令和3年第1回吉田町議会定例会の開会に当たり、新年度に向けての施政方針並びに各種事業の運営方針等について申し上げます。

 平成23年3月11日に発生し、東北沿岸部に甚大な被害をもたらした東日本大震災から間もなく10年が経過しようとしております。改めて、犠牲になられた方々のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族や今もなお避難生活を余儀なくされている皆さまに心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。

当町は、この東日本大震災を機に、「最悪に備え、最善に期待する」災害対策の基本テーゼに則り、まず、町民の皆さまの生命を守り、次いで、町民の皆さまの財産を守るとともに、企業の皆さまの生産活動を守ることを可能にすべく、津波防災対策を町の最重点政策として位置付け、スピード感を持って「津波防災まちづくり」を強力に推し進めてまいりました。

 平成23年11月に作成した津波ハザードマップに基づき、15基の津波避難タワーをいち早く完成させるとともに、避難路や防災公園の整備などを迅速に進め、さらには、1000年に一度の大津波を海岸で食い止めるための防潮堤を築き、「被災しないまち」の創出を目指してまいりました。この津波防災まちづくりを進めることにより、沿岸部や浜田地区、“ふじのくに”のフロンティアを拓く取組における川尻高島地区などにおいて企業の進出が相次ぎ、当町がさらに「豊かで勢いのあるまち」に向かっていることを実感するところでございますが、現在、川尻海岸において整備を進めております防潮堤が完成いたしますと、この町の安全・安心は、より一層揺るぎないものになると確信しております。

 一方、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症が国内で初めて確認されてから1年が過ぎたところでございますが、このウイルスは変異を続け、今もなお、収束の見通しは明らかではございません。このような危機的な状況の中で、医療や暮らしを懸命に支える全ての方々に敬意を表しますとともに、あらゆる場面で感染予防対策などに取り組んでいただいております町民の皆さま、事業者の皆さまのご理解とご協力に、改めて深く感謝申し上げます。

 当町におきましては、昨年2月28日に吉田町新型コロナウイルス感染症対策本部を立ち上げて以降、これまで13回に及ぶ対策本部会議を開催し、国や県が示す方針に基づき、感染予防と感染拡大防止を主眼に置いた対策や町内公共施設の利用方針等について協議、決定をするとともに、情報発信に努めてまいりました。この新型コロナウイルス感染症は日々状況が変化しておりますが、現在の最重要課題である、新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種につきましては、昨年12月9日に予防接種法の臨時接種に関する特例が設けられ、厚生労働大臣の指示のもと、都道府県の協力を得ながら市町村において実施するものとされております。

 こうした状況の中、2月14日にアメリカファイザー社製のワクチンが国の特例承認を受け、県内では、2月19日に初めて、静岡市の桜ケ丘病院において医療従事者に対する先行接種が実施されたところでございます。

当町におきましては、14日に新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種推進チームを立ち上げ、榛原医師会や榛原総合病院などにご協力をいただきながら、現在、急ピッチでワクチン接種に向けた体制の整備を進めております。先日、町内の各医院をお訪ねし、ワクチン接種に係るご協力をお願いしましたところ、先生方から「前向きに対応する」と快いお返事をいただけましたので、今後の体制整備をスムーズに進めていけるものと考えております。

 しかしながら、当面の間は確保できるワクチンの量に限りがあるため、国が示す優先順位に沿って医療従事者等、高齢者、基礎疾患を有する方などから、順次接種を開始してまいる予定でございます。高齢者の皆さまへのワクチン接種につきましては、国の指示に従って接種券を発送し、総合体育館を会場とした集団接種と医療機関での個別接種を並行して実施する予定で、高齢者以外の皆さまにつきましても、順次、接種券を発送してまいります。

これに併せ、町といたしましては、一人でも多くの方に安心してワクチンを接種していただけますよう、3月15日から多言語にも対応したコールセンターの設置を予定しており、今後も引き続き、関係機関と連携を図りながら計画的に準備を進め、円滑な実施に向け体制を整えてまいります。

 さらに、ワクチン接種以外の感染防止対策につきましても、国や県、他の自治体、医療機関等と緊密な連携を図りながら、これまで以上に万全を期してまいりますとともに、町民の皆さま方にも更なる徹底した対策にご協力を賜り、町全体でこの難局を乗り切ってまいりたいと思っております。

