2006年12月4日 作成

平成18年第4回吉田町議会定例会(平成18年12月4日開会) 町長の行政報告

 只今、町長不在の時期でありますので、平成18年第4回吉田町議会定例会の開会に当たりまして、吉田町長の職務代理者であります私から町政運営の概況等についてご報告申し上げます。
 さて、我が国では、従来構築された国家や地方の行財政運営システム、年金制度、教育制度、税制など、諸般にわたるシステムが、現況に合わない部分が生じ、既存の価値観をもって、短絡的に今後を推し測ることができない状況にあります。地方行政を担う者にとりましても、絶えず、現代に合う新たな価値観を模索しつつ、地方分権や少子高齢社会を踏まえた確実な歩みを進めなければ、町民の皆様方に、取り返しのつかない多大なご迷惑をおかけすることになります。当町では、この11月27日から町長が不在となっておりますが、現在においても、こうした自覚を持ち、職員一丸となって、これまで進めてまいりました「持続可能な福祉社会の実現」を目指して鋭意努力いたしているところであります。
 それでは、只今進めております事業の概況を申し上げます。
最初に、健康づくり事業についてでありますが、まず、5月から行いました「しあわせサンデーヨガ」と「健康づくりヨガ教室」について申し上げます。
 「しあわせサンデーヨガ」につきましては、第1クールを行った時点で大変好評を博しましたので、第2、第3クールも連続して行い、11月で予定の講座を終了いたしましたが、いずれのクールでも、参加者は約100人に達する状況でありました。受講者からは、引き続き講座を開設することを希望する声が多く寄せられておりますので、今後、臨時の講座を開催することも検討しております。また、10月に終了いたしました「健康づくりヨガ」につきましても、中高年の女性を対象に、栄養、食事バランス、ストレス度チェックなどを行い、実態的に参加者の健康管理に役立つメニューを提供できたと思っております。さらには、11月12日に、総合体育館において、参加体験型のイベント「健康百科展」を開催し、翌週の19日には、講師に筑波大学の久野譜也先生をお招きして、「若返り・幸せ貯筋塾」という健康づくり講演会を開催いたしました。これらの事業は、町民の皆様方に、健康な体づくりや健康管理に関する情報提供を行い、町民の皆様方自らが健康づくりを実践する契機となることを期待して実施したものであります。
また、社会教育の中で進めている健康づくり事業でありますが、本年度は、オリジナルダンス及び健康体操等の普及活動を積極的に推進するため、「吉田町ダンス・健康づくり推進委員会」を設置いたしました。この委員会の委員には、町が主催する各スポーツ教室の講師などに就任していただいており、オリジナルダンスの普及方法の検討やダンス講習会などへの講師派遣、また、トランポリンやダンベルを使用しての健康体操教室の開催などを通して、町民の皆様方の健康づくりに寄与していただいております。そして、本年度は、町内の小学生1年生から6年生までの男女約50人で「吉田町キッズダンスチーム」を結成し、6月から毎月3、4回、土曜日の夜間や日曜日の昼間、2時間程度の練習を行い、8月の吉田町港まつり花火大会や11月の小山城まつりなどに、パンサーとペコリナイトを披露し、多くの町民の皆様方と一緒に元気よくダンスを踊ることができました。このほかにも、町主催の各種スポーツ大会などにおいては、保健師による健康相談や体脂肪測定、血圧測定などを行う健康チェックブースを併設して、参加者の皆様方の健康状態を把握するほか、運動の必要性を認識していただくとともに、健康づくり意識の高揚に努めております。
こうした事業を展開する中、公民館事業の寿大学においては、毎回講義の初めに健康体操を行っており、町が推進している健康づくり事業に呼応していただいたものと大変うれしく思っております。こうした事業を繰り返すことによって、町民の皆様方に、健康づくり意識が定着し、「持続可能な福祉社会の実現」に向けての大きな流れを醸し出すことができるものと考えておりますので、さらに健康づくり事業には力を傾注してまいりたいと考えております。
 次に、健康づくり関連となります地域支援事業の通所型介護予防事業についてご報告申し上げます。
 この事業の対象となる特定高齢者は、基本健康診査や高齢者実態把握調査などの結果を参考にして候補者を選定し、本人と家族の同意を得て、地域包括支援センターで決定しており、11月末現在で、30人の方が特定高齢者として決定されました。特定高齢者の予防事業としては、運動器の機能向上を促す機器を利用した運動事業、簡易な器具を利用した運動事業、口腔機能の向上事業、栄養改善事業の各事業を設定しており、委託の方法で実施することといたしました。只今、吉田町社会福祉協議会、ハイナン農業協同組合、はいなん吉田病院の各事業所と委託契約を締結しておりますが、一部の事業は5月から開始しており、以来、順次事業の拡充を図っております。現在、30人のうち、延べ19人が運動器の機能向上を促す機器を利用した運動事業の教室に通い、延べ3人が簡易な器具を利用した運動事業の教室に通っており、12月から新たに教室に通い始める方もいらっしゃいます。目下、こうしたサービスを提供すると同時に、特定高齢者の候補者に対しまして基本健康診査を受診していただくように勧奨したり、予防教室を普及することなども合わせて行っております。
