2007年9月4日 作成

平成19年第3回吉田町議会定例会(平成19年9月4日開会) 行政報告

 平成19年第3回吉田町議会定例会の開会に当たりまして、町政運営の概況等についてご報告申し上げます。
 さて、皆様方ご承知のとおり、我が国では、国の運営そのものが大きな変革期を迎えており、あらゆる点から変革を遂げなければならない時代にあります。
 7月4日、財務省が発表いたしました2006年度の一般会計決算概要によりますと、税収は49兆691億円にとどまり、補正後の予算を1兆4,000億円下回ったと報じております。また、国の借金は、2006年度末で834兆円に達しており、歳出削減について継続的に取り組むとともに、安定財源を確保する必要があると述べております。国の借金の多さについては、以前ほど声高に伝えられないようになっておりますが、状況が好転したわけでもなく、依然として大幅な歳出削減を行うなどの厳しい対応を余儀なくされている状況にあります。
 只今のところ、当町の財政は恵まれた状況にあり、町民の皆様方に提供する行政サービスの質も量も他市町に優ることはあっても劣ることはないと自負しておりますが、これまで以上に国が進める改革の動きを注視しながら、引き続き、より良い行財政運営に努め、町民の皆様方が「住んで良かった」と実感できるまちづくりを進めてまいります。
 そのためには、まず、行政運営の透明性を向上させるとともに、行財政運営の効率性を高めなければなりません。その上で、強固な基盤を構築し、町民の皆様方が満足感を得ることができるサービスを提供することが、行政運営の基本であると考えております。目下、これを現実のものとするための取り組みを進めているところでありますが、特に公共工事の請負業者を決定する入札の客観的透明性の向上に力を入れていることはご承知のとおりでございます。その結果、落札率が低下し、財政運営の弾力性が増してまいりました。さらに、町の財政を圧迫している中山三星建材株式会社工場跡地の売却が早期に実現するよう努力しているところであります。また、実質公債費比率でありますが、昨年、平成17年度決算ベースで21.6パーセントとなり、当町は、県下で最も高い比率にあると報じられましたが、平成18年度決算ベースにおける実質公債費比率を試算したところ、19年度の当町での試算によりますと、0.5ポイント下がり21.1パーセントになりますので、県下での最も高い比率の自治体という評価から脱却できるものと推測しております。
それでは、当町の平成19年度の事業進捗のうち、最初に、入札及び契約制度の見直しについて、ご報告申し上げます。
 本年度から2年間でさらに見直しを進めることとしております契約制度でありますが、当面の見直しは、本年3月14日に「入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律」と名称が改められて施行されることとなった、いわゆる「官製談合防止法」を重く受け止めるとともに、他の関係法令についても強く意識しながら、不正な力の介入を阻止できる透明感のある制度を構築することに主眼をおいて進めることといたしました。
 見直し作業は、実務を担当する職員で構成するプロジェクトチームで十分に検討を行い、目的を達成するために最も効果的な手続きを採用することといたしました。その成果として、既成概念を取り払い、入札に関する手続きなどを定めている6つの要綱や要領などを改正し、6月20日から新たな制度のもとで入札等を実施するようにいたしました。
 具体的な改正内容は、過日の行政報告会で議員各位にご説明申し上げたとおりでありますが、建設工事においては、通常の指名競争入札の方法を全廃するという極めて独想定な考え方を具現化し、業者選定課程における発注者側の恣意性がシステム的に排除される事務処理を確立いたしました。また、入札結果などにつきましては、町のホームページに掲載して公表することとしたほか、全ての案件について予定価格を公表するようにいたしました。さらに、業務委託などにおける指名競争入札の場合の指名業者の選定理由につきましても町のホームページに掲載することといたしました。
 平成15年度以降、町が発注する工事の請負業者をガラス張りの中で決定することをシステム化したいと念じ、その努力を続けてまいりましたが、ここに至って、この取り組みが飛躍的に進むことになったと自負しております。