 さて、新型コロナウイルス感染症が及ぼす影響は、税収減をはじめ様々な分野に広がり、当町においても大変厳しい状況が続いております。このような状況におきましても、引き続き「豊かで勢いがあり、心を魅了するまち」を目指す、令和3年度吉田町一般会計当初予算の編成に当たりましては、各種事業の見直しをはじめ、事業の平準化や特定目的基金の活用等を行い、歳入、歳出それぞれに110億4,900万円を計上させていただきました。限りある財源を最大限に活用しながら、『安心』をテーマに「新たな安全とにぎわいの創出」「教育環境の充実」「充実した子育て支援の実施」「健康づくりの推進」という4つの柱を中心とした各種施策を展開し、これまでと同様に町民の皆さまが安心して暮らせるよう皆さまのニーズに合ったきめ細やかなサービスを提供するとともに、持続可能な行財政基盤を構築してまいります。

 それでは、令和3年度の主な事業につきまして、第5次吉田町総合計画の施策体系に沿ってご説明申し上げます。

 はじめに、「災害に強く安全・安心に暮らせるまちづくり」に関連する事業についてでございます。

川尻工区における防潮堤の整備につきましては、本年度中に、海抜11.8メートルの背後盛土が完了し、海岸保全施設として海岸管理者に引き継ぐ予定でございます。今後は、海浜回廊としての供用を目指し、防潮堤の天端道及び側道の整備を進めてまいります。

 次に、吉田漁港多目的広場の整備についてでございます。

吉田漁港多目的広場につきましては、本年度に進めてまいりました防潮堤との取合い部分における盛土工事が完成したことにより、川尻工区の防潮堤と接合し一体の構造物となったところでございます。令和3年度は、多目的広場の天端の一部分を、さらに1.5メートルかさ上げする工事を予定しており、本年度末までには多目的広場における防潮堤機能が完成する見込みでございます。

 次に、吉田漁港におけるレベル2の津波対策についてでございます。

吉田漁港におけるレベル2の津波対策につきましては、津波防御に効果を発揮する吉田漁港多目的広場の整備を最優先で進めているところでございますが、令和3年度は、津波シミュレーションなどを実施しながら漁港全体における津波対策の整備計画を策定してまいります。

 次に、大井川河川防災ステーション内の水防センターについてでございます。

近年、台風をはじめ記録的な集中豪雨により、熊本県の球磨(くま)(がわ)や長野県の千曲(ちくま)(がわ)など国が管理する一級河川が氾濫し、甚大な被害をもたらしております。当町が位置する大井川流域は人口が多く、企業の生産活動も活発に行われており、万が一、洪水などにより破堤した場合には、この地域一帯に甚大な被害が及ぶことが想定されます。このため、国では現在、令和3年度中の完成を目指し、県営吉田公園の南側に「大井川河川防災ステーション」の建設を進めているところでございます。

 この河川防災ステーションは、水防活動を行う上で必要な土砂などの緊急用資材を備蓄しておくほか、資材の搬出入やヘリコプターの離着陸などに必要なスペースを確保し、災害時における防災拠点となりますことから、当町では、このステーション内に「水防センター」を設置し、水防用品などを保管する備蓄倉庫や、水防業務を担う消防団員などのための休憩スペースや更衣室を整備する予定でございます。また、この水防センターは海浜回廊の延長線上に位置し、シーガーデンの整備が完了した際には人々が行き交う場所となりますことから、平常時においては、地域住民に親しまれ、にぎわいの創出を担う施設としても利活用できるよう整備を進めてまいります。

 次に、国土強靭化地域計画の策定についてでございます。

国土強靱化とは、大規模自然災害等に備えるため、事前防災・減災と迅速な復旧・復興に資する施策を、まちづくりや産業における政策も含めた総合的な取組として計画的に実施し、強靱な国づくり・地域づくりを推進するものでございます。

 東日本大震災の教訓を踏まえ、必要な事前防災及び減災、その他、迅速な復旧復興に資する施策を総合的かつ計画的に実施することが重要であるとして、平成25年12月に「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法」が施行され、平成26年6月に国土強靭化に係る計画等の指針となる「国土強靭化基本計画」が策定されました。この基本計画に基づき、県において「静岡県国土強靭化地域計画」が策定され、これを踏まえ、町におきましても、令和3年度に「吉田町国土強靱化地域計画」を策定し、人命を守り、経済社会への被害を迅速に回復する「強靱さ」を備えたまちづくりを推進してまいります。