 続きまして、子育て支援事業についてご報告申し上げます。
 まず、保育園の土曜日一日保育と日曜日保育についてでありますが、これは、平成11年3月に策定いたしました「吉田町エンゼルプラン」と平成17年4月に策定いたしました「吉田町次世代育成支援行動計画」に基づくもので、平成17年度から、実現に向けての準備を進め、本年5月から、さくら保育園において土曜日一日保育を開始し、10月から、わかば保育園において日曜日保育を開始することといたしました。実施する施設や実施方法などにつきましては、実際の保育希望者数を調査して決定したわけでありますが、その結果、町内全域を対象とした一園での集中保育の方法で実施することといたしました。
 次に、国民健康保険の出産育児一時金の受け取り代理につきましてご報告申し上げます。
出産育児一時金につきましては、この度の健康保険法等の改正に伴いまして、先の議会定例会においてご承認をいただき、本年10月から国民健康保険の出産育児一時金を今までの支給額30万円から35万円に引上げて支給することといたしましたが、この支給額の引き上げに併せまして、医療機関等を代理人として出産育児一時金を受領できるように制度改正を行いました。この申請につきましては、出産予定日まで1か月以内の被保険者で、出産する医療機関等の承諾を得た方を対象としております。この制度は、医療機関等が被保険者に代わって出産育児一時金を受け取ることによって、被保険者が医療機関等の窓口において出産費用を支払う負担を軽減する観点から導入したものであり、子育て支援につながるものでございます。
 続きまして、都市基盤整備関係事業などについてご報告申し上げます。
 街路事業について申し上げますが、まず、榛南幹線につきましては、住吉幹線から海岸幹線までの事業実施区間の地権者の皆様方のご協力により、用地取得が順調に進んでおります。この区間の用地取得は、今後、数年かかるものと思いますが、重要路線として計画的に取得を進めてまいる所存であります。
一方、海岸幹線から二級河川坂口谷川を渡り、牧之原市の国道150号にタッチするまでの区間につきましては、静岡県で、本年度に予備調査を実施しております。来年度は、この調査結果に基づき、地元説明会を開催し、地権者の了解を得た後に、現地測量や道路設計などを行う計画であります。
次に、お夏橋の整備状況についてでありますが、この事業につきましては、静岡県が事業主体となって、平成17年12月に着工し、現在、橋梁の下部工が完成している状況であります。今後、取り合い護岸工、橋梁上部工、取り合い道路等の工事に順次取り掛かる予定となっておりますが、静岡県では、全面通行止めの期間が少しでも短縮できるよう努力しているとのことでありますので、完成まで今しばらくお待ちいただきたいと思います。
 次に、浜田土地区画整理事業についてご報告申し上げます。
浜田土地区画整理事業地内には、都市計画道路榛南幹線と東名川尻幹線の2路線が十文字に計画されております。この路線は、地区内の中心的な路線と言うだけでなく、吉田町の町づくりに欠かせない重要路線として位置付けられております。本年度、浜田土地区画整理組合では、この都市計画道路榛南幹線の計画路線内にある準用河川支線成因寺川に架かる橋梁の下部工を発注し、幹線道路の整備を進める予定であると聞いております。
 次に、公共下水道事業についてご報告申し上げます。
 現在までの整備状況を申し上げますと、299ヘクタールの事業認可区域のうち、昨年度末までに161.8ヘクタールの整備を完了し、整備率が54.1パーセントに達しております。また、本年10月末現在で1,543戸の下水道への加入があり、1日当たり平均で約1,500立方メートルの汚水を処理しております。本年度の工事は、住吉上組地区の通学道路入り口までの県道住吉金谷線及び東村地区周辺を約2.8キロメートル、川尻の浜河原及び東向地区を約2キロメートル、いずれも開削工事で整備を進めております。
 次に、上水道整備についてご報告申し上げます。
 まず、老朽管の更新事業でありますが、今年度は、11月に主要地方道島田吉田線配水管布設替工事の発注を終え、計画しておりました8本の工事の全てを発注いたしました。また、他事業関連の工事につきましても、9月上旬から発注を開始しております。そして、第6期拡張事業の第2浄水場建替事業でありますが、6月に用地取得の契約を締結させていただくことができまして、来年の2月末までには造成工事も完了する予定であり、老朽化した施設の更新も段階的に進めながら、安定しておいしい水を供給するように努力しております。
