申し上げます。
 地域から犯罪を減らすために、警察活動に頼るだけでなく、町民の皆様一人ひとりが防犯意識を高め、犯罪に遭わないよう行動することが重要であります。
 当町では、「吉田町防犯まちづくり条例」を制定し、平成19年4月1日から施行いたしております。
 地域との連携を深め、お互いが見守り合い、助け合う力を取り戻し、犯罪の起きにくい防犯まちづくりに積極的に取り組むことが必要と考えます。
 また、平成20年12月の吉田町防犯まちづくり推進協議会において、毎月15日を「防犯の日」と定め、町全体に防犯の意識づけを推進しているところであります。
 こうした中、町内では平成21年中に自転車盗が56件発生しております。これは、町内で発生した刑法犯認知件数の2割を占めている状況であり、自転車盗の抑止が、街頭犯罪を抑止する上で重要な課題と受け止めております。
 現在、警察、町、自治会等と協働した防犯キャンペーンや防犯講話や緊急雇用創出事業による駐輪場などの防犯指導を実施しているところでありますが、犯罪の抑止には、パトロール活動の強化や地域安全活動の強化に加え、犯罪の被害に遭いにくい、安全で安心な環境づくりも重要であります。
 このような防犯対策の一環として、平成22年度には「防犯カメラ設置事業」を実施し、犯罪者に犯罪の機会を与えない環境づくりと、犯罪の被害に遭いにくい環境づくりを総合的に整備していきたいと考えております。
 次に、吉田町の将来像を目指した第4次吉田町総合計画でございますが、前期基本計画が平成22年度をもって終了することにより、第4次吉田町総合計画後期基本計画の策定をいたします。
 吉田町第4次総合計画は、「人と人、心やすらぎ 健康で住みやすい町 吉田町」を将来像として、平成18年3月にスタートし、その中で平成22年度までの5か年の前期基本計画を定め、行政と町民が一体となってまちづくりに取り組んできたところでございます。
 この間、少子高齢化のさらなる進展、地方分権への対応、経済情勢の急速な悪化など、当町をとりまく状況が予想以上に変化する中で、こうした状況に柔軟に対応しながら前期基本計画に沿って事業を進めてまいりました。
 さらに、景気の低迷を反映して税収は伸び悩んでいるうえ、榛原総合病院への度重なる財政支援などで、当町の財政環境は今まで以上に厳しくなっております。
 このような中、平成23年度から平成27年度までの5か年を期間する後期基本計画を本年度、策定いたします。
 当町を取り巻く、時代の変化や町民のニーズを十分に踏まえたうえで、基本構想の理念を継承しながら、総合計画全体の方向性や個別施策のあり方について再検討し、計画策定後は、吉田町第4次総合計画の将来像の実現を目指したまちづくりの推進を図ってまいりたいと考えております。
 また、吉田町男女共同参画プランにつきましても、新たに平成23年度から向こう5年間のプランを策定いたします。
 計画の趣旨にもございますように、男女共同参画社会の実現に向けて、更に女性の社会参加を実践していかなければなりません。計画づくりと相俟って、実践を伴うような計画づくりを行っていく必要があると考えます。
 今後は、学校・職場・家庭・地域といったあらゆる分野において女性が活躍している、女性がいきいきと生活しているモデル的なまちを目指して、新たに作成したプランに沿って事業を進めてまいりたいと考えております。
 次に、本年度一年を通して実施してまいりました、町制施行60周年記念事業について、申し上げます。
 町では、町制施行60周年を記念し、先人たちの業績に感謝するとともに、未来に向けて吉田町の更なる発展を喚起することを目的として、全庁を挙げて各種の記念事業を行ってまいりました。
 これら記念事業を振り返ってみますと、まず、オープニングイベントとして4月に開催した「吉田町みどりのオアシスまつり」では、町内の保育園や幼稚園の園児とその御家族が、花の種のついた風船を空に飛ばす「バルーンリリース」を実施してメモリアルイベントを盛り上げてくださいました。
 続いて、6月には「吉田町凧揚げ大会」と、事業費総額2億円となる「プレミアム商品券発行事業」、8月には「吉田町港まつり花火大会」、10月には「吉田町町制施行60周年記念式典」、「記念コンサート」、吉田町文化祭「芸能祭」と「文化展」、11月には「小山城まつり」、1月には「吉田町駅伝大会」、最後の記念事業として今年1月に行った「NHK公開録音 上方演芸会」と全部で11の記念事業を実施してまいりました。
 お陰をもちまして、実施いたしましたイベント全体として、延べ81,000人の方々に御来場いただき、還暦の節目を迎えた吉田町を町民の皆様とともに盛大にお祝いすることができ、この町制施行60周年記念事業を通じて「人と人、心やすらぎ健康で住みやすいまち吉田町」の実現に向けて前進できましたのも、議員各位並びに町民の皆様方のご理解とご協力の賜物と心から感謝を申し上げるとともに、町民の皆様方が引き続き「吉田町のあした」に夢を持ち続けることができる「まちづくり」を進めてまいりたいと考えております。
 昨年は、町政を取り巻く環境が大きく変化した年でありました。
 富士山静岡空港が開港しまして、人と人との交流や物の流れが大きく変化した一年でもありました。
 そのような動きの中で、町内において大規模イベント事業を実施する民間の企業又は団体に対しまして、「吉田カムカム補助金」と銘打ち「地域活性化大規模イベント事業補助金」を交付する新たな制度の創設を平成22年度に予定しております。
 「2万人以上の会場入場者数又は2万人以上の来町者を確実に見込むことができるイベントであること」や「吉田町を宣伝する取り組みを実施する内容を含むイベントであること」などの全ての要件に該当する事業を対象に補助金を交付するものであります。
 大規模イベント事業を、吉田町に関する情報を多くの地域の方々に発信し、吉田町の宣伝に寄与する場と位置付け、町の活性化につなげてまいりたいと考えて、200万円の事業費を計上しております。
 さて、町民の皆様の命を守る二次救急の最後の砦でもあります榛原総合病院の存続を巡り、町民の皆様には多大な不安やご不便をおかけいたしました。
本日、組合管理者である牧之原市長から榛原総合病院の体制について、ようやく町民の皆様への説明が行われることとなりました。
 町民の命を守るという確固たる信念のもと、大変厳しい局面ながらも持ちこたえることができ、本日を迎えることができましたことは、何物にも代えがたい喜びでございます。
 榛原総合病院が、地域の基幹病院としての機能を取り戻していくことが、一番の使命であると考えますので、院長をはじめ、病院職員の方々、また、指定管理者として運営を行っていただきます徳洲会のスタッフの方々を、吉田町として今後とも見守り、支援してまいりたいと存じます。
 町民の皆様方が将来にわたり、真の幸せを実感できるまちづくりや施策を、全力で進めてまいる所存でございますので、議員各位におかれましても、ご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げ、平成22年度に向けての施政方針といたします。