 次に、河川改修事業についてでございます。

 大幡川水系準用河川であります大幡川及び大窪川につきましては、河川の流下能力を高めるため、国の交付金を活用しながら改修事業を実施しております。令和3年度におきましては、本年度に引き続き、大窪川の護岸整備を上流側に進める予定でございます。

 次に、木造住宅の耐震化プロジェクト「TOUKAI-0」事業についてでございます。

「TOUKAI-0」事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、訪問の自粛などPR活動に一部制約が生じたものの、耐震補強事業において耐震補強計画と耐震補強工事の一体型の補助金制度を創設し、ブロック塀等撤去事業において避難路や通学路を指定することで補助額の上限を引き上げ、申請者の経済的な負担軽減を図りながら耐震化を推進してまいりました。また、避難所における新型コロナウイルスの感染リスクが懸念されていることを踏まえまして、災害時に避難所に行くことなく自宅での生活を継続できるよう、通常より高い耐震性能を確保する補強工事に対し、時限的な補助金の増額制度を創設したところでございます。

 令和3年度につきましても、旧耐震基準の木造住宅の耐震化及び道路に面する危険なブロック塀の撤去を促進するため、引き続き、申請者の経済的な負担軽減を図るとともに、耐震化の重要性や補助制度について積極的なPRを展開し、災害に強く安全で安心なまちづくりに向け取り組んでまいります。

 続きまして、「誰もが健康でいきいきと暮らせるまちづくり」に関連する事業につきましてご説明申し上げます。

はじめに、基幹相談支援センターの開設についてでございます。

障害のある方に対する障害福祉サービスにつきましては、全国的に相談支援専門員の人材不足等が課題となっており、それぞれの障害の特性に応じた適正な支援やサービスの提供体制を構築していく必要がありますことから、相談支援ネットワークの充実・強化に向けた取組が求められております。

 この状況に鑑みて、地域の障害福祉に関する相談支援の中核的役割を担う基幹相談支援センターを、島田市、牧之原市、川根本町、吉田町の2市2町で共同設置するため、令和元年度から準備を進めており、本年4月に基幹相談支援センター「メデル」を開設する運びとなりました。

 このセンターは、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づいて運営するもので、令和3年度につきましては「特定非営利活動法人こころ」に業務を委託する予定でございます。このセンターでは、主任相談支援専門員や精神保健福祉士などの専門職を配置して困難事例に対応するなど、地域の相談支援事業者への支援や相談支援専門員の資質向上に向けた育成をはじめ、権利擁護や虐待防止に向けた取組など、2市2町の自立支援協議会を通じて相談支援ネットワークの活性化を図ってまいります。

 次に、高齢者福祉及び介護保険事業についてでございます。

 平成12年にスタートしました介護保険制度は、サービス利用者と介護サービス提供事業所の数が年々増加し、介護を必要とする高齢者の生活の支えとして定着し、発展を続けております。

国は、市町村介護保険事業計画及び都道府県介護保険事業支援計画策定のため、「2025年・2040年を見据えたサービス基盤、人的基盤の整備」「地域共生社会の実現」「介護予防・健康づくり施策の充実・推進」「認知症施策の推進」「地域包括ケアシステムを支える介護人材確保及び業務効率化の取組の強化」「災害や感染症対策に係る体制整備」を盛り込んだ基本指針を示しており、これらを踏まえ、当町では、令和3年度からの3年間を計画期間とする「第9次高齢者保健福祉計画・第8期介護保険事業計画」の策定に取り組んでおります。

 この新たな計画におきましては、基本的な考え方や趣旨は現行の計画を踏襲しながら、地域共生社会の実現に向け、地域包括ケアシステムの深化・推進に向けた施策や事業を積極的に展開していくため、「健康長寿のまちづくり」「共に支えあって暮らせる地域づくり」「安心して暮らせる介護サービスの提供」を基本理念に掲げ、高齢者福祉の向上に努めてまいります。

次に、吉田町子ども家庭総合支援拠点の設置についてでございます。

 全国各地における児童虐待事案の発生を受け、国は「児童虐待防止対策体制総合強化プラン」、通称「新プラン」を策定し、全市区町村に対して「子ども家庭総合支援拠点」を設置することにより、更なる相談体制の強化を求めております。

