○吉田町がん患者等妊孕性温存治療費等助成金交付要綱
令和4年3月28日
要綱第21号
吉田町がん患者妊孕性温存治療費助成金交付要綱(令和元年吉田町要綱第11号)の全部を改正する。
(趣旨)
第1条 町長は、将来子どもを産み育てることを望み、がん治療等に加えて妊孕性温存治療及び妊孕性温存治療により凍結した検体を用いた生殖補助医療等を受ける患者の経済的負担の軽減を図るため、予算の範囲内において、吉田町がん患者等妊孕性温存治療費等助成金(以下「助成金」という。)を交付するものとし、その交付に関しては、吉田町補助金交付規則(昭和54年吉田町規則第8号)及びこの要綱に定めるところによる。
(1) ガイドライン 「小児、思春期・若年がん患者の妊孕性温存に関する診療ガイドライン」(一般社団法人日本癌治療学会編)をいう。
(2) がん治療等 次のいずれかに該当する治療をいう。
ア ガイドラインの妊孕性低下リスク分類に示された治療のうち、高・中間・低リスクの治療
イ 長期間の治療によって卵巣予備能の低下が想定されるがん疾患の治療
ウ 造血幹細胞移植が実施される非がん疾患の治療
エ アルキル化剤が投与される非がん疾患の治療
(3) 妊孕性温存治療 生殖機能が低下する、又は失うおそれのあるがん治療等に関して、精子、卵子若しくは卵巣組織を採取し凍結保存するまでの一連の医療行為又は卵子を採取し受精させ、胚(受精卵)を凍結保存するまでの一連の医療行為をいう。
(5) 本人負担額 医療保険各法の適用とならない妊孕性温存治療による医療の提供を受けた者が負担すべき額をいう。ただし、文書料、入院費、入院時の食事代等の治療に直接関係のない費用及び凍結保存の維持に係る費用は、除くものとする。
(6) 凍結保存時 精子、卵子、胚(受精卵)又は卵巣組織を凍結保存した日をいう。
(7) 小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法支援事業 静岡県小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法支援事業費補助金交付要綱(令和4年2月4日付け医疾第961号静岡県健康福祉部長通知)に基づく事業をいう。
2 この要綱において「夫婦」とは、法律上の婚姻又は事実上婚姻関係と同様の事情にある男女をいう。
(1) 申請の日において吉田町内に住所を有する者
(2) 静岡県が指定する医療機関の生殖医療を専門とする医師及び原疾患の担当医師により、妊孕性温存治療に伴う影響について評価を行った結果、生命予後に与える影響が許容されると認められる者。ただし、子宮摘出が必要な場合等本人が妊娠できないことが想定される者を除く。
(3) 凍結保存時における年齢が43歳未満である者
(4) 静岡県小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法支援事業費補助金の交付を受けている者であって、次のいずれかに該当するもの
ア がん治療等を受けている者
イ 別表第1に示す医療機関において妊孕性温存治療を受けた者
(5) 静岡県小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法支援事業費補助金の交付を受けていない者であって、次のいずれかに該当するもの
ア ガイドラインに基づき、がん治療等により生殖機能が低下する、又は失うおそれがあると医師に診断された者
イ 別表第1に示す医療機関において妊孕性温存治療を受けた者
(温存後生殖補助医療費助成対象者)
第4条 温存後生殖補助医療費に係る助成金の交付の対象となる者(以下「温存後生殖補助医療費助成対象者」という。)は、次の各号のいずれにも該当する者とする。
(1) 申請の日において吉田町内に住所を有する者
(2) 婚姻関係の確認がなされた者
(3) 温存後生殖補助医療の治療初日における妻の年齢が43歳未満である者
(4) 夫婦のいずれかが妊孕性温存治療を受けた場合であって、温存後生殖補助医療以外の治療法によっては妊娠の見込みがない又は極めて少ないと医師に診断されたもの
(5) 静岡県が指定する医療機関の生殖医療を専門とする医師及び原疾患担当医師により、温存後生殖補助医療に伴う影響について評価を行い、生命予後に与える影響が許容されると認められる者
(対象となる費用)
第5条 助成の対象となる費用は、精子、卵子又は卵巣組織の採取及び凍結、胚(受精卵)の凍結並びに温存後生殖補助医療に要する費用(初回の保存料を含む。)のうち、本人負担額とする。
2 前項に規定する費用には、医師の判断で妊孕性温存治療を中止した場合にあっては、それまでに要した費用を含めることができるものとする。
(助成金の額等)
第6条 助成金の額は、別表第2に掲げる金額を上限とし、本人負担額が上限に満たない場合は、その額とする。
2 妊孕性温存治療費に係る助成の回数は、都道府県及び他の市町村でがん患者等妊孕性温存治療費助成を受けた場合も合算し1人当たり通算2回までとする。
3 温存後生殖補助医療費に係る助成の回数は、温存後生殖補助医療の初回の助成に係る治療期間の初日における妻の年齢が、40歳未満であるときにあっては6回、40歳以上であるときにあっては3回を超えないものとする。ただし、助成を受けた後に出産した場合(妊娠12週以降に死産に至った場合を含む。)は、改めて初回から助成を受けることができるものとする。
(交付の申請)