 続きまして、安全安心なまちづくりに関する事業でありますが、まず、平成17年度から国と県の補助を受け、津波・高潮危機管理対策緊急事業として進めている吉田漁港津波防災ステーションにつきましてご報告申し上げます。
今年度は、第2、第4、第6陸閘の電動化工事のほか、現場機器の管理を行うための被制御所内の受電設備機器の製作、被制御所から陸閘と水門までの間の配線工事、第6陸閘付近への被制御所の建築を進めております。そして、今年度は、地震計や入出力制御盤等を設置し、一定以上の地震動を感知すれば、第1、第2、第4、第6陸閘が自動的に閉鎖するようになるまでの工事を進めたいと考えております。
自動化までのシステムが構築できますれば、突発地震による津波災害にも即座に対応できるとともに、現在、緊急時に陸閘閉鎖の危険な役割を担ってくださっておられる漁協職員や地元自主防災会の皆様方の負担が解消されますので、一元的な遠隔操作制御が可能となる津波防災ステーションの完成を平成21年度末までに終わらせるように鋭意努力してまいります。
 次に、吉田町洪水ハザードマップの作成についてご報告申し上げます。
現在、洪水ハザードマップ検討委員会を2回開催し、これまでの経緯、ハザードマップ素案の検討、浸水情報の整理、避難計画の検討等について議論を重ねてまいりました。その中で、委員の皆様方からいただきました色々なご意見を参考に、より良い洪水ハザードマップを作成することを目指して現在作業を進めているところであります。第3回目となる次回のまとめの作業は、1月に予定しておりますので、その後において完成いたします洪水ハザードマップは町民の皆様方に配布する予定にしております。
 次に、非常備消防体制の拡充についてご報告申し上げます。
消防団員につきましては、近年、210人の定員を大幅に下回る団員数となっており、非常時の対応が危惧される状況にありましたが、本年10月1日に、消防団員OBや女性の団員をもって構成する機能別団員制度を導入することによって、一挙に22人の新規団員を迎えることができました。これにより、団員数は166人となり、充足率が79パーセントにまで上昇し、消火活動や広報活動における消防団の体制が拡充されました。機能別団員として新規に入団いたしました団員は、それぞれの役割の中で活動を開始しており、女性団員につきましても、ラッパ隊の訓練に参加するほか、イベントでの広報活動などに積極的に取り組んでいただいております。
消防団員は、火災発生時は言うに及ばず、風水害や地震などの自然災害発生時においても、危険を顧みずに献身的な活動を行っていただいておりますので、町としても、できる限り活動し易い環境づくりを考えてまいりたいと思います。
 次に、12月3日に実施いたしました地域防災訓練についてでありますが、本年度は、例年の訓練に加え、陸上自衛隊第34普通科連隊の参加を得て、より充実した訓練を行うことができたと思っております。今回は、災害対策基地本部を吉田中学校第2グラウンドに設置し、住吉上組と住吉東村の自主防災会、消防団、消防署、警察署、吉田中学校、自衛隊と行政の協働による工夫を凝らした訓練を実施することができました。これを機に、今後の防災訓練のあり方を見直し、より実践的な訓練にするよう努めてまいりたいと思います。
 次に、交通安全における輝かしい記録についてご報告申し上げます。
 当町では、交通事故のない町を願って作成した事故シラズのオリジナルのぼり旗を掲げながら、交通指導員をはじめ、各地区の交通安全会、交通安全母の会、関係諸団体などが、交通安全のために不断の努力を傾注していただいております。こうした皆様方のご努力が功を奏し、この10月27日に、交通死亡事故ゼロ連続700日を達成して、静岡県交通安全対策協議会会長である静岡県知事から表彰を受けました。この記録は、現在も続いておりますので、記録が途切れることがないよう、関係各位の一層のご協力をお願い申し上げますとともに、引き続き議員各位のご協力も賜わりますようお願い申し上げる次第であります。
 続きまして、第20回小山城まつりついてご報告申し上げます。
 先月3日、吉田町観光協会主催の第20回小山城まつりが、小山城前広場及び能満寺山公園で盛大に開催され、おおよそ20,000人の来場者で賑わいました。今回で20回の節目を迎え、記念大会として例年よりイベントの時間やメニューを増やしたことで、町民の皆様方が一層楽しめ、活力ある吉田町がPRできたと思います。ステージでは、中学生の吹奏楽や町民の皆様方による舞踊、小山城太鼓の演奏、吉田町オリジナルダンスの披露のほか、キャラクターショーなどが行われ、大変な盛り上がりを見せました。また、会場内では、産業四団体を中心とした物産展やバザールが行われ、物産ブース55店とフリーマーケット45店が所狭しと会場に広がり、たくさんの人で賑わいました。また、お楽しみ抽選会はもちろん、初めて試みたスタンプラリーも大変好評のうちに終了することができました。そして、今回もイベント終了時には、出店されました皆様方や関係各位のご協力を得まして小山城クリーン作戦を展開し、大変綺麗にごみの分別収集を行っていただき、ごみ一つ無い状態で終了できましたことを心から感謝いたしております。