 今後、業務委託などにおける業者決定の方法、随意契約を行う場合の透明性の確保、普通財産の管理及び売り払いに関する統一的なルールづくりなど多様な課題に堅実に取り組み、町民の皆様方が町の契約に関する事務処理内容を容易に監視できる環境を整備し、より一層透明性を実感できる町政運営を行ってまいりたいと考えております。
 次に、中山三星建材株式会社工場跡地の売却に関する状況について、ご報告申し上げます。
 議員各位もご承知のとおり、この用地につきましては、財政基盤の強化を図るために活用することが、町民の皆様方にいち早く利益還元できる最良の道であると考え、売却する方針を決定し、その方針に従って事務処理を進めており、その一環として、7月27日には、内部組織である「中山三星建材株式会社工場跡地売却先選定審査委員会」を開催し、売却する物件や条件などの確認を行うとともに、ホームページに掲載する情報の検討などを実施したほか、応募要領の配付期間を8月1日から8月31日までと定め、申込みの受付期間を9月7日までとすることを決定いたしました。最終的に、売却する用地の面積は、62,224.24平方メートルとなり、土地とともに購入した建屋や構築物などを含め、一括売却を目指すことといたしました。
 また、応募があった場合の審査基準についても、この審査委員会で協議して決定いたしましたが、用地売却は、企業誘致を図るためのものですので、1点目に製造業であること、2点目に公害の発生の恐れがないこと、3点目に地元雇用があること、4点目に予定価格以上であることを全て満足している申し込みの中から最も良い購入希望価格を提示した申込者を売却相手と決定することとしております。
 この用地の売却を実現するには、いくつもの積み残された課題をクリアしなければならず、これが、町民の皆様方への利益還元を遅らせる原因ともなっておりますが、これまで、土壌調査、道路用地の分筆、全体の測量、不動産鑑定、PCBを含む絶緑油が入っている変圧器の移設の準備などを手掛け、ようやく売却に向けて公募することができるようになりましたので、この土地の売却益をもって起債の繰上償還を実現できれば、義務的経費に充当する財源も減り、一層弾力的な財政運営が可能になることは間違いないと考えておりますので、私のマニュフェストに掲げましたとおり、早期に売却を実現したいと考えております。
 次に、子育て支援事業について、ご報告申し上げます。
 まず、放課後児童クラブについてでありますが、放課後児童クラブは、平成13年度から事業を開始し、開設当初は、中央児童館内の放課後児童クラブ室や民家を利用し実施してまいりましたが、住吉と自彊小学校区における放課後児童クラブ室については、学校敷地内に整備を進めることとし、平成17年度から事業に着手いたしました。そして平成18年度には住吉小学校区放課後児童クラブ室が完成し、先月25日には自彊小学校区放課後児童クラブ室が完成いたしました。
 これにより、3つの小学校区のすべてに専用施設の設置を終えましたので、今議会に、3つの放課後児童クラブ室を設置する条例の制定議案を上程させていただいております。
専用施設を設置することにより、当町の子育て支援サービスは充実してまいりましたが、一層利用しやすい施設とすることを目指して、7月から保護者の迎えの時間を保育園と同じ午後6時30分までに延長いたしました。また、この夏休みには、5月に小学校4年生の保護者を対象として実施したアンケート調査の結果に基づき、長期の学校休業日における小学校4年生の生活の安全と保護者が安心して働ける環境を整える目的をもって「小学校4年生夏休み放課後児童クラブ」を試行いたしました。
 今後とも、働く保護者の子育て支援の充実のために鋭意努力してまいります。
 また、親に対する子育てのアドバイスを行うために、わかば保育園に設置した「地域子育て支援センター」につきましても、専任の専門職員を配置し、6月1日から事業を開始いたしましたところ、多くの親子が集い、育児不安の解消を図るなか、親同士が自由に情報交換を行う場として利用されております。
次に、地域と連携し、社会教育として行っている子育て支援事業の「吉田町チャレンジ教室」と「子どもをはぐくむ地域教育推進事業」について、ご報告申し上げます。