第7条 妊孕性温存治療費助成対象者で助成金の交付の申請をしようとする者(以下「妊孕性温存治療費助成申請者」という。)は、次に掲げる書類を町長に提出しなければならない。ただし、静岡県小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法支援事業費補助金の交付を申請している妊孕性温存治療費助成申請者にあっては、当該補助金申請に係る若年がん患者妊孕性温存治療支援事業費補助金交付申請に関する証明書を第2号に掲げる書類に代えることができる。
(1) 吉田町がん患者等妊孕性温存治療費等助成金交付申請書(様式第1号)
(3) 妊孕性温存治療に係る領収書
(4) その他町長が必要と認める書類
2 温存後生殖補助医療費助成対象者で助成金の交付の申請をしようとする者(以下「温存後生殖補助医療費助成申請者」という。)は、温存後生殖補助医療終了後、次に掲げる書類を町長に提出しなければならない。ただし、静岡県小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法支援事業費補助金の交付を申請している温存後生殖補助医療費助成申請者にあっては、当該補助金申請に係る若年がん患者妊孕性温存治療支援事業費補助金交付申請に関する証明書を第2号に掲げる書類に代えることができる。
(1) 吉田町がん患者等妊孕性温存治療費等助成金交付申請書(温存後生殖補助医療分)(様式第4号)
(2) 吉田町がん患者等妊孕性温存治療費等助成金交付申請に関する証明書(温存後生殖補助医療実施医療機関)(様式第5号)
(3) 温存後生殖補助医療に係る領収書
(4) 法律上の婚姻をしている夫婦であることを証明できる書類(法律上婚姻していることを確認できる場合に限る。)
(5) 事実婚関係に関する申立書(様式第6号)(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合に限る。)
(6) その他町長が必要と認める書類
3 妊孕性温存治療費助成対象者又は温存後生殖補助医療費助成対象者が未成年の場合は、その法定代理人が当該妊孕性温存治療費助成対象者又は温存後生殖補助医療費助成対象者に代わり助成金の交付申請をするものとする。
(交付の条件)
第9条 申請者は、助成金の交付に関する関係書類を助成金の交付を受けた年度終了後5年間保管しなければならない。
(助成金の返還)
第10条 町長は、申請者が偽りその他不正な手段によりこの要綱に規定する助成金の交付を受けたときは、既に交付した金額の全部又は一部を返還させることができる。
(その他)
第11条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、町長が別に定める。
附則
この要綱は、公布の日から施行し、令和3年4月1日以後に実施した妊孕性温存治療から適用する。
附則(令和5年3月31日要綱第34号)
この要綱は、公布の日から施行し、令和4年4月1日以後に実施した妊孕性温存治療から適用する。
別表第1(第3条関係)
区分 | 妊孕性温存治療の内容 | 医療機関 |
(1) 小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法支援事業による補助を受けている場合 | 胚(受精卵)、凍結保存、未受精卵子凍結保存 | 静岡県小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法支援事業実施要領第1(2)又は(3)の規定により指定された医療機関 |
(2) 小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法支援事業による補助を受けていない場合 | 精子凍結保存、精巣内精子採取術による精子凍結保存 | がん治療の担当医師又は温存治療の担当医師から紹介を受けた医療機関 |
胚(受精卵)、未受精卵子又は卵巣組織凍結保存 | 静岡県特定不妊治療費助成事業実施要領(平成16年4月1日適用)第1(2)又は(4)の規定により指定され、公益社団法人日本産科婦人科学会の「医学的適応による未受精卵子、胚(受精卵)及び卵巣組織の凍結・保存に関する見解(平成31年4月改定)」に準じて妊孕性温存治療を行う医療機関 |
別表第2(第6条関係)
区分 | 内容 | 上限額/回 |
(1) 小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法支援事業による補助を受けている場合の妊孕性温存治療 | 胚(受精卵)凍結保存 | 5万円 |
未受精卵子凍結保存 | 20万円 | |
(2) 小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法支援事業による補助を受けていない場合の妊孕性温存治療 | 精子凍結保存 | 2万5千円 |
精巣内精子採取術による精子凍結保存 | 35万円 | |
胚(受精卵)、未受精卵子又は卵巣組織凍結保存(組織の再移植を含む。) | 40万円 | |
(3) 温存後生殖補助医療 | 凍結した胚(受精卵)を用いた生殖補助医療 | 10万円 |
凍結した未受精卵子を用いた生殖補助医療 | 25万円※1 | |
冷結した卵巣組織再移植後の生殖補助医療 | 30万円※1~※4 | |
凍結した精子を用いた生殖補助医療 | 30万円※1~※4 |
※1 以前に凍結した胚を解凍した胚移植を実施する場合は10万円
※2 人工授精を実施する場合は1万円
※3 採卵したが卵が得られない、又は状態の良い卵が得られないため中止した場合は10万円
※4 卵胞が発達しない、又は排卵終了のため中止した場合若しくは排卵準備中、体調不良等により治療中止した場合は対象外