 当町におきましては、子育てに対する不安や負担などにより引き起こされる様々な問題行動の軽減と未然防止を図るため、児童虐待防止ネットワークの強化を進めるとともに問題を抱える保護者に寄り添いながら解決の糸口を見出してまいりましたが、この「新プラン」に基づき、更なる相談体制の強化を図るため、令和3年度中に「吉田町子ども家庭総合支援拠点」をこども未来課内に設置することといたしました。

 さらに、地域に根差した身近な相談窓口とするため、健康づくり課内に設置しております「子育て世代包括支援センター」と連携することにより、妊娠期から子育て期までを一体的に支援し、虐待など課題を抱える子どもと家庭の相談体制を整え、問題発生の予防、早期発見、早期対応、重症化や再発防止を図ることができるものと考えております。

今後も引き続き、地域との連携を図り、専門的な虐待対応を担う児童相談所と役割を分担しながら、子どもたちの命を守るための協力体制を強化してまいります。

 続きまして、「活力あふれる産業振興のまちづくり」に関連する事業につきましてご説明申し上げます。

 はじめに、水産物供給基盤機能保全事業により実施いたします「吉田漁港の4号岸壁防食工事」と「港内泊地浚渫工事」についてでございます。4号岸壁防食工事につきましては、これまでにモルタル被覆防食が完成しており、令和3年度には電気防食を予定しております。また、港内泊地浚渫工事につきましては、計画水深である3メートルを確保するため、湯日川河口付近を中心に工事を進めてまいる計画でございます。

 次に、水産業振興総合推進事業費補助金についてでございます。

 この補助金は、南駿河湾漁業協同組合が実施します、老朽化に伴う製氷施設の更新に対して交付するものでございまして、本年度の実施設計に引き続き、令和3年度は建築工事等への補助を行う予定でございます。これにより漁業者の利便性向上と地域水産業の振興が図られ、吉田漁港の更なる活性化につながることを期待しております。

 続きまして、「魅力あふれる多様な交流を生むまちづくり」に関連する事業につきましてご説明申し上げます。

 はじめに“ふじのくに”のフロンティアを拓く取組における、富士山静岡空港周辺観光・産業交流推進エリアの認定についてでございます。

 当町では、“ふじのくに”のフロンティアを拓く取組の第1期として、北オアシスパーク周辺を推進区域とする「物資供給拠点確保事業」及び川尻高島地区を推進区域とする「企業活動維持支援事業」を展開し、防災減災と地域成長が両立した新しい地域づくりに取り組んでまいりました。

 現在、県では、第2期の計画として、推進区域や新たに整備する産業・文化などの拠点を計画的に連携し補完し合う「ふじのくにフロンティア推進エリア」による取組を推進しており、当町では、島田市、牧之原市と連携して県から「富士山静岡空港周辺観光・産業交流推進エリア」の認定を受け、富士山静岡空港を中心とした新たなにぎわい拠点の創出や、陸・海・空のネットワークを活用した新産業の集積などに取り組むことといたしました。この推進エリアによる取組を新たな安全と新たなにぎわいを一体的に創出する「シーガーデンシティ構想」と絡め、にぎわいの場としてのシーガーデンや交通結節点としての東名吉田インターチェンジ周辺をそれぞれ新拠点と位置付けて整備を進めることにより、静岡空港や県営吉田公園などエリア内の既存拠点と相互に連携を図りながら、新たな人やモノの流れを生み出すことを目指してまいります。

 次に、吉田町地域公共交通計画の策定についてでございます。

 町民の皆さまが不便なく町内を移動できるような公共交通の仕組みを構築するため、国土交通省において公共交通政策に係るアドバイザーを務める、名古屋大学大学院の加藤(かとう)博和(ひろかず)授にご指導をいただきながら、新たな公共交通システムの構築に向けた調査研究に取り組んでおります。

 本年度は、地域の多様な輸送資源の活用により、まちづくりと連携した公共交通ネットワークの構築を目指す「地域公共交通計画」の策定を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により策定を見送り、本年9月以降に策定することといたしました。

 計画の策定に当たりましては、公共交通を必要とする方のニーズや事業者の現状などをあらゆる角度から調査し、その結果を基に、住民の代表や交通事業者等で構成される吉田町地域公共交通会議において十分に議論し、当町に適した公共交通の構築を目指してまいります。