「吉田町チャレンジ教室」は、土曜日を中心とした学校休業日に小学生を対象に開催しております。この教室の目的は、自分の趣味や興味のあることにチャレンジし、地域の人々や自然とのふれ合いを通して、心豊かでたくましい子を育むことであります。教室は、毎年度6月から翌年3月までの間、毎月1回、土曜日又は日曜日に開催しております。本年度は、18の教室に延べ331人の小学生が登録し、地元の方々32人が講師を務める中、新しい友達と楽しいひとときを過しております。
そして、「子どもをはぐくむ地域教育推進事業」いわゆる「コンソーシアム」ですが、川尻区と北区の2地区で行われており、地域ボランティアなどを中心に昔の遊びや自然体験などを行いながら、子どもたちの安全な居場所づくりを進めております。 
次に、高齢者に元気を保っていただくための肺炎球菌予防接種について、ご報告申し上げます。
 肺炎は、日本においては第4番目の死亡原因となっており、肺炎を起こす細菌の主なものが肺炎球菌であります。
 高齢になればなるほど病原菌に対する抵抗力は低下することから、高齢者は肺炎球菌に感染し、肺炎を発症する危険性が高くなります。この肺炎球菌による肺炎を予防するためには、予防接種が有効であるといわれております。高齢者の肺炎球菌による感染症を予防することで、高齢期の健康的な生活の維持を図るため、肺炎球菌予防接種事業を実施することといたしました。接種対象者は、70歳以上又は在宅酸素療法を受けている町民の方々とし、接種回数は、1人につき1回限り、予防接種に要する費用を全額公費負担といたしました。予防接種の実施にあたっては、8月27日から8月31日までの5日間、町内各地区を巡回し、事業内容の説明、助成券の申請受付と交付を行いました。9月から12月10日までの間は健康づくり課で助成券の申請受付と交付を行うこととしております。
 なお、予防接種期間は、9月1日から12月28日までとし、予防接種実施医療機関につきましては、町内の委託医療機関及び榛原総合病院になっております。
 続きまして、高齢者の実態に関する調査の実施について、ご報告申しあげます。
 高齢者保健福祉事業及び介護保険事業についてでありますが、本年度は、平成21年度から23年度までの「吉田町第5期高齢者保健福祉計画及び吉田町第4期介護保険事業計画」を策定する時期にあたりますので、そのための基礎資料となる「高齢者の実態に関する調査」を計画しております。調査については、高齢者一般調査と介護保険サービスに関する調査の2種類を予定しており、対象者は、町内にお住まいの介護認定を受けていない一般高齢者の方と自宅で生活している要支援及び要介護認定者の方にご協力いただきたいと考えております。
 内容につきましては、高齢者の生活実態や地域の福祉に対する意向や現状等、高齢者をめぐる動向を把握するもので、高齢者一般調査としては、健康づくり、介護予防に関する意識、生きがい活動、社会参加の状況、外出支援の需要等について、また、介護保険サービスに関する調査では、介護サービス利用者の満足度、満足できない理由を調査するなか、サービスの利用に関する意向等も調査させていただきます。
 次に、「吉田町指導者のための動きのトレーニングセミナー」についてでございますが、8月17日から19日の3日間、中央公民館で町内のスポーツ指導者等を対象にトレーニングセミナーを開催いたしました。セミナーには、延べ300人が参加され、トレーニングや応急措置などの方法を習得されました。
 このセミナーは、町の健康づくりに直接関わる団体及び個人の指導者の皆様にインストラクターとしての傷害予防、運動生理学等の基礎知識を習得していただき、10月以降に予定しております「若返り貯筋塾」や「SUNDAYスポーツ塾」の指導者として活動していただこうとするものであります。
次に、「ちいさな理科館」事業について、ご報告申し上げます。
現代社会における科学技術の進歩は著しく、私達は,快適な空間と豊富な情報を手に入れることができました。この結果、子ども達はかえって自然に接する機会を失い、自然によって培われてきた人間が本来持つ「感性」や「感覚」といったものが失われつつあります。
そこで、子ども達に自然と接する機会を与えることにより、自然現象や物事の変化を自分の目や耳で捉え、自ら考察する習慣を身につけさせることができればと考えております。
