2015年3月25日 作成

航空機騒音対策事業に係る協定書

 吉田町空港対策協議会(以下「甲」という。)と静岡県(以下「乙」という。)と吉田町(以下「丙」という。)とは、静岡空港(平成21年5月7日国土交通省告示第505号により告示された飛行場。以下「空港」という。)の運用に当たり、航空機騒音対策事業の事業内容などの基本的事項について、次のとおり協定を締結する。

(航空機騒音対策事業の内容)

第1条 乙は、航空機騒音による障害の防止を図り生活環境を保全するため、住宅防音工事、学校等防音工事、電波障害防止対策及び畜産物等影響対策を実施するものとする。

(住宅防音工事)

第2条 住宅防音工事は、航空機騒音を測定した結果、Lden57デシベルを超える値が認められる地域(以下「対象区域」という。)において実施するものとする。
2 対象区域内で実施する住宅防音工事は、居住する家族数に1を加えた室数で5室を限度とする。
3 前項の住宅防音工事の内容は、次の工事を基本とし、標準工法、仕様等については、国土交通省の「住宅騒音防止工事設計基準」(昭和49年10月2日空騒第182号の2)を準用するものとする。
(1) 窓などの開口部 アルミニウム合金製サッシの取付け
(2) 冷暖房設備 冷暖房機器の設置(2室を限度とする。)
(3) 換気設備 換気装置の設置
4 乙は、前項に定める標準工法、仕様等に基づき実施した住宅防音工事に要する経費を別に定めるところにより補助するものとする。
5 乙は、住宅防音工事の実施後10年以上経過し、かつ、冷暖房設備の機能が失われていると認められるとき(引き続き対象区域に所在する場合に限る。)は、1回に限り、所定の冷暖房設備の更新に要する経費の100分の75を別に定めるところにより補助するものとする。

(学校等防音工事)

第3条 航空機騒音を測定した結果、窓を閉じた教室内で騒音レベルの平均が65デシベル・A特性音圧レベル以上となる小学校、中学校、幼稚園及び保育園について、建物の開口部・内装の防音化並びに冷暖房設備及び換気設備の設置を基本とする学校等防音工事を乙、丙及び関係する者が協議して実施するものとする。
2 乙は、前項の学校等防音工事に要する経費を別に定めるところにより補助するものとする。

(航空機騒音の測定方法)

第4条 第2条第1項及び前条の規定により実施する航空機騒音の測定は、次によるものとする。
(1) 測定の時期、回数及び場所については、空港周辺地域の航空機騒音の実態を全体的、総合的に評価し、かつ、効率的に監視できるよう配慮するものとし、乙が甲、丙及び関係する者と協議の上、環境監視計画において別に定める。
(2) 測定の期間は、連続した7日間とし、7日間の内、1日の航空機騒音の発生回数が5回以上の日数が3日未満のときは、3日以上となるまで測定期間を延長するものとする。
(3) 前2号に定めるもののほか、航空機騒音の測定は「航空機騒音に係る環境基準について」(昭和48年12月27日環境庁告示第154号)の第1環境基準の2(平成19年12月17日一部改正)を準用するものとする。

(航空機騒音の常時定点観測)

第5条 乙は、空港周辺地域における航空機騒音を継続的に監視するため、環境監視計画に基づき常時定点観測を実施するものとする。

(電波障害防止対策)

第6条 乙は、空港周辺地域における航空機の運航による電波障害の発生状況を環境監視計画に基づき調査するものとし、その結果、電波障害が認められる場合においては、甲及び丙と協議の上、必要な対策を講じるものとする。

(畜産物等影響対策)

第7条 乙は、航空機騒音により畜産物等の生産量が減少するなどの影響が生じたと認められるときは、損失に対する補償など必要な対策を講じるものとする。

(航空機騒音等の監視体制)

第8条 乙は、第4条、第5条及び第6条で定める環境監視計画を、学識経験者等専門家の指導・助言を踏まえ、甲及び丙と協議の上、策定及び実施するものとする。
2 乙は、環境監視計画に基づく毎年の航空機騒音等の調査結果を、地域住民に周知するものとする。

(住宅防音工事の実施期間)

第9条 住宅防音工事の実施期間は、原則として対象区域としたときから5年までの間とする。ただし、第2条第5項に該当する場合はこの限りでない。

(運用時間)

第10条 空港の運用時間は7時00分から22時00分までの間とする。ただし、乙は、急激な天候の変化等による定期便等の遅延、地震その他の災害、空港に関する工事のため必要があると認めるときは、これを変更することができる。
2 前項に定める時間を越えて運用時間を定めようとするとき(同項ただし書による運用時間の変更を行う場合を除く。) は、静岡空港の設置、管理及び使用料に関する条例(平成20年静岡県条例第22号。次項において「条例」という。)第4条本文の改正を行う前に、あらかじめ甲乙丙で協議をするものとする。
3 乙は、条例その他の空港の管理に関する規程に基づき、運用時間内に航空機の離着陸が行われるよう努めるとともに、第1項ただし書による運用時間の変更を行った場合は、その実績を定期的に取りまとめ、地域住民に周知するものとする。

(事業内容の見直し)

第11条 航空機の運航その他の状況変化により、航空機騒音対策事業の内容に見直し等の必要が生じたときは、甲乙丙協議の上、処理するものとする。

(協定の適用)

第12条 この協定は締結の日から効力を有するものとする。なお、平成19年8月2日付けで締結した協定はその効力を失う。

(疑義の解決)

第13条 この協定に定めのない事項及びこの協定に関して疑義が生じたときは、甲乙丙協議して定めるものとする。

 上記の協定の成立を証するため、この協定書3通を作成し、甲、乙及び丙記名押印の上、各自その1通を所持する。
平成27年3月25日

静岡空港における航空機の遅延防止に関する覚書

 吉田町空港対策協議会(以下「甲」という。)と静岡県(以下「乙」という。)と吉田町(以下「丙」という。)とは、航空機騒音対策事業に係る協定書(以下「協定書」という。)第10条第1項ただし書の規定に基づく静岡空港の運用時間の臨時延長(定期便等の遅延によるものに限る。以下「臨時延長」という。)について、次のとおり覚書を交換する。

第1条 乙が行う臨時延長は、1時間以内とする。

第2条 乙は、協定書第10条第3項に掲げる静岡空港の管理に関する規程(静岡空港の管理運用や業務についてのマニュアルを含む。)の中に下記の事項を定め、運用時間内に航空機の離着陸が行われるよう努めるものとする。
(1) 運航計画の設定は、静岡空港を利用するすべての航空機について、運用時間終了30分前までに限ること。
(2) 定期便等の遅延(運航者の責務に因らないものを除く。)が発生した場合は、一定の基準に基づき運航者に対して指導等を行うこと。

第3条 乙は、前条第1号又は第2号に関する規定を変更しようとする場合には、あらかじめ甲及び丙と協議しなければならない。

第4条 この覚書に定めるもののほか、臨時延長に関して疑義が生じたときは、その都度甲乙丙協議して対応するものとする。

 この覚書を証するため、本書3通を作成し、甲、乙及び丙記名押印の上、各自その1通を所持する。
平成27年3月25日