 次に、バス交通活性化対策事業についてでございます。

 静岡県中部地域の5市2町が連携して取組を進めております「しずおか中部連携中枢都市圏事業」においては、当町の主要バス路線であります特急バス静岡相良線利用者の利便性向上などを図るため、バス停の上屋等の整備を推進しております。本年度に予定しておりました「片岡北吉田特別支援学校前バス停」の上り線における上屋整備につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響等により実施が困難であったため、令和3年度は、この上下線のバス停にそれぞれ上屋を整備する予定でございます。この上屋整備につきましては、しずおか中部連携中枢都市圏事業負担金を活用するとともに、バス交通の活性化を目的としたバス交通活性化対策事業費補助金を交付し、バス事業者と連携を図りながら利用者の利便性向上に努めてまいります。

 次に、ふるさと納税推進事業についてでございます。

 本年度4月から1月までのふるさと納税寄附額は、6億7,662万円で、昨年度の同時期と比較しますと、約16パーセント増加しております。これは、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う外出自粛の影響による「巣ごもり需要」にふるさと納税制度がマッチしたことや、「さとふる」「ふるさとチョイス」「楽天」といった従来のサイトに加え、7月から新たに三越伊勢丹グループが運営するサイトで受付を開始したことにより、寄附額が増加したものと捉えております。また、町内事業所の皆さまにご協力をいただき、「定期便」の取扱いを開始したほか、新たな返礼品として「かりんとう」を追加したり、「まぐろ」や「テープ製品」などの種類を追加したりするなど、返礼品の選択肢を広げる取組も進めてまいりました。

令和3年度におきましても、引き続き、地域産業の活性化を目的とし、寄附者のニーズに沿った返礼品を取り揃えて寄附額の増加を図るとともに、寄附者の意向に沿った寄附金の活用に努めてまいります。

 次に、橋梁維持補修事業についてでございます。

 橋梁の適切な維持管理のため、当町では、国の補助を受けながら長寿命化計画に基づく点検補修事業を実施しており、令和元年度から5か年で253橋の点検業務を進めるとともに、「早期措置段階」と診断された橋梁につきましては、順次、補修設計及び工事を実施しております。令和3年度につきましては、国が代行して修繕を進めております古川橋と、町が発注する東臨港橋の補修工事を実施する予定でございます。

 続きまして、「次代を担う心豊かな人を育むまちづくり」に関連する事業につきましてご説明申し上げます。

 はじめに、「吉田町教育元気物語TCP Triwins Plan」における令和3年度の主な取組についてでございます。

 このプランの3つの柱であります「子どもの『確かな学力』を保障する環境づくり」「教職員が授業に専念できる環境づくり」「保護者、家庭の教育ニーズに応じた環境づくり」に掲げておりますそれぞれの事業につきましては、引き続き推進するとともに、現在、国が進めております「GIGAスクール構想」の実現に向け、特に力を入れて取り組んでまいります。

 この3つの柱を支える基盤整備としましては、これまでに、町内全ての小中学校におけるWiFi環境の整備や、児童生徒1人1台の学習者用端末の整備を急ピッチで進めてまいりましたが、この環境整備は本年度中に完了し、加えて、令和3年度にはデジタル教材等を大きく映すことができるモニターを各教室に配備する予定でございます。これらの整備により、学校現場はこれまでにない学習環境の大きな変革の時期を迎えますが、こうした目まぐるしい変化にも学校現場がスムーズに対応できるよう、学校のICT化を実践的に支援するICT支援員を配置することとしております。

 令和3年度は、これらのICT環境を活用しながら、「GIGAスクール構想」が目指す「多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、一人一人に公正に個別最適化され、資質や能力を一層確実に育成できる教育」の実現に努めてまいります。

次に、総合体育館の空調設備設置工事についてでございます。

 有事の際の指定避難所にも位置づけております総合体育館へのエアコン設置につきましては、予定していた工事がおおむね完了し、万が一の避難生活においても、町民の皆さまが日常生活に近い環境で快適に過ごすことができる体制を整えるとともに、非常用自家発電設備を3日間程度稼働させることができるものに更新することで防災機能を向上させ、町民の皆さまの更なる安全・安心の確保につなげてまいります。また、この工事に伴い、平常時においても快適な環境の中でスポーツ等に親しむことが可能となりますことから、より一層、施設を有効に利用していただけるものと期待しているところでございます。

 次に、図書館事業についてでございます。

 図書館におきましては、現在、所蔵している児童向けの総合百科事典が10年ぶりに全面改訂され、最新情報の追加やより分かりやすい内容に更新されることから、新刊の購入を予定しております。