このため、理科の実験や観察の機会を子どもたちに提供し、自然への関心を喚起させることを目的とした「ちいさな理科館」建設を目指し、本年度は、その調査活動を行うため建設準備委員会及び町内小中学校の教諭をもって組織する研究部会を立ち上げました。
他方、児童生徒、保護者及び教職員合わせて2,338人に対しアンケート調査も実施いたしました。
アンケート調査結果の一部をご報告申し上げますと、児童生徒に対する「理科が好きか」という質問に対しては、52.1パーセントが「好きである」という回答でありました。保護者に対する「子どもと一緒に理科館を利用してみたいか」という質問に対しては、77.3パーセントが「はい」という回答を、「ちいさな理科館に期待すること」という質問に対しては、90.2パーセントの方が「授業でできない実験や観察体験を通じて、理科や自然に興味を持つ」と理科館に対し、肯定的な回答をいただくことができました。今後は、建設準備委員会におきまして、皆様方からいただいたアンケート調査の結果を踏まえながら、より良い「ちいさな理科館」の建設に向けて、事業を進めてまいりたいと考えております。
続きまして、新たな奨学金制度の創設について、ご報告申し上げます。
現行の奨学金制度は、経済的理由により就学が困難な高校生に対して一定額を交付するもので、返済義務もありませんので、補助金の給付と同様のものであることは否めません。そのため、従来から言われております給付の是非についての議論等を受け、新たな奨学金制度の創設を検討しております。
制度の検討にあたっては、学識経験者、住民代表、保護者代表及び教育関係者で組織する「吉田町奨学金制度検討委員会」を立ち上げ、既に委員会が2回実施されております。
町では、この「吉田町奨学金制度検討委員会」から出される答申に基づき、新たな制度を構築していく予定でございます。
次に、算数・数学おもしろ講座について、ご報告申上げます。
町では、「確かな学力育成事業」の一環として、昨年度から、吉田町教育会とともに、子ども達の家庭学習の充実、家庭における親子の積極的な関わり、さらに、教員の能力向上につなげることを目的として、子ども達が算数でつまずきやすいポイントと家庭学習の仕方を分かりやすく保護者の皆さんに説明する「親のための算数おもしろ講座」を実施してまいりました。
本年度は、さらに中学生の保護者にも対象を広げ、内容もより一層充実させた上で、実施回数も昨年度より2回多い8回を予定しております。既に4回を終了した8月末時点で80人の方が受講されております。参加された保護者の皆様方からは、「子どもの気持ちが理解できた」、あるいは「学んだことを家庭教育に生かしていきたい」という意見もあり、好評だったと受け止めております。
この事業については、テレビ放映等も行われ、県内でも注目されておりますので、当町の取組みが町外にも広く波及していけば大変嬉しいことでございます。そして、今後とも、吉田町教育会と連携し、子ども達の基礎学力の一層の向上に取り組んでまいりたいと考えおります。
続きまして、図書館の休館日及び開館時間の変更について、ご報告申し上げます。
図書館では、「休館日を減らしてほしい」という町民の皆様方のご要望に応えるため、職員の勤務形態の見直しなどを行いながら、10月から休館日と開館時間を変更することを予定しております。
変更内容につきましては、1年間の試行とし、その結果を踏まえて制度化を図りたいと考えておりますが、休館日につきましては、現行の週2日を1日に減らし、休館日に当たる月曜日と火曜日を開館日とし、1週間のうちで最も利用の少ない金曜日を休館日とします。
また、開館時間につきましては、財政面等を考慮しながら、現行の人的配置の中で試行を行いますので、開館日全てについて午前10時から午後6時までとさせていただきます。今後1年間、休館日を1日減らしたことによる、利用形態の変化などを検証し、併せて利用者の意向調査等を実施しながら、効率的で、町民の皆様方が一番利用しやすい運営形態を確立したいと考えております。
続きまして、道路整備について、ご報告申し上げます。
 はじめに、都市計画道路東名川尻幹線の整備についてでございますが、東名吉田インターチェンジから、富士見幹線までの区間は、主要地方道島田吉田線バイパスと位置付け、県が事業主体となり事業を進めております。