 続きまして、教育講演会についてご報告申し上げます。
最近、全国的に深刻な問題となっております、いじめやいじめが原因といわれる少年少女の自殺の多発、あるいは青少年の非行の問題など、教育を取り巻く環境は一層厳しいものとなっております。当町においては、将来を担う健全な若者の育成は、重点施策の一つで、学校、家庭、地域が一体となって良好な教育環境の形成に取組んでいかなければならないものと考えております。このため、町民の皆様方に教育の重要性について、改めてお考えいただきたいと思い、12月9日、土曜日の午後1時30分から、吉田中学校体育館アリーナにおきまして講演会を実施することといたしました。講師には、東京大学総長や文部大臣を歴任され、原子核物理学の権威として、さらには、日本を代表する俳人としても著名な有馬朗人氏をお招きすることができました。またとない機会でありますので、多数の皆様方にご来場をいただき、是非とも、みんなで現代の教育を語らうきっかけにしていただきたいと考えております。
続きまして、9月議会でもご報告させていただきました学校図書館資源共有ネットワーク推進事業についてご報告させていただきます。
教育委員会では、これまで取組んでまいりました活動に加え、当町の取組みを広く紹介するため、各地で活動発表を行ってまいりました。10月2日には、役場町民ホールにおいて町内教職員と学校図書館ボランティアなどを対象として講演会と活動発表を行いました。講演会は、前静岡県教育長の鈴木善彦先生をお招きし、「子どもたちに感性や知性を育む教育に読書が有効である」というお話をいただき、その後、取組み状況を発表し、町内教職員への啓発を行いました。また、11月6日、7日の2日間にわたって、石川県で開催されました文部科学省主催の中部地区学校図書館活用フォーラムにおいて活動発表を行い、13県6政令市の教育関係者に、当町の取組みを紹介してまいりました。さらに、11月6日には、静岡市のグランシップで静岡県図書館大会が開催され、県内の図書館関係者や読み聞かせボランティアなどが一堂に集い、「読書県しずおか」を全国に発信するための研修と事例報告がありました。その大会においても、団体貸し出しをはじめとする町立図書館と各小中学校との連携、小中学校同士の相互貸借など、「ひと・もの・こと」などの資源を共有し、町内の子どもたちの読書活動や学習活動を支援していく体制など、当町の先進的な活動を紹介してまいりました。発表いたしました事例には、参加された多くの学校関係者や図書館関係者が大変強い関心を示されておりました。今後も引続き、児童生徒の図書を活用した学習を推進してまいります。
 最後に、電子申請システムのサービス開始についてご報告申し上げます。
 電子申請は、国が進める「e-japan戦略」の中でうたわれている電子政府、電子自治体の構築の一環として、住民や関係する企業などの窓口となる重要なサービスの一つとして位置付けられ、各種申請、届出等の行政手続きがインターネット上で365日、24時間受付が可能となり、さらに、その申請の進行状況についても、インターネット上で確認できるようになるシステムであります。このシステムが構築されますと、住民や企業の利便性が飛躍的に向上すると言われており、国におきましては、国の行政機関が扱う手続きの約96パーセントがオンラインにより利用可能になってまいります。また、静岡県でも、昨年4月から静岡県電子申請サービスを開始しており、職員採用試験の申込みなど、118件の業務について利用が可能となっております。
 このような状況の中、県内の市町では、共同で電子申請システムを構築し、運用できるよう、昨年10月に、静岡県電子申請共同運営協議会が設立され、現在までに函南町を除く41市町が参加し、平成19年1月からのサービス開始に向けて準備を進めているところであります。当町におきましても、先の9月議会におきまして、「吉田町行政手続等における情報通信の技術の利用に関する条例」をご承認いただいたところであり、現在は、来年1月のサービス開始に向けて、対象業務の検討や諸規則の整備を進めております。当面は、各種講座の申込みなど、手続が簡易な一部の申請手続きからスタートいたしますが、随時追加する方法で進めてまいりたいと考えております。対象業務や手続などにつきましては、12月号の広報やホームページなどで、町民の皆様方に詳しくお知らせしたいと考えております。
 以上、町政運営の現況の一端を紹介させていただきましたが、皆様ご承知のとおり、当町では、この12月24日に、町長選挙が執行されることになっております。新しい町長が決まるまでの間も、行政運営の停滞を招かないよう、職員一同、全力で町民の皆様方のために公務を遂行してまいりますので、議員各位におかれましても、全面的にご支援賜わりますようにお願い申し上げまして、本定例会における行政報告といたします。