 今後も引き続き、利用者のニーズに合った資料や情報を提供し、更なるサービスの向上と充実を図ってまいります。

 続きまして、「豊かな自然と共生するまちづくり」に関連する事業につきましてご説明申し上げます。

 はじめに、上水道事業についてでございます。

 水道事業は、町民の皆さまの生活や社会経済活動を支えるライフラインを維持するための重要な役割を果たすものであり、地震災害時においても安定して水を供給し続ける必要がございますことから、令和3年度につきましても、引き続き、基幹管路の耐震化に重点を置き、整備を進めてまいります。

 静岡県生活基盤施設耐震化等補助金を活用し、基幹管路耐震化事業として実施します高区配水系送水管布設替工事につきましては、第2浄水場から第2配水池までの送水管の布設替えを予定しておりますが、これにより高区配水系の送水管の全てが耐震管となる予定でございます。また、老朽管布設替事業として、井の口線ほか2路線の配水管布設替を含む2本の工事や他事業に伴う配水管の布設替等の事業として、榛南幹線配水管布設替を含む3本の工事を予定しております。

 そのほか、水道施設更新事業として、本年度に策定いたしました「吉田町水道事業施設更新計画」に基づき、流量計2基と取水ポンプ2基の更新工事を実施する予定でございます。

 次に、下水道事業についてでございます。

 下水道事業の施設整備につきましては、ストックマネジメント計画に基づく浄化センターの機械設備及び空調・換気施設の改築工事、マンホールポンプ場電気設備更新工事を実施するとともに、本年度に引き続き、未普及対策事業として浜田土地区画整理事業地内の川尻南部汚水幹線工事を実施する予定でございます。

 なお、川尻南部汚水幹線工事の一部につきましては、昨年12月議会定例会においてお認めいただいた債務負担行為を活用し、本年度末までに発注を終え、新年度当初から工事に着手してまいりたいと考えております。また、地震対策事業につきましても、本年度に引き続き、浄化センター反応タンクの管廊耐震工事並びに中央幹線、住吉幹線及び寄子浜河原線に整備しました汚水幹線マンホールの液状化による浮上防止対策工事を実施する予定でございます。

 その他、本年度に策定いたしました汚水処理ビジョン及び経営戦略に基づき、下水道全体計画の見直し等を実施するとともに、耐水化計画の策定並びに総合地震対策計画及び業務継続計画を見直す予定でございます。

 以上、令和3年度を迎えるに当たり、「人が集い 未来へはばたく魅力あふれるまち 吉田町」の実現に向けて実施いたします各種施策の方針や概要について述べさせていただきましたが、先に申し上げましたとおり、新型コロナウイルスの感染症の拡大は地域経済に大きな打撃を与え、町の財政運営も大きな影響を受けておりますことから、これまで以上に歳出の見直しを徹底するとともに、今後は、歳入の確保をより一層推進し、限られた資産を最大限に活用していく必要がございます。

 当町は、東日本大震災以降、「津波防災まちづくり」を喫緊の課題と位置づけ、まちづくりの方向性を示し、町政運営のアクセルとしての役割を担う「企画調整部門」と、町の予算を司り、ブレーキとしての役割を担う「財政部門」をそれぞれ企画課に配置し、そのアクセルとブレーキを交互に踏みながら全力で駆け抜けてまいりました。

 しかし、この未曽有の危機を乗り越えるため、新年度に向けましては、町の予算を総合的に管理する「財政部門」と公有財産を管理する「契約管理部門」を集約することで資産管理の徹底を図り、より安定的な行政運営を遂行することを目的として、新たに「財政管理課」を設置し、このような厳しい財政下であっても、町民の皆さまが安心して暮らすために必要なサービスを享受できる持続可能な行財政基盤を強化してまいります。

 今後も引き続き、町民の皆さまが安心して心豊かに暮らし続けることができ、また、多くの皆さまに訪れていただけるような魅力あふれるまちを創り上げ、次の世代につないでいくとともに、持続可能な未来を切り拓いていくため、組織力を強化し、全力で町政運営に取り組んでまいります。

 議員各位をはじめ町民の皆さまにおかれましては、是非とも、こうした当町のまちづくりにご理解をいただき、今後、より一層のご支援とご協力を賜りますようお願いを申し上げまして、令和3年度の施政方針といたします。