 残っていた用地取得も地権者のご理解を得て完了いたしましたので、工事を残すだけとなりました。完成時期でございますが、予定より1年延びることとなり、平成20年度完成と聞いております。一方、国道150号から南側につきましては、町が事業主体となり整備を進めておりますが、本年度は、水路の付替え工事を行う予定であります。
 次に、都市計画道路榛南幹線につきましては、住吉地内、住吉幹線から海岸幹線までの980メートル区間につきましては、620メートルを県の事業区間、360メートルを町の事業区間に区分し、同時に整備を進めており、どちらの区間も本年度は、用地取得を行う計画となっております。
海岸幹線から、坂口谷川を渡り国道150号との合流までの区間につきまして、県が事業主体となり本年度から整備に着手することとなりました。今後、地元説明会を開催し、地権者や地域の皆様方に事業計画等をお知らせし、理解を求めてまいりたいと考えております。
 また、町道中臨港線から二級河川湯日川右岸堤までの250メートル区間につきましては、本年度工事が完成する予定であり、平成20年度から橋梁整備に着手すると聞いております。川尻地内の問屋川から大幡川までの区間においても、現在、工事に着手しております。
 次に、二級河川湯日川に架かる、お夏橋の橋梁整備につきましては、橋梁の架け替え工事は完成しておりますが、現在、取り合い道路の整備を進めている状況であります。供用開始時期は9月末と聞いております。
 この工事期間中、地域の皆様方には大変ご迷惑をおかけしておりましたが、間もなく不便さも解消されることになります。
続きまして、榛南広域農道整備事業について、ご報告申しあげます。
榛南地域における広域営農の振興や流通機能の改善、農業基盤の整備を図るため、志太榛原農林事務所が事業主体となり、広域営農団地農道整備事業を実施しております。志太榛原農林事務所では、既に東名高速道路に架かる前玉橋付近から、町道向原3号線までの間の用地買収を進めており、約半分の用地取得を終えております。残りの町道向原3号線から県道住吉金谷線までの区間についても、測量を平成18年度に完了し、平成19年度から一部用地買収を進めております。
町では、県が施行する本体部分の買収に併せ、青柳公園東側の町道向原線から県道住吉金谷線までの歩道部分の用地について、平成18年度から買収を進めており、現在約6割の用地を求めることができました。この歩道部分の工事は、車道部分と合わせ、農林事務所が一体施行することで、経費の削減を図りながら、平成21年度の完成を目指しております。
 次に、吉田漁港の整備について、ご報告申し上げます。
国では、平成19年度から平成23年度までの「第2次漁港漁場整備長期計画」を策定し、平成19年6月8日に閣議決定したところでありますが、これを受け、県では「圏域総合水産基盤整備事業計画」を策定し、漁港漁場整備事業の総合的かつ計画的な実施を促進しております。
吉田漁港につきましては、漁業関係者の安全な職場環境の確保や、漁業経営の安定化、沿岸漁業及び地域振興の活性化を図るため、平成13年度から国と県の補助を受け、地域水産物供給基盤整備事業として、整備を進めているところであります。
 今年度の整備につきましては、整備後約43年が経過し、老巧化が予想される1号岸壁及び河川護岸について、改良のための測量調査業務委託を実施いたします。また、昨年度実施した西側泊地の2、3、4号岸壁測量調査業務委託の結果を踏まえ、2号岸壁の防食工事を実施するとともに、岸壁防食工事を進めるための港内泊地浚渫工事や船舶の航行の安全確保を図るための港口部泊地浚渫工事を実施いたします。
次に、吉田漁港津波防災ステーションの整備について、ご報告申し上げます。
 吉田漁港津波防災ステーションにつきましては、予想される東海地震での津波や台風での高潮による災害から吉田漁港背後地となる地域住民の生命と財産を守るため、陸閘と大幡川水門の一元的な遠隔操作と制御が可能となる防災上重要な施設を整備するため、平成17年度から国と県の補助を受け、津波・高潮危機管理対策緊急事業として進めているところでございます。
 本年度の整備としまして、遠隔操作システム、光ファイバー敷設、無線通信設備の実施設計を盛り込んだ、遠隔操作システム詳細設計業務委託を5月末に発注したところであります。また、本年度は、被制御所から津波防災ステーションとなる役場庁舎までの光ケーブルの埋設工事、大幡川水門電気設備改良工事及び現場設備工事も実施いたします。
 地元自主防災会の皆様方の不安や負担を解消し、地域住民が安心して暮らせるよう、平成21年度完成に向け積極的に整備を進めてまいります。
次に、生活に欠かせない都市基盤である上水道と下水道について、ご報告申し上げます。
 町では、安定した水の供給を推進するため、第6期拡張事業の一環として、除鉄除マンガン施設と第2浄水場の築造事業を進めるとともに、老朽管の布設替え及び他事業との関連工事に伴う水道管の布設や布設替工事等を実施しております。除鉄除マンガン施設については、既設構造物の取り壊しから管理棟及び水道資材倉庫等の築造、第2浄水場については、配水池の築造とタンク廻りの配管等の整備工事を発注しております。
また、老朽管の布設替えでありますが、現在、発注しております日之出町片岡辻線配水管布設替工事のほか、鮒ヶ窪11号線外2路線の配水管布設替工事を発注する予定であります。
一方、他事業との関連工事に伴う水道管布設や布設替え工事でございますが、既に実施している主要地方道島田吉田線送水管布設替及び配水管布設工事のほか、今後、公共下水道工事に伴う配水管布設替工事等を発注する予定であり、事業関係者と十分な協議、調整を図りながら、事業を進めていきたいと考えております。
 また、下水道事業につきましては、地域再生計画に基づく汚水処理施設整備交付金を活用し、平成17年度から平成19年度までの3か年計画で下水道事業と浄化槽事業の整備を進めております。
 本年4月1日現在における整備状況は、事業認可区域面積299ヘクタールに対し、180.17ヘクタールの整備を完了しており、町全体の人口普及率は30.5パーセントに達しています。また、現在の水洗化率は約77.8パーセントと順調に推移している状況であります。
 本年度に整備を予定している施行箇所でありますが、昨年度に引き続き、住吉東村地区及び住吉上組地区と川尻東中地区及び川尻西中地区を整備していく予定であります。
 次に、第2次吉田町国土利用計画の策定について、ご報告申し上げます。
 平成18、19年度の2か年をかけて行っております、第2次吉田町国土利用計画の策定につきましては、6月22日に吉田町開発審議会を開催し、庁内会議を経た企画素案に対するご意見をいただき、修正を進めてまいりました。7月17日には、静岡県庁28部署との市町村調整会議におきまして、これまで修正を進めてきた計画素案の説明を行いました。
 今後は、この計画素案に対して、静岡県庁28部署からの意見が無くなるまで各部署との調整を続け、計画案を作成していくこととなります。
 県との調整が終了した計画案につきましては、開発審議会等でご説明させていただき、国土利用計画法第8条第3項の規定により、12月の議会定例会にお諮りしたいと考えております。
 最後に、空港対策事業について、ご報告申しあげます。
 8月2日、静岡県庁において、航空機騒音対策事業に係る協定書の調印式が行われ、各市町の空港対策協議会等と静岡県と島田市、牧之原市、吉田町のそれぞれの間で、2市1町共通の内容となる基本協定を締結いたしました。
 この協定書は、静岡空港周辺地域の航空機騒音による障害を防止し、生活環境の保全を図るため、住宅防音工事や学校等防音工事等の対策事業が盛り込まれているのをはじめ、空港開港後の航空機騒音の測定方法や電波障害の発生状況の調査等、航空機騒音の監視体制を定めた環境監視計画について、地元と協議していくことを県が約束する内容になっております。
 今後は、この協定書に基づいて、航空機騒音の測定方法や常時定点観測の設置場所など、航空機騒音における環境監視調査の基本となる「環境監視計画」の策定について、地元の意見を強く県へ伝えていきたいと考えております。
 以上、現状の町政の一端を紹介させていただきましたが、今後も行財政運営の透明性、効率性の更なる向上を柱にマニフェストに掲げました様々な施策を着実に展開していくとともに、他の必要欠くべからざる事業も進めながら、町民の皆様方が住んで良かったと実感できる町政運営に、全力を傾注してまいりますので、議員の皆様方におかれましても、町政運営の趣旨をご理解いただき、ご協力を賜りますようお願い申し上げ、本定例会の行政報告といたします。